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We witch you a happy halloween!!
We witch you a happy halloween!!【3】
しおりを挟む「どうぞお入りください」
「お邪魔しまーす……」
パックが重そうな扉を押さえて待ってくれてたから、非現実的な妄想はさっさと頭から追いやって、あとがつかえないようにさっさと中に入った。
イケメン神父にエスコートしてもらった感動よりも、ようやく手を離してもらえた安心感が上回っちゃったの地味に悲しいんだが。長年の夢とはなんだったのか。乙女ゲームの主人公に転生しても心までなりきれないタイプとか言うなし。予測可能回避不可能m9(^Д^)プギャー
「……内装もかっこよ!」
入ってすぐのロビーには真正面には少し上ったあたりで二股に分かれる大きな階段があって、テンションが上がった。もちろんみんな大好き(?)豪華なシャンデリアも吊るされている。
立派なのは外装だけじゃなかったんだな。疑ってたわけじゃないけど。照明や調度品の具合のせいか重厚な雰囲気で、バイオに加えてホンテっぽさもちょっと入った感じ。
「ちょっとしたパーティー開くにはいい感じだよね~。掃除さえサボらなければ!」
この時点で人体実験のための施設ってセンはかなり薄れたにしても、いまいちなんのための建物なのかわからない。お前はバイオ風建造物のイメージに引きずられて不名誉で不穏な妄想までしてたのかって? めっちゃしてました。すんません。
「うふふ。こっちだよぉ」
「見学したければあとで言ってくれ。案内する」
あっちこっちに視線を飛ばしている私にチルははぐれないようにやんわり注意してきたけど、スーは代替案を提示する事で自然と注意を引き付けた。全然違う二人のリアクションに、双子しぐさに湧く短絡的思考が恥ずかしくなって泣いちゃった……。
二人のあとに続いて階段を上り、左手に曲がった。長い廊下の途中、数個目の部屋の前でが立ち止まった双子はアイコンタクトを取ったかと思うと、両開きの大きな扉を同時に開けてくれる。王道の双子アクションを見せつけられちゃってどうしようね。舌の根も乾かぬうちにとは思ったけど、いまのはテンション上げるなってほうが無理くない!?
「……あのさヴィニー、言おうか迷ったんだけど言っていい?」
「え、なになに~? カリンちゃんのダマスカス包丁みたいな言葉にも慣れてきたし、遠慮しないでなんでも言ってよ♪」
ダマスカス包丁とはなんぞや? 包丁だから切れ味抜群的な? ヴィニーも結構言うようになったじゃん。そのほうがこっちとしてもやりやすくて助かるし、気を許してくれたみたいで嬉しい。けど、ぬか喜びかもだからあとでググろ。……とか思うだけ思って忘れるまでがワンセット。
包丁の種類さっぱりわかんないんだよね。実家にあったやつもそこまで高価なやつじゃなかったと思うし、いま家で使ってるのも百均で適当に選んだやつ。豆腐とか白菜とか切るのにたまに使うくらいしか出番ないけど。いま自炊メニューがほぼほぼ鍋しかないの即バレしたよね。ウケる。一年の中で突出してちゃんと自炊してるのが冬って事も同時にバレる仕様。鍋はいいぞ。
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