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第68話 実践訓練ですね
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「お前には今度、魔物と戦ってもらう」
「えっ!?」
例の魔法訓練場で特訓中にニコラはそんなことを言い始めた。
ニコラの衝撃的な発言にレイナは驚く。
想像はしていたが魔物がどんなものかはレイナは見たことがない。
だからからか戦うと言われても不安がある。
「訓練ばかりでは意味がないからな」
「そうなんですけれど、必要なんでしょうか?」
レイナは強くなりたいとは思ってはいるが、積極的に魔物と対決したい訳ではない。
自分の身が守れて危険から逃げられる力が欲しいだけだ。
「王宮の外で生きていくのなら魔物と遭遇する事もあるだろう。その時に経験しておけば良かったと言っても遅いからな。実践は必要だ」
「な、なるほど」
その台詞をいったニコラの顔が一瞬寂しさを帯びた様な気がしたのは気のせいではないだろう。
いつかレイナがここから出ていく、そんな予感がしているのかもしれない。
レイナはニコラの言葉を噛み締めるように頷く。
「分かりました、よろしくお願いします。そう言えばバレン様達第二騎士団も魔物討伐に向かわれたのですよね?」
「ああ。あれは調査と討伐が目的だからな規模が違う。これからお前が戦うのは、まあ比較的弱い魔物だ」
いきなり強い魔物と戦わされてもレイナとしても困ってしまう。
ただニコラの言い方にレイナは引っ掛かる。
「弱いではなく比較的弱いですか?」
「ん? そうだ弱いとはいえ魔物だからな。侮っていたらやられるぞ」
「は、はい!」
人間を見れば襲うのが習性らしいので油断は出来ないと言う事だろう。
弱い魔物でもゲームの様な経験値稼ぎの相手とはいかないのかもしれないとレイナは気を引き締めた。
その時ニコラはレイナに指を向ける。
これは二人の間で決まっている約束事になっているのでレイナも反応する。
ニコラの指から放たれた雷撃はレイナに向かう。
慣れたもので回避出来るものは躱し、避けきれないものは魔力を纏い防御する。
ニコラは複数の雷撃を放っているのにもかかわらず、完璧に処理するレイナに頼もしさを感じる反面、どこか苛立ちに似た感情を抱く。
「あっさりと処理しやがって!」
ニコラが雷撃を選択しているのは速度があるからだ。
魔法の天才と言われているニコラが魔物ですら葬れる程の雷撃を複数放っているのにもかかわらず、ここまで完璧に防御出来る人間は少ないだろう。
そんなレイナの成長を感じ取ったニコラはレイナを魔物と戦わせてみようと決意したのだ。
だがレイナは納得していない。
仮にも女性である自分に向かってポンポン魔法を放ってくるニコラの人間性をいつもながら疑ってしまう。
だからレイナは毎回の様に言う。
「他の女性に雷撃なんて撃っては駄目ですよ!」
「はあ? 当たり前だろ!!」
更に苛烈な攻撃をニコラは放つ。
怒りたいのはこっちですと言いたいが、何故か怒っているニコラの気持ちが分からずレイナは悩むのであった。
「えっ!?」
例の魔法訓練場で特訓中にニコラはそんなことを言い始めた。
ニコラの衝撃的な発言にレイナは驚く。
想像はしていたが魔物がどんなものかはレイナは見たことがない。
だからからか戦うと言われても不安がある。
「訓練ばかりでは意味がないからな」
「そうなんですけれど、必要なんでしょうか?」
レイナは強くなりたいとは思ってはいるが、積極的に魔物と対決したい訳ではない。
自分の身が守れて危険から逃げられる力が欲しいだけだ。
「王宮の外で生きていくのなら魔物と遭遇する事もあるだろう。その時に経験しておけば良かったと言っても遅いからな。実践は必要だ」
「な、なるほど」
その台詞をいったニコラの顔が一瞬寂しさを帯びた様な気がしたのは気のせいではないだろう。
いつかレイナがここから出ていく、そんな予感がしているのかもしれない。
レイナはニコラの言葉を噛み締めるように頷く。
「分かりました、よろしくお願いします。そう言えばバレン様達第二騎士団も魔物討伐に向かわれたのですよね?」
「ああ。あれは調査と討伐が目的だからな規模が違う。これからお前が戦うのは、まあ比較的弱い魔物だ」
いきなり強い魔物と戦わされてもレイナとしても困ってしまう。
ただニコラの言い方にレイナは引っ掛かる。
「弱いではなく比較的弱いですか?」
「ん? そうだ弱いとはいえ魔物だからな。侮っていたらやられるぞ」
「は、はい!」
人間を見れば襲うのが習性らしいので油断は出来ないと言う事だろう。
弱い魔物でもゲームの様な経験値稼ぎの相手とはいかないのかもしれないとレイナは気を引き締めた。
その時ニコラはレイナに指を向ける。
これは二人の間で決まっている約束事になっているのでレイナも反応する。
ニコラの指から放たれた雷撃はレイナに向かう。
慣れたもので回避出来るものは躱し、避けきれないものは魔力を纏い防御する。
ニコラは複数の雷撃を放っているのにもかかわらず、完璧に処理するレイナに頼もしさを感じる反面、どこか苛立ちに似た感情を抱く。
「あっさりと処理しやがって!」
ニコラが雷撃を選択しているのは速度があるからだ。
魔法の天才と言われているニコラが魔物ですら葬れる程の雷撃を複数放っているのにもかかわらず、ここまで完璧に防御出来る人間は少ないだろう。
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だがレイナは納得していない。
仮にも女性である自分に向かってポンポン魔法を放ってくるニコラの人間性をいつもながら疑ってしまう。
だからレイナは毎回の様に言う。
「他の女性に雷撃なんて撃っては駄目ですよ!」
「はあ? 当たり前だろ!!」
更に苛烈な攻撃をニコラは放つ。
怒りたいのはこっちですと言いたいが、何故か怒っているニコラの気持ちが分からずレイナは悩むのであった。
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