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HUNNY BUNNY
HUNNY BUNNY<XV>
しおりを挟む「もう♡♡ 恥ずかしいこと言わないで……♡」
「お口ぱくぱくさせて誘ってるのかな♡ ごめんね、少し待ってて……♡♡ あとでまた飲ませてあげるから、俺たちが愛し合った証拠、もっとよく見せて?♡」
「……言わないでって言ってるのに♡」
拒否を無視して続けられる言葉責めに顔を覆うけれど、彼の言い回しはわたしのハートを掴んで離さない。嫌がる素振りもお見通しというわけか。
「ごめんね? でも、俺の言葉に反応するきみがかわいいせいなんだから、諦めて♡」
なんて表情をするのか、このひとは。嫉妬してしまいそうなほどの美貌に見入っていると、ばちりと視線が交差した。
「…………意外と出てこないね? もっと出したと思ってたんだけど、これで全部?」
「ううん、まだ残ってるよ。奥のほうで出してもらったからかなぁ?」
彼の欲を受け止めたときの感触がよみがえってたまらなくなり、両手で自分を抱き締めた。
「あぁ、そういえばそうだった……♡ でもさ、あんなに欲しがってたのにいいの? この調子だと残ってるやつも出てきちゃうんじゃないかなぁ……。俺は全然構わないけどね、眼福だし♡♡」
というひと言で我に返る。食い入るように恥部を見つめられる喜悦に溺れ、わたし自身の望みを見失っていた。
「やぁ……それ以上こぼれちゃだめ……。せっかくいっぱいにしてもらったのに…………」
奥に流し込んでもらったはずの白濁は、掻き出すのをやめたあともおとなしく留まっていてはくれない。溢れ出て、シーツを汚していく。ふたりの体液が染み込んだ褥はすでに汚れきっており、凄まじい性の香りが染み付いていた。とても洗い立てとは思えない有様だが、居心地が良いと感じてしまうのは、内側にまでそれを受け入れているせいか。
いとしいひとの体で生成され、私を妊娠させるかもしれないその液体を一滴も逃さず、一秒でも長く自分の胎におさめておきたい。この気持ちが執着心の発露だということは明らかだが、それは彼の子を孕むことに対しての執着か。そうではなく、彼への愛情が高じたものか。いずれにせよ、激情と呼ぶにふさわしい感情であることは確かだ。
すでにシーツに吸われてしまったものは仕方ない。興奮した彼がもう一度注いでくれないかと期待しつつ、出てきたばかりで臀部を冷たく濡らすそれを掬って戻す。これ見よがしにゆっくりと。
「一生懸命精液戻してるの、オナニーしてるみたいだね♡」
強欲で好色な女を眺める男の放ったひと言はひどく淫猥だ。誘惑のために婀娜っぽい振る舞いをしたはずが、自分自身も酔ってしまっている。増幅していく欲情は、うまい具合に彼にも伝染してくれているだろうか。
「だって、一滴もこぼしたくないの……♡♡ これだって……っはぁ♡ だいすきなあなたの、一部……んっ♡ なんだもん♡」
淫蕩な微笑みも、精液塗れの指を秘部に押し込むたびに出る鼻にかかった声も、あなたを誘き寄せる罠。『もっと確かな一部が欲しい』とわたしのカラダは泣き濡れる。
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