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We witch you a happy halloween!!
We witch you a happy halloween!!【8】
しおりを挟むあ! それについてなんだけど、実はちゃんと設定があって。『スイーツしか食べないワガママでド偏食なお姫様のために作られたお菓子作り専用のアンドロイド』のつもりだったんだよね。即興で考えたにしては上出来。自画自賛乙。姫様絶対糖尿病定期。漢文ばりの漢字の羅列二連続、読みづらかったらごめん。
ちなみに私なら、『最終的に姫様は甘いお菓子やアンドロイドの持つ製菓技術じゃなく、自分のためにいつも甲斐甲斐しく美味しいスイーツを作ってくれるアンドロイド自身に心を奪われるけど、アンドロイドには心がなく、ただ与えられた指示をこなしているだけ=不毛な恋。姫様はそれを理解しながらも真実の愛を信じてアタックするけど、アンドロイドが寿命を迎えてしまい……』って感じのスジにするな。姫様だけがアンドロイドに一方的に矢印向けてんの。
私、生まれつき身分高いキャラの片想いがヘキなのかな。地位も美貌も人望も金脈も持ってて手に入らないものなんてないと思い込んでた井の中の蛙が、人生で初めて喉から手が出るほど欲しいと思ったものが『他者の心』っていう傲慢さや愚かさが人間くさくていいと思うのかも。
金持ちのご子息ご息女たちが生まれながらにして持ってるパワーって大体ご先祖様のおかげだし、もっと言えば個人ってより家系の財産だと思うけど、したくもない努力も死ぬほど続けてて、それを当たり前だと思ってる人たちなんだろうって想像できるから、嫌いじゃないんだよね。ていうか、わりと好き。私には絶対出来ないもん。
そんな事よりアンドロイドと姫様の話の続きを聞きたい? いいですとも! ていうか聞いてって。妄想炸裂してっから。
……と言いたいところだけど、いつかこの作者はいまのお話を御伽噺風短編として書いて発表するかもなんだって。軽い気持ちで詰め始めたはずが、変なとこ凝り性なせいでこんな事態に。まぁあれよ、乞うご期待ってやつ。
構想練るうちに姫様がやたら可愛いキャラになってっちゃったけど、ひとつ言っていい? Dオタだろ、姫様。真実の愛をそこまで信じるって事はさ。
「それはなによりですね」
……え、それだけ? 突然とんでもないボケをかましたというのに、パックは涼しい顔を崩さない。右からやって来たものを左に受け流すな。
「………………」
『どんなツッコミしてくれるんだろう』って一瞬でも期待した私が馬鹿だった。
「いまの沈黙は?」
「パックって生粋のボケなんだなーと思って」
「……本当に、それだけでしょうか?」
戦場カメラマンばりにゆっくり尋ねられて迷いが生まれた。思った通りに言うべきか、少しはオブラートに包むべきか。まぁ答えなんてとっくに出てるわけだけど。
「『それはないでしょう』くらいは言ってほしかったなー! 途中までは合ってたのに!」
「なるほど。お望みのものは私のツッコミでしたか。ご期待に沿えず申し訳ございません」
「『厳正なる抽選の結果、チケットをご用意することができませんでした』みたいなトーンで言わないで? ガチ凹みするよ?」
「これはこれは失礼いたしました。次回は善処しますね」
「口先だけじゃない事を祈っとくわ」
「ねぇねぇ、パックとカリン。そろそろお菓子作り始めようよぉ」
調子のいいパックの返しに笑ってたら、作業台の向こうからチルに声を掛けられた。業を煮やしたってわけじゃなさそうだけど、長らく中断しちゃって申し訳ない。
「そうでしたね」
「ごめん! 始めよ始めよ!」
少しも慌てないパックの分まで謝って腕まくりしたらやる気が湧いてきた。オレはやるぜオレはやるぜ。
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