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第48話 警戒ですね
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レイナをベッドに寝かせた後、関係者達は一堂に会する。
色々な疑問をすり合わせる為だ。
「イーサン様この度は息子を救っていただきありがとうございました」
アルティアーク公爵はイーサンにお礼を言う。
「私は何もやっていませんよ。レイナを褒めてやってください」
「勿論です。しかしレイナさんを連れて来てくださったのは殿下です。感謝いたします」
イーサンとしてはレイナの手柄を横取りしたみたいで気が引ける。
本人は静かに眠っているので仕方がない事なのだが。
レイナは初めのうちは体が熱く息苦しそうにしていたが、ベッドに寝かせ何回か濡らしたタオルで冷やしてやると直ぐに落ち着いた状態になった。
皆、ほっとしている。
「しかしレイナさんは変わった能力をお持ちなんですね。イーサンはご存じでしたの?」
クリスティーナが尋ねる。
「ああ、能力の事は聞いていたが、まさかこんな事が出来るとは……。呪いが解けるなんて驚いたよ」
絶命の呪いという未知の能力との戦い。
その対処と封印能力は特筆であり、【拒絶と吸収】の能力が特別であると証明された。
これは喜ばしい事ばかりではないとイーサンは考える。
強すぎる能力は不幸を呼び込む場合が多々あり、歴史がそれを証明している。
周りの人間がレイナの能力を知れば、救いを求める者、取り込もうとする者、亡き者にしようとする者、そういった人間達がレイナの周りには集まってくるだろう。
それはレイナの希望である商人になって自立すると言う夢から遠ざかる事であり、イーサンとしても本意ではない。
出来る事なら穏やかに暮らして貰いたいものだと、イーサンは保護者の様な気持ちでレイナの行く末を願う。
ただ普通の生活をするには厳しい環境になりつつあるのは否めない。
レイナは回復魔法を持ち、特殊な薬草を作り、今回は解呪まで行った。
そんな人間を国の上層部が放っておくはずも無く、必ずや国の利益に利用するのは明白だ。
だからこそイーサンは今回の件を知られてはならないと考え箝口令を敷く。
「みんな今回の事、レイナの能力の事は他言無用でお願いしたい」
イーサンの提案に全員が頷く。
シールズは元より家族も命の恩人に対して不利になる様な事をするはずも無く、快く引き受ける。
イーサンの護衛として着いてきたラウルも同様だ。
この人物達から外部に漏れる事はないだろう。
ただ懸念材料はある。
王やそれに準ずる人間の影がレイナを監視していた可能性もある。
その場合影は今回の件を上司に報告するのは間違いない。
また、シールズが治った事を不審に思う人間もいるだろう。
解呪されたのは術者には分かる事であり、その理由を探るはず。
「アルティアーク公爵、屋敷の警備を増やしてください。シールズがまた狙われる可能性があります」
イーサンは公爵に指示を出す。
「はい。息子だけでなく家族達も狙われるかもしれませんので早急に対処いたします」
「ええ、そうしてください。こちらも呪いの依頼をした人物を洗い出します。警戒を怠らない様にお願いしたい」
「承知いたしました」
イーサンとしてもレイナの事はいつまでも隠していけるとも思っていない。
最終的にはイーサンはレイナを妻として強引に守っていくしかないと考えている。
自分の妻という立場になれば比較的融通が利くはずだろうし、レイナが望むなら商店を持つことも容易い。
それにはレイナの気持ちも考えなければならないのだが、イーサンとしてはレイナに好意を持っているので後はレイナ次第だ。
嫌いだと言われればそれまでだが、これまでの感じからするとその様な印象は受けない。
イーサンはこれからの対策とレイナの気持ちに考えを巡らすのだった。
色々な疑問をすり合わせる為だ。
「イーサン様この度は息子を救っていただきありがとうございました」
アルティアーク公爵はイーサンにお礼を言う。
「私は何もやっていませんよ。レイナを褒めてやってください」
「勿論です。しかしレイナさんを連れて来てくださったのは殿下です。感謝いたします」
イーサンとしてはレイナの手柄を横取りしたみたいで気が引ける。
本人は静かに眠っているので仕方がない事なのだが。
レイナは初めのうちは体が熱く息苦しそうにしていたが、ベッドに寝かせ何回か濡らしたタオルで冷やしてやると直ぐに落ち着いた状態になった。
皆、ほっとしている。
「しかしレイナさんは変わった能力をお持ちなんですね。イーサンはご存じでしたの?」
クリスティーナが尋ねる。
「ああ、能力の事は聞いていたが、まさかこんな事が出来るとは……。呪いが解けるなんて驚いたよ」
絶命の呪いという未知の能力との戦い。
その対処と封印能力は特筆であり、【拒絶と吸収】の能力が特別であると証明された。
これは喜ばしい事ばかりではないとイーサンは考える。
強すぎる能力は不幸を呼び込む場合が多々あり、歴史がそれを証明している。
周りの人間がレイナの能力を知れば、救いを求める者、取り込もうとする者、亡き者にしようとする者、そういった人間達がレイナの周りには集まってくるだろう。
それはレイナの希望である商人になって自立すると言う夢から遠ざかる事であり、イーサンとしても本意ではない。
出来る事なら穏やかに暮らして貰いたいものだと、イーサンは保護者の様な気持ちでレイナの行く末を願う。
ただ普通の生活をするには厳しい環境になりつつあるのは否めない。
レイナは回復魔法を持ち、特殊な薬草を作り、今回は解呪まで行った。
そんな人間を国の上層部が放っておくはずも無く、必ずや国の利益に利用するのは明白だ。
だからこそイーサンは今回の件を知られてはならないと考え箝口令を敷く。
「みんな今回の事、レイナの能力の事は他言無用でお願いしたい」
イーサンの提案に全員が頷く。
シールズは元より家族も命の恩人に対して不利になる様な事をするはずも無く、快く引き受ける。
イーサンの護衛として着いてきたラウルも同様だ。
この人物達から外部に漏れる事はないだろう。
ただ懸念材料はある。
王やそれに準ずる人間の影がレイナを監視していた可能性もある。
その場合影は今回の件を上司に報告するのは間違いない。
また、シールズが治った事を不審に思う人間もいるだろう。
解呪されたのは術者には分かる事であり、その理由を探るはず。
「アルティアーク公爵、屋敷の警備を増やしてください。シールズがまた狙われる可能性があります」
イーサンは公爵に指示を出す。
「はい。息子だけでなく家族達も狙われるかもしれませんので早急に対処いたします」
「ええ、そうしてください。こちらも呪いの依頼をした人物を洗い出します。警戒を怠らない様にお願いしたい」
「承知いたしました」
イーサンとしてもレイナの事はいつまでも隠していけるとも思っていない。
最終的にはイーサンはレイナを妻として強引に守っていくしかないと考えている。
自分の妻という立場になれば比較的融通が利くはずだろうし、レイナが望むなら商店を持つことも容易い。
それにはレイナの気持ちも考えなければならないのだが、イーサンとしてはレイナに好意を持っているので後はレイナ次第だ。
嫌いだと言われればそれまでだが、これまでの感じからするとその様な印象は受けない。
イーサンはこれからの対策とレイナの気持ちに考えを巡らすのだった。
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