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第51話 進路は危ういかもですね
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「ただいま戻りました」
王宮に戻ったレイナはイーサンの部屋に顔を出す。
イーサンは笑顔でレイナを迎える。
「お帰りレイナ。体調が悪いのに帰ってしまい、すまなかった」
「イーサンは第一王子なんだから仕方がないよ。ネックレスも用意して貰ったし、いつも感謝しています」
「そう言って貰えると助かるよ」
レイナの言葉は本心から出たものだ。
これ以上にないぐらい良くして貰っており文句を言うなんて考えられないとレイナは感謝を伝える。
「体調はどうだ? 顔色は良いみたいだが」
「うん。完全に快復したみたい」
「そうか。それは良かった」
報告は受けていたがイーサンはレイナの口から聞けて安心した様だ。
「シールズも問題なさそうか?」
「ええ、数日間【鑑定】で体調を確認してみたけれど、特に問題はなかったわ」
「心配無さそうだな。今回の件、俺からも礼を言わせてもらうよ。ありがとうレイナ」
イーサンはクリスティーナの弟であるシールズとは幼い頃からの知り合いだ。
苦しむ姿は見たくないと思うのも当然だろう。
イーサンもシールズを治す為に尽力したが、解決策は見つけられなかった。
そもそもが偽の鑑定結果を元に対処しようとしていたのだから治す事が出来ないのも仕方ない。
ただ相手が悪質だったと言うだけだ。
しかし今回レイナが能力を使い治癒させた。
イーサンの中では大きな事であり、レイナに感謝の気持ちを持つのは当たり前だろう。
「いえいえ、お役に立てて良かったです」
自分にも出来る事があったのかと、レイナはイーサンの役に立てた事を嬉しく思う。
イーサンはシールズの治療には手をこまねいていたが、王宮に戻ってからの行動は迅速であった。
先ずは今までとは方針を変えて呪いを前提とした犯人捜しを行う。
術者の特定と雇った人物をあぶり出していく。
その成果は直ぐに現れる。
犯人はやはりアルティアーク家の敵対貴族であった。
財産を押さえ本人と関係者を拘束、監禁し自白させることに成功する。
動機としては跡取り息子を狙う事で、アルティアーク公爵家の力を削ぐ狙いがあった様だ。
今回レイナの活躍により阻止されたが、余罪も数多くあり犯人は貴族としての地位もはく奪される。
欲をかき派手にやり過ぎると身を亡ぼす典型的なパターンだ。
只、呪いを掛けた術者は解呪された段階で不味いと思ったのか、逃亡して足取りが掴めていない。
今も捜索中だ。
レイナが数日間アルティアーク家で休息していた間にイーサンは今回の事件を解決に導いた。
流石の手腕であり王族の情報網と行動力にレイナは感心する。
「まあ、レイナがいなければ難航していたからな。何とか挽回出来て良かったよ」
イーサンは謙遜気味に言う。
「凄い事だと思うよ。私には絶対できない」
「ありがとう。お褒めの言葉として受け取っておくよ」
「ふふ、そうね」
「それから今回の事で一つ問題が発生した」
「えっ? な、何かな?」
良い話では無い事がイーサンの雰囲気でレイナは分かってしまう。
眉間にしわが寄ってもかっこいいなんて、イケメンはズルいなとレイナは現実逃避してみる。
「レイナが商人になるのは難しいかもしれない」
「!?」
レイナが商人を目指しているのは自立を達成する為だ。
その一つが出来無いとなると大きな問題であり、あまりの事にレイナは言葉が出ない。
「国の上層部にレイナの能力がバレた様なんだ」
「バレると何かあるのかな?」
聞きたくない気持ちを抑えレイナはイーサンに続きを促す。
「レイナの処遇を国王が見極めるそうなんだ」
「国王ってイーサンのお父様よね?」
「ああ、厳格な人でな。謁見は避けられなかった。すまない」
「謁見て国王様と会うって事だよね?」
「ああそうだ」
「うう、私どうなるんだろう」
「俺も一緒に行くので変な事にならない様にするさ」
「よ、よろしくお願いします」
こうして、レイナの国王への謁見が決まった。
王宮に戻ったレイナはイーサンの部屋に顔を出す。
イーサンは笑顔でレイナを迎える。
「お帰りレイナ。体調が悪いのに帰ってしまい、すまなかった」
「イーサンは第一王子なんだから仕方がないよ。ネックレスも用意して貰ったし、いつも感謝しています」
「そう言って貰えると助かるよ」
レイナの言葉は本心から出たものだ。
これ以上にないぐらい良くして貰っており文句を言うなんて考えられないとレイナは感謝を伝える。
「体調はどうだ? 顔色は良いみたいだが」
「うん。完全に快復したみたい」
「そうか。それは良かった」
報告は受けていたがイーサンはレイナの口から聞けて安心した様だ。
「シールズも問題なさそうか?」
「ええ、数日間【鑑定】で体調を確認してみたけれど、特に問題はなかったわ」
「心配無さそうだな。今回の件、俺からも礼を言わせてもらうよ。ありがとうレイナ」
イーサンはクリスティーナの弟であるシールズとは幼い頃からの知り合いだ。
苦しむ姿は見たくないと思うのも当然だろう。
イーサンもシールズを治す為に尽力したが、解決策は見つけられなかった。
そもそもが偽の鑑定結果を元に対処しようとしていたのだから治す事が出来ないのも仕方ない。
ただ相手が悪質だったと言うだけだ。
しかし今回レイナが能力を使い治癒させた。
イーサンの中では大きな事であり、レイナに感謝の気持ちを持つのは当たり前だろう。
「いえいえ、お役に立てて良かったです」
自分にも出来る事があったのかと、レイナはイーサンの役に立てた事を嬉しく思う。
イーサンはシールズの治療には手をこまねいていたが、王宮に戻ってからの行動は迅速であった。
先ずは今までとは方針を変えて呪いを前提とした犯人捜しを行う。
術者の特定と雇った人物をあぶり出していく。
その成果は直ぐに現れる。
犯人はやはりアルティアーク家の敵対貴族であった。
財産を押さえ本人と関係者を拘束、監禁し自白させることに成功する。
動機としては跡取り息子を狙う事で、アルティアーク公爵家の力を削ぐ狙いがあった様だ。
今回レイナの活躍により阻止されたが、余罪も数多くあり犯人は貴族としての地位もはく奪される。
欲をかき派手にやり過ぎると身を亡ぼす典型的なパターンだ。
只、呪いを掛けた術者は解呪された段階で不味いと思ったのか、逃亡して足取りが掴めていない。
今も捜索中だ。
レイナが数日間アルティアーク家で休息していた間にイーサンは今回の事件を解決に導いた。
流石の手腕であり王族の情報網と行動力にレイナは感心する。
「まあ、レイナがいなければ難航していたからな。何とか挽回出来て良かったよ」
イーサンは謙遜気味に言う。
「凄い事だと思うよ。私には絶対できない」
「ありがとう。お褒めの言葉として受け取っておくよ」
「ふふ、そうね」
「それから今回の事で一つ問題が発生した」
「えっ? な、何かな?」
良い話では無い事がイーサンの雰囲気でレイナは分かってしまう。
眉間にしわが寄ってもかっこいいなんて、イケメンはズルいなとレイナは現実逃避してみる。
「レイナが商人になるのは難しいかもしれない」
「!?」
レイナが商人を目指しているのは自立を達成する為だ。
その一つが出来無いとなると大きな問題であり、あまりの事にレイナは言葉が出ない。
「国の上層部にレイナの能力がバレた様なんだ」
「バレると何かあるのかな?」
聞きたくない気持ちを抑えレイナはイーサンに続きを促す。
「レイナの処遇を国王が見極めるそうなんだ」
「国王ってイーサンのお父様よね?」
「ああ、厳格な人でな。謁見は避けられなかった。すまない」
「謁見て国王様と会うって事だよね?」
「ああそうだ」
「うう、私どうなるんだろう」
「俺も一緒に行くので変な事にならない様にするさ」
「よ、よろしくお願いします」
こうして、レイナの国王への謁見が決まった。
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