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We hope your Halloween is a ”Treat”!
We hope your Halloween is a ”Treat”!【25】
しおりを挟む「ああ、そのとおりだ。さすがの勘のよさだ。しかし、改めて言語化すると信じ難いな」
「私に言わせてもらうと、みんなの成立過程も似たり寄ったりだったからね? 擬人化ですらないとかさすがに衝撃すぎた」
「それはそうだろうな……。場所同士、ヒト同士ならまだしも、ヒトとモノを置き換えようとは、ハーさんはやはりめちゃくちゃなことをする」
「成功しちゃってるのがすごいけどねぇ」
スーもチルも口では呆れているみたいに言ってるけど、ふたりして目をキラキラさせちゃって、まぁ。
尊敬してるんだろうな、ハーさんとやらのこと。……ハーさん……。ハーさんねぇ…………。
さっきヴィニーも言ってたけど、ハーさんって完全にハデスさんですよねありがとうございました。
そんな距離感で大丈夫か? 神の一柱ぞ?
「大丈夫です。問題ありません」
「ひぃぃぃぃ! 読心術反対! でも、完璧な返しだったよありがとう!」
「どういたしまして。人間界のサブカルチャーを学んだ甲斐がありました」
パックはそのくらい当然だとばかりに胸に手を当てた。
いやいや、仕事のためにそこまでできる人は人間でもなかなかいないって。
カソックも完璧に着こなしてるけど、やっぱタキシード着てるとこも見てみたかったな……。
「真面目か? さては真面目だな?」
「カリンちゃんは店長の正体に気付いてるんだと思うし、びっくりするのも無理ないよね。でも、『店長って呼ばなくていいときはハーさんって呼んで』って言われててさ~」
「えぇ、マジか……。でも、本当にすごい人って、確かにそんな感じかも……。全然威張らないどころか、向こうが下々の者に目線合わせてくるみたいな……」
真の隠を極めし者は、せっかく目線を合わせてもらっても、そっぽ向いたりするけどな。
「まぁそれはいいか。じゃあ、その……本物のボランティアの人たちはみんな無事って思っていいんだよね? 退避済みって言ってたし、本当に安全なんだよね?」
いちばんの懸念はそれ。
……いやごめん、いまの嘘だわ。
さすがにいちばん大事なのは自分。まだ異世界に飛ばされたままの自分。
他の人が心配じゃないわけじゃないけど、現在進行形で無事に帰れるかもわからない状態で、飛ばされてる異世界もよりによって冥界なわけで。
帰れたとしても、あっちとこっちじゃ時間の流れが違ってて、一晩で老け込んでるかもしんないとかって考えると……我が身かわいさが勝つよ。やっぱり。
仮にそれが最悪の場合の想定だったとしても、寿命の一年や二年、ちょろまかされててもおかしくはないじゃん。
死者たちの世界に生者が紛れ込むとか御法度だろうし、迷惑料的なお題目でさ。
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