27 / 92
第26話 薬草の収穫ですね
しおりを挟む
第二騎士団の訓練に付き合う様になってからレイナのバレンへの印象が随分と変わった。
初めて出会った時は怖い印象だったが、今は明るい団員思いの良い人って感じだ。
変われば変わるものだなと。
剣術も見てもらえる約束もしたので、また行きたいレイナは思う。
団員達とも仲良くなれた様で、王宮内ですれ違うとレイナに声を掛ける人間が多くなった。
知り合いが増えるっていいなとレイナは嬉しくなる。
もちろん回復魔法の【ヒール】も上達した。
やはり実戦で使うと成長が早いのは間違いない。
実戦と言っても訓練での話しなので、切迫した緊張感はそれ程なかった。
これが戦地に赴いてやるとなると話は別だろう。
しかし使用回数は多かったので、回復魔法のいい練習になった。
次に練習させて貰える時までにもっと精度を上げておこうとレイナは思う。
バレンはレイナの様な回復魔法を使える人間は希少だと言っていた。
それなら普段の訓練の怪我はどうやって治しているのかとバレンに確認したところ、回復薬を飲んで治療しているとの事だった。
それを聞いたレイナは薬草を植えていた事を思い出す。
完全に放置していた。
急いで畑に行ってみると、案の定、たくさんの薬草が出来ている。
「うわあ!」
生い茂る薬草は畑一面に広がっておりどれも生命力に溢れている。
どうやら栄養塊の効果が証明された様だ。
「やっぱり薬草にも効果があるのね!」
【鑑定】してみると薬草(上質)と出た。
こんな短期間で収穫出来てしまうのだから、栄養塊は反則級の効果がある。
しかも良質な物が作製出来てしまうのは異常と言っていいだろう。
やはり【拒絶と吸収】で得られた栄養塊は分割して使用するぐらいが丁度いいのだろう。
そのまま使うと過剰な物が育ってしまうのは実証済みだ。
今回は薄めた物を使ったので、満足する品質の物が出来たとレイナはひとり笑みを浮かべる。
さっそく収穫していく。
他の人に見てもらう用に籠に入れて、残りは【インベントリ】に入れる。
【インベントリ】は根に土が付いていようが問題ない様だ。
入ると薬草(上質)と表示された。
相変わらず便利よねと、この能力を得られたことにレイナは感謝する。
次々と入れていくと薬草(上質)の数字だけが増えていく。
土が付いていようがいまいが同じものとしてカウントしてくれる。
まるでゲームみたいだなとレイナは感じた。
この世界は前世には無かった能力が多々ある。
そしてとても便利な物が多い。
危険が多い世界だからなのだろうか。
不思議な世界だとレイナは表示を見ながらそんな事を思う。
それはさておき収穫物をサムエルに見せなければと、レイナは切り替える。
薬草を作ればと提案してくれたのはサムエルだ。
レイナはやっぱり最初に見てもらいたいとサムエルの元へ急ぐ。
「ほう、これですか。良い物が出来たんじゃないですか?」
「はい。上手くいったみたいです!」
色見も良く活き活きとした薬草。
サムエルにも喜んで貰えた様だとレイナは安堵する。
「これなら良い回復薬が出来そうですな」
「良かった。楽しみですね」
レイナは王室御用達の商人を紹介して貰う事になった。
そこで評価や引取りもしてくれるので薬草を鑑定する様だ。
明日には来るとの事なので渡す事が決まった。
初めて出会った時は怖い印象だったが、今は明るい団員思いの良い人って感じだ。
変われば変わるものだなと。
剣術も見てもらえる約束もしたので、また行きたいレイナは思う。
団員達とも仲良くなれた様で、王宮内ですれ違うとレイナに声を掛ける人間が多くなった。
知り合いが増えるっていいなとレイナは嬉しくなる。
もちろん回復魔法の【ヒール】も上達した。
やはり実戦で使うと成長が早いのは間違いない。
実戦と言っても訓練での話しなので、切迫した緊張感はそれ程なかった。
これが戦地に赴いてやるとなると話は別だろう。
しかし使用回数は多かったので、回復魔法のいい練習になった。
次に練習させて貰える時までにもっと精度を上げておこうとレイナは思う。
バレンはレイナの様な回復魔法を使える人間は希少だと言っていた。
それなら普段の訓練の怪我はどうやって治しているのかとバレンに確認したところ、回復薬を飲んで治療しているとの事だった。
それを聞いたレイナは薬草を植えていた事を思い出す。
完全に放置していた。
急いで畑に行ってみると、案の定、たくさんの薬草が出来ている。
「うわあ!」
生い茂る薬草は畑一面に広がっておりどれも生命力に溢れている。
どうやら栄養塊の効果が証明された様だ。
「やっぱり薬草にも効果があるのね!」
【鑑定】してみると薬草(上質)と出た。
こんな短期間で収穫出来てしまうのだから、栄養塊は反則級の効果がある。
しかも良質な物が作製出来てしまうのは異常と言っていいだろう。
やはり【拒絶と吸収】で得られた栄養塊は分割して使用するぐらいが丁度いいのだろう。
そのまま使うと過剰な物が育ってしまうのは実証済みだ。
今回は薄めた物を使ったので、満足する品質の物が出来たとレイナはひとり笑みを浮かべる。
さっそく収穫していく。
他の人に見てもらう用に籠に入れて、残りは【インベントリ】に入れる。
【インベントリ】は根に土が付いていようが問題ない様だ。
入ると薬草(上質)と表示された。
相変わらず便利よねと、この能力を得られたことにレイナは感謝する。
次々と入れていくと薬草(上質)の数字だけが増えていく。
土が付いていようがいまいが同じものとしてカウントしてくれる。
まるでゲームみたいだなとレイナは感じた。
この世界は前世には無かった能力が多々ある。
そしてとても便利な物が多い。
危険が多い世界だからなのだろうか。
不思議な世界だとレイナは表示を見ながらそんな事を思う。
それはさておき収穫物をサムエルに見せなければと、レイナは切り替える。
薬草を作ればと提案してくれたのはサムエルだ。
レイナはやっぱり最初に見てもらいたいとサムエルの元へ急ぐ。
「ほう、これですか。良い物が出来たんじゃないですか?」
「はい。上手くいったみたいです!」
色見も良く活き活きとした薬草。
サムエルにも喜んで貰えた様だとレイナは安堵する。
「これなら良い回復薬が出来そうですな」
「良かった。楽しみですね」
レイナは王室御用達の商人を紹介して貰う事になった。
そこで評価や引取りもしてくれるので薬草を鑑定する様だ。
明日には来るとの事なので渡す事が決まった。
11
お気に入りに追加
3,301
あなたにおすすめの小説
精霊に好かれた私は世界最強らしいのだが
天色茜
ファンタジー
普通の女子高校生、朝野明莉沙(あさのありさ)は、ある日突然異世界召喚され、勇者として戦ってくれといわれる。
だが、同じく異世界召喚された他の二人との差別的な扱いに怒りを覚える。その上冤罪にされ、魔物に襲われた際にも誰も手を差し伸べてくれず、崖から転落してしまう。
その後、自分の異常な体質に気づき...!?
【本編完結】ただの平凡令嬢なので、姉に婚約者を取られました。
138ネコ@書籍化&コミカライズしました
ファンタジー
「誰にも出来ないような事は求めないから、せめて人並みになってくれ」
お父様にそう言われ、平凡になるためにたゆまぬ努力をしたつもりです。
賢者様が使ったとされる神級魔法を会得し、復活した魔王をかつての勇者様のように倒し、領民に慕われた名領主のように領地を治めました。
誰にも出来ないような事は、私には出来ません。私に出来るのは、誰かがやれる事を平凡に努めてきただけ。
そんな平凡な私だから、非凡な姉に婚約者を奪われてしまうのは、仕方がない事なのです。
諦めきれない私は、せめて平凡なりに仕返しをしてみようと思います。
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から「破壊神」と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
嫌われ聖女さんはとうとう怒る〜今更大切にするなんて言われても、もう知らない〜
𝓝𝓞𝓐
ファンタジー
13歳の時に聖女として認定されてから、身を粉にして人々のために頑張り続けたセレスティアさん。どんな人が相手だろうと、死にかけながらも癒し続けた。
だが、その結果は悲惨の一言に尽きた。
「もっと早く癒せよ! このグズが!」
「お前がもっと早く治療しないせいで、後遺症が残った! 死んで詫びろ!」
「お前が呪いを防いでいれば! 私はこんなに醜くならなかったのに! お前も呪われろ!」
また、日々大人も気絶するほどの魔力回復ポーションを飲み続けながら、国中に魔物を弱らせる結界を張っていたのだが……、
「もっと出力を上げんか! 貴様のせいで我が国の騎士が傷付いたではないか! とっとと癒せ! このウスノロが!」
「チッ。あの能無しのせいで……」
頑張っても頑張っても誰にも感謝されず、それどころか罵られるばかり。
もう我慢ならない!
聖女さんは、とうとう怒った。
今さら帰ってこいなんて言われても。~森に移住した追放聖女は快適で優雅に暮らす~
ケンノジ
ファンタジー
「もうお前は要らない女だ!」
聖女として国に奉仕し続けてきたシルヴィは、第一王子ヴィンセントに婚約破棄と国外追放を言い渡される。
その理由は、シルヴィより強い力を持つ公爵家のご令嬢が現れたからだという。
ヴィンセントは態度を一変させシルヴィを蔑んだ。
王子で婚約者だから、と態度も物言いも目に余るすべてに耐えてきたが、シルヴィは我慢の限界に達した。
「では、そう仰るならそう致しましょう」
だが、真の聖女不在の国に一大事が起きるとは誰も知るよしもなかった……。
言われた通り国外に追放されたシルヴィは、聖女の力を駆使し、
森の奥で出会った魔物や動物たちと静かで快適な移住生活を送りはじめる。
これは虐げられた聖女が移住先の森の奥で楽しく幸せな生活を送る物語。
実家を追放された名家の三女は、薬師を目指します。~草を食べて生き残り、聖女になって実家を潰す~
juice
ファンタジー
過去に名家を誇った辺境貴族の生まれで貴族の三女として生まれたミラ。
しかし、才能に嫉妬した兄や姉に虐げられて、ついに家を追い出されてしまった。
彼女は森で草を食べて生き抜き、その時に食べた草がただの草ではなく、ポーションの原料だった。そうとは知らず高級な薬草を食べまくった結果、体にも異変が……。
知らないうちに高価な材料を集めていたことから、冒険者兼薬師見習いを始めるミラ。
新しい街で新しい生活を始めることになるのだが――。
新生活の中で、兄姉たちの嘘が次々と暴かれることに。
そして、聖女にまつわる、実家の兄姉が隠したとんでもない事実を知ることになる。
失われた力を身に宿す元聖女は、それでも気楽に過ごしたい~いえ、Sランク冒険者とかは結構です!~
紅月シン
ファンタジー
聖女として異世界に召喚された狭霧聖菜は、聖女としての勤めを果たし終え、満ち足りた中でその生涯を終えようとしていた。
いや嘘だ。
本当は不満でいっぱいだった。
食事と入浴と睡眠を除いた全ての時間で人を癒し続けなくちゃならないとかどんなブラックだと思っていた。
だがそんな不満を漏らすことなく死に至り、そのことを神が不憫にでも思ったのか、聖菜は辺境伯家の末娘セーナとして二度目の人生を送ることになった。
しかし次こそは気楽に生きたいと願ったはずなのに、ある日セーナは前世の記憶と共にその身には聖女としての癒しの力が流れていることを知ってしまう。
そしてその時点で、セーナの人生は決定付けられた。
二度とあんな目はご免だと、気楽に生きるため、家を出て冒険者になることを決意したのだ。
だが彼女は知らなかった。
三百年の時が過ぎた現代では、既に癒しの力というものは失われてしまっていたということを。
知らぬままに力をばら撒く少女は、その願いとは裏腹に、様々な騒動を引き起こし、解決していくことになるのであった。
※完結しました。
※小説家になろう様にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる