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第75話 第三王女様ですね
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「妹は別の国で魔法を学んでいてね。今は休暇で帰って来ている」
「別の国で勉強なんて熱心なのね?」
イーサンの妹ならばこの国の王女と言う事になる。
他国で勉強などよっぽどの事だろうとレイナは思う。
「まだ幼いが思うところがあるらしい。自分から進んで学園に行くことを望んだんだ」
「へえ凄いのね。年齢はいくつなの?」
「12歳だ。わが妹ながらなかなかに気が強くてね」
「12歳! ニコラ様の一つ上ね」
環境に流されることが多い自分からしたら、12歳で自分の意思を持って行動出来るのは凄いとレイナは思う。
留学してでも叶えたいものがあると言う事なのだろう。
「あら、気が強いって誰の事かしらお兄様?」
部屋に入ってきた可愛らしい人物はそんな事を言う。
「やあエリス。レイナ紹介するよ。彼女が妹のエリスだ」
「初めましてエリス様、レイナと申します」
「エリスです」
イーサンの話によるとエリスは第三王女なので上に二人姉がいるらしい。
まだ会った事は無いけれど王族とは子沢山なのだなとレイナは関心する。
可愛らしい容姿のエリスは見た目とは違い随分と素っ気ない印象をレイナは受けた。
顔立ちは年齢が近いニコラに似ているので、将来は美人になるだろう事が予想できる。
イーサンもそうだが、この家族は美形一族なのだろう。
美男美女が揃っている。
「貴女が今回護衛に参加される方ね?」
「はい。回復要員として参加させていただきます」
エリスがレイナに言う。
正直なところ王族の護衛など荷が重いとレイナは感じているので、後方支援として参加する事をレイナは強調する。
「ふーん。随分と頼りない感じね」
エリスはレイナの雰囲気からそう判断する。
護衛として考えれば貧弱そうに見えてしまう事はレイナも自覚しているので、エリスの言う通りと言わざるを得ない。
只、イーサンとしては今のレイナの力量が正確に測れていないのは、エリスが未熟である証拠だろうと考えている。
「ですが、お兄様の言い付けですから仕方ありませんわ。同行する事を許可します」
「あ、ありがとうございます」
戸惑いながらもレイナは答えを返す。
ニコラといいエリスといい、こんなに幼くても王族であり流石は王女様的な言い回しだと、レイナは感心する。
「少々生意気な所があるけれどよろしく頼むよレイナ」
「はい。しっかり務めさせていただきます」
「生意気なんて心外ですわ、お兄様」
ひと睨み効かせるあたりイーサンの言う通りエリスは気が強いだろう印象をレイナは受ける。
「しかし貴女、お兄様と随分と仲が良いみたいね」
レイナとイーサンの短いやり取りと雰囲気からエリスは何かある事を察する辺りは年齢的には幼くても女性であるのだろう。
感性が鋭い。
「は、はい。イーサン様には良くしていただいています」
押され気味のレイナはいつも通りの回答を返す。
「ふーん。まあいいわ。道中時間があるから、その時にでも聞かせて貰うわ」
「よろしくお願いいたします」
根掘り葉掘り聞かれそうだなと思うが、レイナはしっかりとこの少女を安全に学園まで送り届けなければと決心する。
「別の国で勉強なんて熱心なのね?」
イーサンの妹ならばこの国の王女と言う事になる。
他国で勉強などよっぽどの事だろうとレイナは思う。
「まだ幼いが思うところがあるらしい。自分から進んで学園に行くことを望んだんだ」
「へえ凄いのね。年齢はいくつなの?」
「12歳だ。わが妹ながらなかなかに気が強くてね」
「12歳! ニコラ様の一つ上ね」
環境に流されることが多い自分からしたら、12歳で自分の意思を持って行動出来るのは凄いとレイナは思う。
留学してでも叶えたいものがあると言う事なのだろう。
「あら、気が強いって誰の事かしらお兄様?」
部屋に入ってきた可愛らしい人物はそんな事を言う。
「やあエリス。レイナ紹介するよ。彼女が妹のエリスだ」
「初めましてエリス様、レイナと申します」
「エリスです」
イーサンの話によるとエリスは第三王女なので上に二人姉がいるらしい。
まだ会った事は無いけれど王族とは子沢山なのだなとレイナは関心する。
可愛らしい容姿のエリスは見た目とは違い随分と素っ気ない印象をレイナは受けた。
顔立ちは年齢が近いニコラに似ているので、将来は美人になるだろう事が予想できる。
イーサンもそうだが、この家族は美形一族なのだろう。
美男美女が揃っている。
「貴女が今回護衛に参加される方ね?」
「はい。回復要員として参加させていただきます」
エリスがレイナに言う。
正直なところ王族の護衛など荷が重いとレイナは感じているので、後方支援として参加する事をレイナは強調する。
「ふーん。随分と頼りない感じね」
エリスはレイナの雰囲気からそう判断する。
護衛として考えれば貧弱そうに見えてしまう事はレイナも自覚しているので、エリスの言う通りと言わざるを得ない。
只、イーサンとしては今のレイナの力量が正確に測れていないのは、エリスが未熟である証拠だろうと考えている。
「ですが、お兄様の言い付けですから仕方ありませんわ。同行する事を許可します」
「あ、ありがとうございます」
戸惑いながらもレイナは答えを返す。
ニコラといいエリスといい、こんなに幼くても王族であり流石は王女様的な言い回しだと、レイナは感心する。
「少々生意気な所があるけれどよろしく頼むよレイナ」
「はい。しっかり務めさせていただきます」
「生意気なんて心外ですわ、お兄様」
ひと睨み効かせるあたりイーサンの言う通りエリスは気が強いだろう印象をレイナは受ける。
「しかし貴女、お兄様と随分と仲が良いみたいね」
レイナとイーサンの短いやり取りと雰囲気からエリスは何かある事を察する辺りは年齢的には幼くても女性であるのだろう。
感性が鋭い。
「は、はい。イーサン様には良くしていただいています」
押され気味のレイナはいつも通りの回答を返す。
「ふーん。まあいいわ。道中時間があるから、その時にでも聞かせて貰うわ」
「よろしくお願いいたします」
根掘り葉掘り聞かれそうだなと思うが、レイナはしっかりとこの少女を安全に学園まで送り届けなければと決心する。
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