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HONEY BUNNY

HONEY BUNNY<LV>

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「あなたって美容に対する意識が高いよね。すごくありがたいけど、そこまで気を付けないといけないものなのかなぁ……? 少しくらい手を抜いたっていいんじゃない?」
 
「俺自身のことなら適当で構わないんだけどね。きみのことに関しては少しも手は抜きたくないからさ」

 わたしにしてみれば少々やりすぎ感の否めないその方針に不満はないにせよ、解せないことがあった。

「……のわりには、途中から前戯みたいになってることも多い気がするんだけど……」

「うーん……それを言われると弱いなぁ。でもね、いつも言ってるとおり、これでも洗ってるときは真剣だよ。スイッチ入っちゃうときも確かにあるし、結果的にエロい触り方になってるかもしれないけど。それは本当にごめん」

 特に意味のない軽い気持ちでの指摘を彼は不満として受け取ったようだ。ほとんどいつも上を向いている口角が下がっている。

「えっ、そんな……。謝らないで? 別に嫌じゃないし、『やめて』って意味で言ったわけでもないよ」

「そう? ならよかったけど、きみの言いたいことはわかるよ。美容のためとか言っておいてエッチなことしたいだけなんじゃないかって疑われてても仕方ない。でも、きみがどうでもいいと思ってるんだとしても、俺は絶対にきみのお肌を最高の状態でキープしたいって本気で思ってる。真っ白ですべすべでいつまでも触ってたくなるから……ってだけじゃないよ。きみのことが大好きだから♡♡ まぁ……好きすぎるせいでやらしい触り方になっちゃうとも言えるけどね」

「……わたし、あなたのこと誤解してたみたい。ごめんね」

 と素直に謝れば、彼はいつもの調子に戻った。
 
「わかってくれればいいんだよ♡♡ お望みどおり、洗ってるあいだエッチなことはなんにもしてないし♡ ただ綺麗にしただけだったでしょ?」
 
 あたたかな手が肘から手首にかけてゆっくり下りていった。流し残しがないか確かめただけで、意図的なものと断定するのは早いかもしれない。

「……ぁっ♡ 『今日は』ただ洗ってくれただけ、かもしれないけど……っ。またうまいこと言って、わたしに思いっきり触る口実が欲しいだけだったりしない?」

 しかし、緩衝材になっていた泡がなくなったいま、わたしには直に感じるその手つきが妙にねっとりしているように思えてならなかった。
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