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第3章 聞いても意味が判らない真実と他人任せの脱出とか、勇者の立場って奴が・・・。

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時、おれはなんで魔王城に行って、魔王を倒してやろうと思ったんだろう?
 第1にやっぱり勇者だったら、魔王倒してなんぼでしょう~とは確実に思っていた。どんなファンタジーでもRPGでも魔王と勇者が居るのならば、それは勇者が魔王を倒す物語が王道と言う物だ。俺が死ぬ少し前位に、魔王を殺さない勇者が、世界と戦って、経済支配するみたいな話があったが、あれはラノベであって定番にはなっていない。たぶん。魔王を嫁とか、魔王と一緒にお料理とか、魔王といちゃらぶなんて話はまだまだ王道未満だし、残念ながらこの世界の魔王は男で、どっちかと言うとアラサー近い見た目とか?
 だから、魔王に萌え要素は無い。
 第2に、たしか誰かから懇願されたんだと思う。よく覚えていないけど、多分巫女姫系統の人間からのお願いだったような。
 暴虐の割にはせこい魔王が居て、近隣の村からは重税だけでなく、働ける男は兵隊に、同じように若い女性は後方支援の為と言って拉致していったとか。しかも女性の後方支援とは純然たる鎧の繕いとかだけじゃなく、戦士や騎士の衣食の面倒や、見目麗しい場合は三代欲求系の欲望処理に使われていると言う羨まけしからん状態みたいだ。
 酷い、確かに魔王だ。
 勇者の俺だってそんな羨まけしからん事やれないのに・・・。
 据え膳はまぁさ、そこは役得って事で美味しく頂いてきたけれど、おれから能動的に女性に対して強権を発動、勇者スキルで有無を言わさず足を開かせたことはないのよ。
 そんな関係、空しいだけだし。
 だが、自分が出来ない、やらないからって、誰かがそれをしていい理由にはならない。 千歩譲って、当事者間で納得いっているのならばまだしも、無理やり感が強すぎる。イコールこの魔王は無しだ。
 ちなみに聞いたが、魔王って唯一絶対の魔物の王様って事ではなくて、複数人居るみたい。昔は十数人いたとかエルフが言っていたけど、今は四人ぐらいが有名所みたいだ。
 誰が誰とかエルフが懇切丁寧に教えてきそうになったので、ダッシュで逃げたから、細かいとこは知らんが。
 多分、この理由が一番大きかったんだと思う。
 だから、この魔王は死んだ。勇者に殺された。
 実行犯は王国公認勇者、共犯はエルフで彼女自身は魔王殺しに直接はかかわっていないが、城への入り方だとか、ねらい目の時間帯だとか、妙に詳しく調べ上げてきてくれた。
 おかげで、大軍を撃破して魔王にたどり着くと言う形ではなく、数名の側近のみ倒して魔王戦に入る事が出来た。
 側近っぽい騎士と、なんか神聖術式みたいな回復持ちの大神官もどきと3人でチーム組んで襲ってきて、ちょっとは面倒だったが、そこは勇者の力の勝利。
 ただの魔王ごときが勇者に適うはずがない。いつの世にも、例え魔王が複数いる世界だろうが勇者は一人なのだから。
 んで、まぁエルフが来たらどう勝利のポーズを見せるかとか考えていたんだけど、ふと魔王が座っていた玉座の裏に隠し通路があるのを発見した。
 いいねぇ隠し通路、男の浪漫だよねぇ。
 いわゆる脱出用の隠し通路が一般的だろうが、1割くらいの確率で宝物庫への扉とも限らない。
 大事な者は独占して、自分だけで倒しむって性格なら、逃げ道より宝物庫を選ぶだろう。前世でも、ちびちび貯めて行って、ついには一千万を超えた通帳をニマニマ眺めるのが
好きって後輩女子も居たくらいだ。
「えへへねぇ先輩、い~でしょ~、高校生の時に初めてバイトの給料貯金し始めてから、ついに大台ですよぉ~うらやましいでしょう?うふふん」
「おいおい、そんな大金見せびらかすもんじゃないぞ、俺が悪い奴なら騙して金巻き上げるところだぞ」
「へへ~ん、先輩に騙されるほど、わたしって甘ちゃんじゃないですから、がっちり堅実に、将来はこのお金を頭金にして、二世帯住宅の新築作るんですから~」
 なんて言っていたんだが、その後輩女子は、推しが出来たとか言ってホストに貢ぎ、貯金だけでは足りなくて会社の金を横領。もちろんばれて多額の借金を負った上、結婚を約束していたらしいホストに捨てられた恨みで、件のホストの仕事帰りに金を返せとナイフ片手に脅し、、結局返り討ちに合って亡くなっていた。
俺がこっちに来る1年前の出来事だ。
割とかわいかった顔が、最後に見た時は、見るのも怖い形相になっていたのを強く覚えている。
 金は無いとダメだけど、ありすぎても駄目なんだなとその時に学んだ。
 さてさて、探索探索。
 エルフが来る前に探索を終わらせよう。別に見つけた宝物を独り占めするとかそういう話じゃなく、あいつが来たら、妹姫様とか王国戦士とか、槍の聖騎士と魔法少女まで集めてから全員で探索するのが正しい、第一今回の魔王討伐だって勝手に動いたようなもので、全員で話あって納得してのクエストじゃないんだから、早く終わらせて妹姫様たちに合流した方が良いとか説教されそうだ。
 エルフは、ファンタジー世界のエルフらしく生真面目で融通が利かなくて、美人で、だが胸はナイチチだが、それもどれもあいつが良い奴って事に変わりはない。
 だからこそ、口論とか説教とかまじ勘弁なわけで、見つかる前に探索するのは俺にとっての合理的判断って奴だ。
 玉座裏の隠し通路は一見するとただの壁に見えるが、その一部を順番通りに押し込むと、秘密の通路が現れる類の仕掛けだった。だが、俺にはそんなパズル職人みたいな才能は無いし、勇者スキルにもそれっぽいのは無し。
 元盗賊団の下っ端だけんども、俺にはシーフ系のスキルは無い。鍵開けとかトラっプ回避とか覚える前に盗賊団壊滅しちゃったし。あれ、壊滅させたし、だっけか?
 なので俺の隠し通路へのアプローチはすごく簡単で、ちょっと脳筋っぽいけど拳だ。
 勇者スキルを乗せた拳で、隠し通路の入り口を思いっきり殴る、殴る、殴る、開いた。
「あんまり他人には見せられない姿だよな」
 いきなり壁を殴りだす勇者とか嫌だな。やっぱスマートに罠解除とか鍵開けできるシーフ系のスキルを持っている奴を仲間にしないとな。なにせ今の仲間はお育ちが良すぎる。
 王族とか、貴族階級の王国戦士団のエリートとか、大神官の血筋とかだもんな。あの魔法少女でさえ、アカデミーの首席とかって称号持ちらしい。
 俺がアウトローなのは確実だが、エルフはどうなんだろう?そういえば生まれとか聞いたこと無いな。エルフの王族だったら嫌だ。だってあいつは脳筋代表みたいな戦闘オタクだもん。ドレス着て、端っこ摘まんで、ごきげんようとか、キャラじゃないだろう。
「おっと、下りの階段になるわけね」
 隠し通路は結構急な下り坂で、その先は薄暗く見えない。それになんか心地悪い臭いもしてくる。衛生観念の無い異世界でも特別に、気分が悪くなる類の臭いだ。
 階段を降り切ると、そこは牢屋が立ち並ぶ囚人区画だった。
「はぁ?なんでよ、おかしいだろう、なんで玉座の裏に囚人区画?あの魔王って奴はどんな趣味してたんだよ、隠し通路まで使って夜な夜な囚人に拷問でもしに来てたのか?部下をサドると離反されちゃうから、囚人をこっそり鞭で叩いていたとか」
 まったく、理解不能だ。
 宝物でもあるかと期待した俺が馬鹿だった。
 もう、やっぱあの魔王は殺しといて正解だ。
 牢屋の半分くらいは使われていなかったが残りの半分、数にして10以上には中に人が居た。そろいもそろってやつれていて、今にも死にそうだったが、それでもここに入れられる前は屈強だったように見える。農業とか牧畜とかをメインに生活していたのではなく、戦いを生業としていた人たちかもしれない。それに少数だが女性もいた。彼女たちは総じて細身で、やっぱり健康体だったら物見とか情報収集とか得意な、いわゆる忍び系のお仕事が出来そう。
 だが、どちらも放置すれば2日と持たずに死んでしまいそうだ。
「知らなきゃどうしようもないが、見ちゃった以上、仕方ないよなぁ勇者だし俺」
 勇者スキルにお願いして、全員に回復術式をかけつつ、牢屋の檻を壊そうと思ったが、燃費が悪いと感じ、周囲を見回すと、あったあった。
 粗末な机の上にお約束の鍵束セット。
 後は、食べ物だが、衰弱しているところにいきなり食べ物を与えると危険って、戦国一の出世頭、秀吉さんも言っていたからどうするか?
 俺が持っているのは、なんちゃってジャガイモ大量と、塩と水のみ。
 なんでジャガイモみたいなものを大量に持っているかと言うと、実はあの時から心身共に仲良くなった姫巫女の願いだ。食料危機に強く、荒れ地でもそこそこ育つ食べ物を教えて欲しいとお願いされたからだ。なんでもこの異世界では食料難から死ぬ民の数が馬鹿にならず、そのおかげで盗賊や強盗が蔓延り、治安が悪くなることが定期的にあるそうだ。彼女が所属する組織ではそんな時、ある程度の備蓄食料を放出するのだが、飢えた民衆には雀の涙で、結局救えない事が多いのだそうだ。それならと、備蓄の前に生産を見直したらどうかと俺が言ったのに巫女姫が質問してきたのがこれだ。
 朝チュン状態ではあったが、夜の激しさから一転、心地よい疲れに身を任せながらのトークでは、色んな前世の知識を伝えたもんだ。
「何とかなるか?」
 四次元ポケットに弟子入りした方が良いだろう、アイテム袋からジャガイモを20個くらい取り出し、空中に水とジャガイモを放り出す。水を一瞬でお湯に変え、ジャガイモが柔らかくなるように圧力も加える。圧力とお湯の熱でほくほくとなってきたジャガイモを、空気の刃を無数に出して裁断、裁断、また裁断。
 最後に塩を加えて、簡易型マッシュポテトの完成だ。
 柔らかいし、味も薄めに調整してあるから体が弱った人でも大丈夫だろう。後は絶対に喉が渇くと思うので、恐らく見張り用に於いてあったワイン樽を目立つように配置する。
「ほ~ら、めしあがれ」
 と、俺が言う前に餓鬼の様に囚人たちがマッシュポテトとワイン樽に群がる。
 うんうん、たんと食べろよ。そして勇者に感謝の祈りでも捧げるがいいさ。
「おい、何してるんだ勇者?」
 振り返らなくても判る、エルフの冷めた声。いつもの事だが、どうも今回はちょっと怒り成分が強い気がする。
「ん、勇者のお務めだよ、だって救えるなら救うが勇者だろう?」
「おまえ、こいつらが誰か判って言っているのか?」
「誰かなんて関係ないね、勇者の前に飢えた人が居る、しかもsれは魔王に囚われた人たちだ、もしかしたら悪い人も混じっていたかもしれない、それでも、俺は救うんだよ、なぜってそれが勇者だから」
 うん、ちょっと格好よく言えた。
 さすがのエルフも、首を左右に振って呆れている事をアピールするが、それだけで止めようとはしてこない。
「もういいだろう、こいつらは体も回復しているし、食べ物も与えた、これ以上勇者が面倒を見たら、こいつらにとって良くない」
 赤ん坊じゃないだから、これ以上手取り足取り救ってしまったら、彼らの為にも良くないのは判る。過保護は本人の為ならずだからな。
「判った、じゃあ妹姫様たちと合流するか」
「ああ、それがいい」
 そして、俺の地獄が始まった・・。
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