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ホーリーナイト・セレモニー

ホーリー・ナイト・セレモニー<Ⅺ>

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「わかりやすいんだよ、きみは。顔に出る。だから、してほしいことだって当然すぐにわかるさ。自分の気持ちをうまく言葉で伝えられないことに負い目を感じてたみたいだけど、わざわざ言わなくたって、顔や態度でバレバレ。あ、カラダも正直だよね♡♡ 特にこことか♡」

 彼は喉の奥で笑いを噛み殺しながら、飢えた最奥に口付ける。何度も繰り返された動きのはずなのに、どうにかしてしまいそうなほど気持ちいい。
 
「っあぁ……っ♡♡」

 不意打ちの襲撃に大きな声を上げ、身体をのけ反らせた。その隙に彼は身体を起こす。かち合った視線で会話して、無言で唇を重ねた。もっと貪ってほしくて、もう一度顔を近付けるけれど、そのままの距離で彼は話し出す。
 
「全力で誘惑してくれてたのは、本能剥き出しの俺にちょっと乱暴に抱かれたがってるから。さっきの説明をそのまま受け取るなら、そういうことになるけど……それだけじゃないよね?」
 
 首筋に熱い息がかかったかと思うと、耳をべろりと舐められる。

「早くナカに欲しくてそわそわしてるのも、ちゃあんとわかってるよ…………♡」

 穴を責められる感触そのものよりも濡れた音が響いたことに感じてしまい、きゅっと目を瞑って耐えているところに、さらに追撃が加えられた。どことなく水気を含んだ囁きも、じっとりと入り込んでは心ごと濡らしていく。

「……ゃ♡ 耳元でえっちなこと言わないで♡」

「えぇ? 嘘吐き♡♡ 言葉責めだって大好きなくせに……♡ これ以上嘘吐くなら、お仕置きが必要かなぁ……」

「お仕置き……?」

 不穏な単語にほど期待してしまう被虐性欲マゾヒズムを押し隠して不安そうに尋ねると、彼はわたしの片頬に手を添えて説明を加えた。歪んだ笑みが示すのは加虐性欲サディズムの片鱗か。

「そう。でも、ご褒美になってもいけないから……こんなのはどうだろう。今度、思ってることと真逆のことを言ったら、きみのはもうあげない♡♡」

「わたしの欲しいものって…………」

 心当たりがありすぎて候補が絞れない。それだけわたしは彼にたくさんのものをねだってきた。彼にはわたしがなにを望んでいるように見えているのだろう。……まもなく、その答えは明かされた。
 
「……なんだと思った? きみがいちばんよくわかってるはずだけど♡」

 という言葉と意味ありげに伏せた睫毛に促されるように秘部に手を伸ばす。すでに数回分の射精を受け入れたそこからは、粘り気のある液体が溢れ出していた。触って確かめるまでもなく、臀部を伝う冷たい感触には気付いていたけれど、ふたりの混合液が用済みとばかりに垂れ、あちらこちらに生殖が行われた痕跡を残している事実にまた逆上せそうになる。
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