114 / 119
We hope your Halloween is a ”Treat”!
We hope your Halloween is a ”Treat”!【34】
しおりを挟む「まぁ、何年もこんな生活を続けていれば、多少はな」
「いつも空けてくれてるんだよねぇ、パックは。みんなが気まぐれに買って来たものが入るスペース。ねぇ、スー」
「そうだな、チル。僕たちがまるきり同じものをふたつ買ってしまったとしても無理なく置けるのは、本当に有難いことだ。感謝する、パック」
顔を見合わせたあと、パックを見上げる双子ちゃんのかわいさよ。
「ぐう聖……!」
「救世?」
ヴィニーが首を傾げる。
ぐう聖が通じないにしても、咄嗟にそんな単語出て来る? さてはキャストリア推しか?
「大体合ってる奇跡。にしても、シンクロ率たけーな、オイ」
食べたいものがしょっちゅう被るのもかわいいけど、自分の分だけじゃなくて必ずふたつ買ってるっぽいのはもっとかわいい。
この双子、保護指定。ソシャゲならレア度関係なく引いたら即ロックかけてた。
「いえいえ。むしろ私たちまでご相伴に与ってしまって……。おふたりがそれぞれふたつずつ食べるのだって、選択肢としてはアリでしょう?」
「そうそう! なのに、俺たちにまでご馳走してくれて優しいよね~。実質スイーツ係みたいな感じだよ。チルちゃんとスーちゃんは」
とパックとヴィニーが証言した。人間同士の会話よりよっぽど思いやりに溢れてる……。
会話だけじゃないな、行動もだな。冷蔵庫のプリン奪い合うような人たちは見習ったほうがいいよ。ガチで。
「うふふ。これからも期待しててねぇ」
「ああ。話を戻すが、冷蔵や冷凍の必要な物はいいんだが、常温での保存が可能な物となると、途端に感覚が狂うようでな……」
「うん、野菜とかね……」
スーとヴィニーが遠い目になっちゃった。
そういうことなら、常温保存できる食品の在庫管理はふたりがやったらいいんじゃないかと思うけど、部外者の私が口出しするのもな。
パックの感覚がどの程度狂うのかもわからないし。……いや、確か……。
「……ああ。そういえば、ストッカー一段占領してたもんね。さつまいも……」
スイーツ作ったのなんてせいぜい数時間前なんだろうけど、その数時間に色んな事情知りすぎたせいで遠い昔だったような気がする。
「ん? ああ、そうか。カリンは実際に見て知っているんだったな」
「うん。キッチン入らせてもらったからね」
ストッカーには、当然だけどさつまいもの他にも常温保存可能な野菜がどっさり入っていた気がする。
一番下の段には、かぼちゃがゴロゴロしてたような……。それもあって、スイートポテトとパンプキンプリンって組み合わせにしたのかな。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
うりふたつ
片喰 一歌
恋愛
「あの、お心遣いには感謝しますけど、お兄さんのことは半分も信じてませんからね」
「しっかりしてるねえ。ひとまずは俺、初対面の馴れ馴れしくて怪しいお兄さんってことで」
(※本文より抜粋)
ある日、アキノの前に現れたナンパ男は、死んだ恋人・ハルトにうりふたつだった。
無口な彼とは対照的におしゃべりなその男は、自分をハルト本人だと言い張る。
アキノは半信半疑ながらもその男の誘いに乗り、『冥界デート』に付き合うことに。
聞くと、彼は生前の目的を果たすために戻ってきたらしい。
その口から語られたのは、亡き恋人しか知らないはずの『一緒のお墓に入りたい』というアキノの願いだった。
戻ってきたハルトは、どのようにしてアキノの願いを叶えるつもりなのか?
衝撃のラストは必見です!
2024/5/6~ 1話あたりの分量を変えて帰ってきました!
あなたはこの結末をどう読みますか?
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
エリート警察官の溺愛は甘く切ない
日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。
両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉
蛍地獄奇譚
玉楼二千佳
ライト文芸
地獄の門番が何者かに襲われ、妖怪達が人間界に解き放たれた。閻魔大王は、我が次男蛍を人間界に下界させ、蛍は三吉をお供に調査を開始する。蛍は絢詩野学園の生徒として、潜伏する。そこで、人間の少女なずなと出逢う。
蛍となずな。決して出逢うことのなかった二人が出逢った時、運命の歯車は動き始める…。
*表紙のイラストは鯛飯好様から頂きました。
著作権は鯛飯好様にあります。無断転載厳禁
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる