上 下
271 / 533
HONEY BUNNY

HONEY BUNNY<CLXXXV>

しおりを挟む

「確かにちょっと遠いけど、ちゃんと見えてるから大丈夫♡ でも、寂しくないわけじゃないから……あとでまたぎゅーってして、息するのも忘れちゃうくらいキスしてね……♡♡」

 心が通じ合っているみたいだと感激して微笑み返す。
 
 触れ合っている面積は少ないけれど、ときめく胸を起点に全身にほわっとぬくもりが広がって、寂しい気持ちは瞬く間に溶けていった。

「お願いされなくてもするさ♡ 俺だって、きみとくっついていたいんだから♡♡」

 彼は、言いつけどおりに伸ばした状態をキープしている脚に頬擦りをした。

「っん……♡ あなたって、わたしの脚好きだよね…………?♡」

「そうだね♡ もちろんきみのカラダは全身好きだけど、脚は特に好きなほうかな♡♡ この形がほんと俺好みなんだよね……♡ 『脚線美』って聞いてぱっと浮かぶのも、きみのこの綺麗な脚だよ♡♡ すべすべでいつまで触ってても飽きないし♡ ……ああ、ごめんね。ここばっかり触られるのは退屈かな?」

「ううん、そんなことないよ♡♡ わたしも気持ちいいし、好きなだけ触って?♡ でも、あなたは脚以外も好みだって言って褒めてくれるから……」

 小さな声でぽつりと零した不安の欠片が甘い雰囲気を壊してしまわないかと危惧したけれど。

「かえってお世辞なんじゃないかって心配になる? そんなことあるはずないのに♡♡ きみだって俺のすることはなんでも喜んでくれるけど、その中でも特に好きなことってあるでしょ♡ それと同じだって♡♡ たとえば、きみは手を繋ぐのが好きだけど……♡♡」

 言葉を区切った彼は、なにかに気付いた様子で大きな瞳をきらきら輝かせた。

「…………あ♡ いいこと思いついた♡♡ お手をどうぞ、お姫様?♡♡」

 腿の上にあった手は優しく掬われたのち、そっと曲げられ、最後に上から彼のそれをふんわりと重ねられた。

「うん、思ったとおりいい感じ♡ こうしてたら、少しは寂しくないんじゃないかな?♡♡ 『心でも繋がって、愛し合ってる感じする♡』って言ってたもんね♡♡」

「言ったけど……♡♡ もう♡ わたしのこと、どれだけ寂しがりだと思ってるの……♡」  

 なんてぼやいたけれど、頬は緩み切っているうえに、重ねられただけの手もすかさず握ってしまって。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

×一夜の過ち→◎毎晩大正解!

名乃坂
恋愛
一夜の過ちを犯した相手が不幸にもたまたまヤンデレストーカー男だったヒロインのお話です。

イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。

すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。 そこで私は一人の男の人と出会う。 「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」 そんな言葉をかけてきた彼。 でも私には秘密があった。 「キミ・・・目が・・?」 「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」 ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。 「お願いだから俺を好きになって・・・。」 その言葉を聞いてお付き合いが始まる。 「やぁぁっ・・!」 「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」 激しくなっていく夜の生活。 私の身はもつの!? ※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 では、お楽しみください。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

身体の繋がりしかない関係

詩織
恋愛
会社の飲み会の帰り、たまたま同じ帰りが方向だった3つ年下の後輩。 その後勢いで身体の関係になった。

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

処理中です...