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We witch you a happy halloween!!
We witch you a happy halloween!!【10】
しおりを挟む「そうそう。でも、まずはこっち。ちょっと多いけどよろしくね、カリンちゃん!」
目の前にドンと置かれたのは予想を遥かに上回る量のさつまいも。そっか、野菜ストッカーに収納されてたから、作業台には乗ってなかったんだ。
いやでもこの量ときたら……尾田っちじゃなくたって『ドン!』って効果音つけるよ。ストッカーの一段まるごと占拠しちゃってるし。
「これ全部いいの?」
「うん♪ あ、大変だったら手伝うよ?」
「ありがとう、ぜひお願いしたい。けど、聞きたかったのは『そんなに沢山作っちゃって大丈夫?』って事でさ。わかりにくくてごめん」
「ああ、そちらも問題ありませんよ。作った物は二日三日程度なら持ちますし、みんな好きなメニューですから売れ行きもいいはずです。確かに余る事は余ると思いますけど、そのときはお土産として持ち帰ってください。カリンもお好きなんでしょう?」
「そっか……。なにからなにまで本当にありがとうね……」
全私が泣いたリターンズ。なにも持参しないで来たのに、お土産まで持たせてくれるとか。
「いえいえ。カリンとヴィニーがさつまいもを切るところまで済ませてくれるとの事なので、潰すのは私がしましょうか」
「了解! そのあとはみんなで相談しながらやろっか」
そのあとはヴィニーと二人でさつまいもをひたすら剥いて切る……はずだったけど、剥くのに手間取っている私を見かねたヴィニーが剥く作業を全部してくれる事になった。
「お手数おかけします……」
「いいっていいって。カリンちゃんはどんどん輪切りしちゃって♪」
「かたじけない……!」
パックはそんな私たちを見守りつつ、切り終わったイモを加熱してくれていた。加熱が終わったら片っ端から粉砕してるし。段取りいいな。
「余所見しては危険ですよ、カリン。それと、いくらなんでも『粉砕』は言い過ぎではないでしょうか?」
「ひいいいい! ごめんて。あと人の心読まないでほしい切実に!」
なんでそこピンポイント当ててくるわけ!? 言っとくけど誹謗中傷の意図はない。あっという間にイモが潰れてくのすごいなって思ってただけだよ。
「パックがどんなに万能でも心は読めないって。カリンちゃんの言葉選びから推測したのがたまたま当たっちゃっただけじゃない?」
「ヴィニーにはお見通しでしたか。その通りですよ」
自分的にはオタクっぽさを取り除けばそこまで尖った喋り方してるつもりないけど、この二人からしたらそうじゃないってだけか。ダマスカス包丁とか言われたもんね。ますます磨きをかけるっきゃないな。いや、いま以上に鋭くなってどうするよ。
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