55 / 119
It's time 4 a coffin break!
It's time 4 a coffin break!【13】
しおりを挟む「ナニモン・ナンデス……?」
予想していたとはいえ、思わず片言になってしまった。それは違うよ! よりによってここでその定型文を使うんじゃない。ややこしいんだよ色々と。
でも、店長が何者かって疑問を抱くのは当然じゃん? こんな都心の一等地に使いもしなくなった豪邸をそのまま所有し続けるとか、経済力すごE越して恐Fやんけ。バックにいるの、コワイ地上げ屋さん?
「店長が何者か? 俺たちもそんなに詳しくは知らないんだけどね~、とある界隈では相当な権力者らしいよ」
ひそひそ声で話すヴィニー。
「え、それじゃ私も知ってる可能性あるって事?」
思わず身を乗り出す。界隈てなに? 政財界?
「そうだねぇ。知ってても不思議じゃないかも?」
みんなやけにもったいぶるじゃん。
『一般市民でも知ってるほど知名度のある人物』だって事を強調する割に、答えに行き着かないようにはぐらかされてる気がしないでもない。
「とても多くの部下を従えていらっしゃるとか」
沢山の子会社を束ねてる企業のCEOとか? 情報が提供集まれば集まるほど、元から謎な人物像がもっとぼやけてく気がするんだけど。
「だが、こうも聞く。『あまりにその正体に近付きすぎた者の命の保証はない』と。まぁ本人から直接聞いたわけじゃない。そこまで気にする事でもないかもしれないが、万が一なにかあったときの保証は出来かねる。それでも、店長についてもっと詳しく知りたいか?」
「イエ……ナンデモ・ナイデス…………」
あれれ~、おかしいぞ~? 不穏担当はチルの専売特許じゃなかったかな~?
発言者が誰だったとしても、そこまで脅されたら閉口するしかないけどね。いのちだいじに。
さっきから個人の特定には至らない情報しか提供してくれないのも、意地悪してるわけじゃなくて危険が及ばないようにっていう配慮なのかも。
……と思ったにもかかわらず、ここで考えるのをやめる私じゃない。どうせ教えてくれた事だけじゃ正体なんてわかりっこないし。
「ふふ、そうですか。店長は話題に事欠かない方なので、噂レベルで構わないのであれば、お話し出来る事もまだ沢山あったんですけど……残念です」
『店長』であるからには、一般的にはもっと身近な存在なんじゃないかと思うけど、みんなも彼(……彼で合ってるのかな?)についてあんまりよく知らないっぽいのはどういう事なんだろう。上長っていったって同じ現場で働いてるだろうし、違和感がすごい。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが小さな公園のトイレをみんなで使う話
赤髪命
大衆娯楽
少し田舎の土地にある女子校、華水黄杏女学園の1年生のあるクラスの乗ったバスが校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれてしまい、急遽トイレ休憩のために立ち寄った小さな公園のトイレでクラスの女子がトイレを済ませる話です(分かりにくくてすみません。詳しくは本文を読んで下さい)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる