46 / 92
第45話 悪質ですね
しおりを挟む
「呪いですか……」
「はい。間違いないと思われます」
「しかしレイナさん、わたくし共でも調べましたが【鑑定】結果は毒状態だと出ています。呪いなどなかったはずですわ」
そんな事は何回も調べているからだろう、クリスティーナはレイナの診断に疑問を呈す。
「ええ、毒状態と偽装されているみたいです」
「偽装!? まさか!!」
クリスティーナが驚くのも無理はないだろう。
偽装する能力は禁忌の能力であり簡単に出来る事ではない。
使える人間も一握りしかいない。
増してやそれを見破るなど規格外の能力であり、レイナがその力を持っている事をクリスティーナが信じられないのも仕方ない事だろう。
だか鑑定内容は否定しようにも否定出来ない説得力がありクリスティーナは受け入れる。
「いったい誰がそんなことを……」
「分かりません。もう少し詳しく調べてみませんと何とも言えませんが、呪いで間違いないと思われます」
「確かに。それなら今までの治療が効果無かったのも頷ける」
今までクリスティーナ達はシールズには毒に対しての治療を繰り返しているのみだった。
周りの者達は偽装された鑑定結果を信じて疑っていなかった。
もし呪いだと分かっていたなら他の方法を試していただろう。
「それなら解呪師を呼べば……」
「いえ、一つ問題があります」
クリスティーナの話を遮りレイナは言う。
「レイナさん、何が問題なのでしょう?」
レイナは表示されている呪いの詳細を見る。
絶命の呪い:解呪者に絶命の呪いが掛かる。
「この呪いは解呪した人間にも掛かる様です」
「まさかそんなことが!」
クリスティーナは口に手を当て驚きの表情を見せる。
余りにも悪意に満ちている、全員の見解はこれに尽きるだろう。
ただでさえ厄介な呪いが伝染するなんて、この呪いを掛けた人間の性根を疑ってしまうのは当然だ。
では誰が呪いを掛けたのかレイナは考える。
相手はどうしてもシールズを亡き者にしたい人物。
敵対する貴族とかそんなところが有力なのかもしれない。
そこら辺の事情はレイナには分からないので、治療が可能であるのかというところにレイナは思考を割く。
「レイナさん弟は助かるのでしょうか?」
クリスティーナの不安がレイナに伝わってくる。
症状の改善と治療、そして自分が呪いを受けない事を同時に行わなければならない。
治せるなら治したいとレイナは思う。
しかし厳しいと言わざるを得ない状況にレイナは苦悩する。
その間にも【鑑定】を続け、レイナは新たな情報を探る。
「クリスティーナ様、今までの毒の治療で体調がおかしくなった方はいらっしゃいますか?」
「いえ、その様な事はありませんでした」
「そうですか」
ならば見当違いな治療なら呪いは掛からないと言う事なのだろうと、レイナは自分の鑑定結果が間違っていないと確信する。
呪いと認識して治療をしようとする者にだけ呪いは伝染するという事なのだろう。
更に【鑑定】を続けると定期的に毒を排出する呪いだと分かる。
人間に使用して良いものではない、余りの非道にレイナは唇を噛む。
レイナはシールズを救う為に治療のプランを頭の中で固めていく。
「クリスティーナ様、シールズ様の治療をしてみたいと思います」
「でも無理に解呪したらレイナさんまで呪いに掛かってしまいますわ」
「大丈夫なはずです。私に出来る事は全てやってみたいんです」
完治させる方法は分からないが、予感と言った方がいいのか何故か自分には治療出来ると言う自信がレイナにはあった。
レイナの真っ直ぐな目に信じてみたいとクリスティーナは折れる。
「分かりました。よろしくお願いしますレイナさん。でも無理はしないでください」
「はい。全力を尽くします!」
レイナは呪いの解除に挑む。
「はい。間違いないと思われます」
「しかしレイナさん、わたくし共でも調べましたが【鑑定】結果は毒状態だと出ています。呪いなどなかったはずですわ」
そんな事は何回も調べているからだろう、クリスティーナはレイナの診断に疑問を呈す。
「ええ、毒状態と偽装されているみたいです」
「偽装!? まさか!!」
クリスティーナが驚くのも無理はないだろう。
偽装する能力は禁忌の能力であり簡単に出来る事ではない。
使える人間も一握りしかいない。
増してやそれを見破るなど規格外の能力であり、レイナがその力を持っている事をクリスティーナが信じられないのも仕方ない事だろう。
だか鑑定内容は否定しようにも否定出来ない説得力がありクリスティーナは受け入れる。
「いったい誰がそんなことを……」
「分かりません。もう少し詳しく調べてみませんと何とも言えませんが、呪いで間違いないと思われます」
「確かに。それなら今までの治療が効果無かったのも頷ける」
今までクリスティーナ達はシールズには毒に対しての治療を繰り返しているのみだった。
周りの者達は偽装された鑑定結果を信じて疑っていなかった。
もし呪いだと分かっていたなら他の方法を試していただろう。
「それなら解呪師を呼べば……」
「いえ、一つ問題があります」
クリスティーナの話を遮りレイナは言う。
「レイナさん、何が問題なのでしょう?」
レイナは表示されている呪いの詳細を見る。
絶命の呪い:解呪者に絶命の呪いが掛かる。
「この呪いは解呪した人間にも掛かる様です」
「まさかそんなことが!」
クリスティーナは口に手を当て驚きの表情を見せる。
余りにも悪意に満ちている、全員の見解はこれに尽きるだろう。
ただでさえ厄介な呪いが伝染するなんて、この呪いを掛けた人間の性根を疑ってしまうのは当然だ。
では誰が呪いを掛けたのかレイナは考える。
相手はどうしてもシールズを亡き者にしたい人物。
敵対する貴族とかそんなところが有力なのかもしれない。
そこら辺の事情はレイナには分からないので、治療が可能であるのかというところにレイナは思考を割く。
「レイナさん弟は助かるのでしょうか?」
クリスティーナの不安がレイナに伝わってくる。
症状の改善と治療、そして自分が呪いを受けない事を同時に行わなければならない。
治せるなら治したいとレイナは思う。
しかし厳しいと言わざるを得ない状況にレイナは苦悩する。
その間にも【鑑定】を続け、レイナは新たな情報を探る。
「クリスティーナ様、今までの毒の治療で体調がおかしくなった方はいらっしゃいますか?」
「いえ、その様な事はありませんでした」
「そうですか」
ならば見当違いな治療なら呪いは掛からないと言う事なのだろうと、レイナは自分の鑑定結果が間違っていないと確信する。
呪いと認識して治療をしようとする者にだけ呪いは伝染するという事なのだろう。
更に【鑑定】を続けると定期的に毒を排出する呪いだと分かる。
人間に使用して良いものではない、余りの非道にレイナは唇を噛む。
レイナはシールズを救う為に治療のプランを頭の中で固めていく。
「クリスティーナ様、シールズ様の治療をしてみたいと思います」
「でも無理に解呪したらレイナさんまで呪いに掛かってしまいますわ」
「大丈夫なはずです。私に出来る事は全てやってみたいんです」
完治させる方法は分からないが、予感と言った方がいいのか何故か自分には治療出来ると言う自信がレイナにはあった。
レイナの真っ直ぐな目に信じてみたいとクリスティーナは折れる。
「分かりました。よろしくお願いしますレイナさん。でも無理はしないでください」
「はい。全力を尽くします!」
レイナは呪いの解除に挑む。
12
お気に入りに追加
3,301
あなたにおすすめの小説
精霊に好かれた私は世界最強らしいのだが
天色茜
ファンタジー
普通の女子高校生、朝野明莉沙(あさのありさ)は、ある日突然異世界召喚され、勇者として戦ってくれといわれる。
だが、同じく異世界召喚された他の二人との差別的な扱いに怒りを覚える。その上冤罪にされ、魔物に襲われた際にも誰も手を差し伸べてくれず、崖から転落してしまう。
その後、自分の異常な体質に気づき...!?
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
【本編完結】ただの平凡令嬢なので、姉に婚約者を取られました。
138ネコ@書籍化&コミカライズしました
ファンタジー
「誰にも出来ないような事は求めないから、せめて人並みになってくれ」
お父様にそう言われ、平凡になるためにたゆまぬ努力をしたつもりです。
賢者様が使ったとされる神級魔法を会得し、復活した魔王をかつての勇者様のように倒し、領民に慕われた名領主のように領地を治めました。
誰にも出来ないような事は、私には出来ません。私に出来るのは、誰かがやれる事を平凡に努めてきただけ。
そんな平凡な私だから、非凡な姉に婚約者を奪われてしまうのは、仕方がない事なのです。
諦めきれない私は、せめて平凡なりに仕返しをしてみようと思います。
この野菜は悪役令嬢がつくりました!
真鳥カノ
ファンタジー
幼い頃から聖女候補として育った公爵令嬢レティシアは、婚約者である王子から突然、婚約破棄を宣言される。
花や植物に『恵み』を与えるはずの聖女なのに、何故か花を枯らしてしまったレティシアは「偽聖女」とまで呼ばれ、どん底に落ちる。
だけどレティシアの力には秘密があって……?
せっかくだからのんびり花や野菜でも育てようとするレティシアは、どこでもやらかす……!
レティシアの力を巡って動き出す陰謀……?
色々起こっているけれど、私は今日も野菜を作ったり食べたり忙しい!
毎日2〜3回更新予定
だいたい6時30分、昼12時頃、18時頃のどこかで更新します!
前世は大聖女でした。今世では普通の令嬢として泣き虫騎士と幸せな結婚をしたい!
月(ユエ)/久瀬まりか
ファンタジー
伯爵令嬢アイリス・ホールデンには前世の記憶があった。ロラン王国伝説の大聖女、アデリンだった記憶が。三歳の時にそれを思い出して以来、聖女のオーラを消して生きることに全力を注いでいた。だって、聖女だとバレたら恋も出来ない一生を再び送ることになるんだもの!
一目惚れしたエドガーと婚約を取り付け、あとは来年結婚式を挙げるだけ。そんな時、魔物討伐に出発するエドガーに加護を与えたことから聖女だということがバレてしまい、、、。
今度こそキスから先を知りたいアイリスの願いは叶うのだろうか?
※第14回ファンタジー大賞エントリー中。投票、よろしくお願いいたします!!
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から「破壊神」と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
チート転生~チートって本当にあるものですね~
水魔沙希
ファンタジー
死んでしまった片瀬彼方は、突然異世界に転生してしまう。しかも、赤ちゃん時代からやり直せと!?何げにステータスを見ていたら、何やら面白そうなユニークスキルがあった!!
そのスキルが、随分チートな事に気付くのは神の加護を得てからだった。
亀更新で気が向いたら、随時更新しようと思います。ご了承お願いいたします。
今さら帰ってこいなんて言われても。~森に移住した追放聖女は快適で優雅に暮らす~
ケンノジ
ファンタジー
「もうお前は要らない女だ!」
聖女として国に奉仕し続けてきたシルヴィは、第一王子ヴィンセントに婚約破棄と国外追放を言い渡される。
その理由は、シルヴィより強い力を持つ公爵家のご令嬢が現れたからだという。
ヴィンセントは態度を一変させシルヴィを蔑んだ。
王子で婚約者だから、と態度も物言いも目に余るすべてに耐えてきたが、シルヴィは我慢の限界に達した。
「では、そう仰るならそう致しましょう」
だが、真の聖女不在の国に一大事が起きるとは誰も知るよしもなかった……。
言われた通り国外に追放されたシルヴィは、聖女の力を駆使し、
森の奥で出会った魔物や動物たちと静かで快適な移住生活を送りはじめる。
これは虐げられた聖女が移住先の森の奥で楽しく幸せな生活を送る物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる