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第1話 婚約破棄されるんですね
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「リーネ・アルソフィ! 今この時をもってお前との婚約は破棄された!」
リーネは王太子殿下から突然、婚約破棄を告げられる。
本人としては何となくそうなるような気はしていたけれど、実際に面を向かって言われると悲しい気持ちになってしまうのは仕方がない事だろう。
しかしこれはリーネの考えであってもう一人の人格である『神木れいな』としては全くもって痛くも痒くも無い。
日本人であった『神木れいな』は公爵令嬢であるリーネ・アルソフィとしてこの世界に転生した。
記憶が戻ったのが、つい先日であり王太子殿下とは『神木れいな』としては初対面だ。
政略的な婚約だったのでリーネ自身も殿下が好きだったという訳でもない。
『神木れいな』としては愛情などあるはずもなく、婚約破棄は簡単に受け入れられた。
「理由をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
大体察しは付いてはいるが元婚約者と言うなら、これぐらい聞いてもいいだろうとリーネは確認の問いをする。
「ふん、お前が不貞を働いていた事は調べがついている! それ故の婚約破棄だ!」
「まあ!」
どこからそんな事になったのか。
完全に冤罪であり全くの事実無根だ。
リーネが驚くのも無理はない。
王太子が掴んだ情報はリーネが殿下の弟達を誑かし、不貞を働いていたという噂だった。
初めは疑っていた噂も妃候補である隣国のローラン王女による策略により、それを王太子は信じる様になっていく。
こうなると王太子はリーネを苦々しく思う様になってしまう。
しかしリーネとしては逆にありがたいぐらいだった。
「そうですか、承知いたしました殿下。謹んでお受けいたします」
恭しくリーネは頭を下げる。
そんなリーネの言動に驚いた表情を見せる王太子。
「ひ、開き直りおって。認めると言う事か!」
まさかあっさりと承諾するとは思っていなかった王太子が、どもってしまうのは無理のない事なのかもしれない。
「認めるも何も、私は何もしておりません。ただ殿下は私との婚約を破棄してそちらのローラン王女を妃になさりたいのではありませんか?」
「ふん、ローラン王女のことは関係ない。貴様の不貞に対する処罰だ!」
リーネの言葉は全く信じないで、あくまでリーネの責任を王太子は追及する。
「殿下はしっかりと、お調べになられたのでしょうか?」
「無礼者が! 余の言う事が間違っていると申すか!」
リーネの言葉に殿下は激高する。
代わりに隣にいるローラン王女が口を開く。
「まあまあ、殿下お怒りを鎮めてくださいませ。めでたい席で御座いますし、リーネ様もこの場ではお認めにはならないでしょう」
隣にいるローラン王女は殿下にしなだれながら、口を挟む。
既にこの場所はリーネとの婚約を破棄して新たに王女との結婚を報告する場になっているようだ。
ローラン王女は愛らしい顔の少女だけど、リーネを見つめる瞳は嫌悪と嫉妬が見え隠れしている。
第三者目線で見ているリーネにはその様に映ってしまう。
ここにいる者達はリーネの不貞行為を確定させたいらしい。
何もしていないんですけどねと、リーネは記憶を探ってもその様な事は無かったと断言できる。
「ローランそなたがそう言うならこれぐらいにしておこう。リーネ・アルソフィ! 本来ならば処刑するところだが、そなたは王都を去るがいい。追放だ!」
リーネは婚約破棄と王都追放を言い渡された。
リーネは王太子殿下から突然、婚約破棄を告げられる。
本人としては何となくそうなるような気はしていたけれど、実際に面を向かって言われると悲しい気持ちになってしまうのは仕方がない事だろう。
しかしこれはリーネの考えであってもう一人の人格である『神木れいな』としては全くもって痛くも痒くも無い。
日本人であった『神木れいな』は公爵令嬢であるリーネ・アルソフィとしてこの世界に転生した。
記憶が戻ったのが、つい先日であり王太子殿下とは『神木れいな』としては初対面だ。
政略的な婚約だったのでリーネ自身も殿下が好きだったという訳でもない。
『神木れいな』としては愛情などあるはずもなく、婚約破棄は簡単に受け入れられた。
「理由をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
大体察しは付いてはいるが元婚約者と言うなら、これぐらい聞いてもいいだろうとリーネは確認の問いをする。
「ふん、お前が不貞を働いていた事は調べがついている! それ故の婚約破棄だ!」
「まあ!」
どこからそんな事になったのか。
完全に冤罪であり全くの事実無根だ。
リーネが驚くのも無理はない。
王太子が掴んだ情報はリーネが殿下の弟達を誑かし、不貞を働いていたという噂だった。
初めは疑っていた噂も妃候補である隣国のローラン王女による策略により、それを王太子は信じる様になっていく。
こうなると王太子はリーネを苦々しく思う様になってしまう。
しかしリーネとしては逆にありがたいぐらいだった。
「そうですか、承知いたしました殿下。謹んでお受けいたします」
恭しくリーネは頭を下げる。
そんなリーネの言動に驚いた表情を見せる王太子。
「ひ、開き直りおって。認めると言う事か!」
まさかあっさりと承諾するとは思っていなかった王太子が、どもってしまうのは無理のない事なのかもしれない。
「認めるも何も、私は何もしておりません。ただ殿下は私との婚約を破棄してそちらのローラン王女を妃になさりたいのではありませんか?」
「ふん、ローラン王女のことは関係ない。貴様の不貞に対する処罰だ!」
リーネの言葉は全く信じないで、あくまでリーネの責任を王太子は追及する。
「殿下はしっかりと、お調べになられたのでしょうか?」
「無礼者が! 余の言う事が間違っていると申すか!」
リーネの言葉に殿下は激高する。
代わりに隣にいるローラン王女が口を開く。
「まあまあ、殿下お怒りを鎮めてくださいませ。めでたい席で御座いますし、リーネ様もこの場ではお認めにはならないでしょう」
隣にいるローラン王女は殿下にしなだれながら、口を挟む。
既にこの場所はリーネとの婚約を破棄して新たに王女との結婚を報告する場になっているようだ。
ローラン王女は愛らしい顔の少女だけど、リーネを見つめる瞳は嫌悪と嫉妬が見え隠れしている。
第三者目線で見ているリーネにはその様に映ってしまう。
ここにいる者達はリーネの不貞行為を確定させたいらしい。
何もしていないんですけどねと、リーネは記憶を探ってもその様な事は無かったと断言できる。
「ローランそなたがそう言うならこれぐらいにしておこう。リーネ・アルソフィ! 本来ならば処刑するところだが、そなたは王都を去るがいい。追放だ!」
リーネは婚約破棄と王都追放を言い渡された。
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