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18.余力
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◇
ブレアに魔力コントロールを教わるため、魔道課に来ている。せっかく外は晴れているのに光が差し込まないこの部屋は、各々が研究に没頭している張り詰めた雰囲気を増幅させている。以前来た時は、スティックブラウニーを持参した。床で昏睡していながらも食べてくれていたから、きっと迷惑では無いのだろう。今回はクッキーを焼いてきた。机に置くと、今日は比較的顔色のいい魔道士さん達がクッキーを摘んでいく。作ってきてよかったと胸を撫で下ろす。そして今は奥まった部屋の質素な机を挟みブレアと向かい合うように座っている。
「ねぇ、なんで殿下がいるの?」
翡翠色の瞳が近づき、こそっと俺に耳打ちする。俺的にはクリス殿下がいることよりも、ブレアがその事に気づいたことが驚きだ。
「んー?今なんか失礼なこと考えた?」
ブレアが首を傾げ、翡翠色の瞳をギラつかせた。振り返ると壁にもたれかかっていたクリスはいつものように微笑んでいる。
「僕のことは気にしなくて良いよ。ナオトが心配で勝手に付いてきただけだからね。」
クリス殿下の表情に安心する。過保護だなぁと思いながら決して嫌では無いし、むしろ・・・・。慌てて前を向いた。そんなことは露知らずブレアは切り替えるように咳払いをする。
「じゃあさっそく、前みたいに僕の手を握ってくれる?もちろん僕からは魔力を流さないから、ナオトから僕の身体に流すんだ。まずは全身を巡らすようにやってみて?」
そう言うとブレアは俺の手を取り、指を絡めるように握る。そして目を瞑る。俺も同じように瞼を閉じて、体の中を循環している魔力を自分の右手へ、そのあと俺の右手を握っているブレアの左手へ流し込む。ブレアの身体に注いだ魔力を全身に行き渡らせるように、循環させるようにとイメージをする。
ブレアは目を開けニコッと微笑む。
「うん、いいね。じゃあ次、僕の肺に流し込んで。」
「えっ?肺?」
聞き間違えかと思って、俺は閉じていた目を見開きブレアの方を見る。
「そうだよ繊細な魔力コントロールは、魔法を使う上で大切なことなんだ。どれだけ魔力量があっても、コントロールができていないと暴発したり、無闇に消費する事で魔力不足になってしまうからね。ナオトが使える治癒魔法も相手の体全身に流すより、悪いところを探ってそこに直接届ける方が魔力の節約になるんだ。」
そうは言っても感覚的な話すぎて分からない。そもそも人間のどこになんの器官があるかなんて分からないし・・・。解剖学とか習っとけばよかったのかな。俺はせいぜい学生の頃に魚を捌いたことくらいしかないからなぁ。ブレアを魚に見立てて・・・っていうのも無理があるし・・・。でも目だけはなんか魚っぽいかも。
ブレアが首を傾け、翡翠色の瞳がギラつかせる。心まで読まれているのは気のせいか?
「とりあえずやってみるよ。」
俺は気を取り直して一度大きく深呼吸する。目を瞑りブレアに魔力を流す。でも、目を開けた時には、ブレアが顔を歪ませていた。
「・・・そこ心臓だよ。気持ち悪い。それにもうちょっと魔力量を抑えてみて。練習なのにそんなに使ってたら早々にバテちゃうよ。」
意気込んでやったはいいものの、出来ていないのが自分でも分かる。魔法が使える事に浮かれてたけど、俺って全然ダメダメなんじゃ・・・。こんなに難しいとは思わなかった。
俺はブレアと手を繋ぎ直し、せっかく持っている能力を活かせるようにと意気込む。
「もう一回お願いします。」
どのくらいの時間が経ったのだろう。神経をすり減らすような訓練が続く。魔力コントロールと一言で言っても、出力の加減・指定された器官への正確な調整が難しすぎる。
以前ブレアから二属性を組み合わせる魔法もあると聞いていたが、俺には到底できる気がしない。
「ダメ、もう一回。」
幾度となく駄目出しをくらい折れそうになる心。「はぁ。」と無意識にため息が出てしまった。
「ごめん、上手くできない自分が不甲斐なくて・・・。」
魔力消費のせいなのか心労のせいなのか、疲労感が拭えない。でも、休んでる暇はないと自分を奮い立たせる。
直人は再開しようとブレアの手を握ろうとしたが、クリスがそれを制止した。
「ナオト、そろそろ休憩しよう。」
見上げるとクリス殿下の顔が近くにあり、動揺してしまう。俺は振り切るように首を横に振る。
「いや、もうちょっと。あっ、でもブレアがしんどいか・・・」
だいぶ長時間付き合わせてしまっている。しかし、ブレアの方を見るがなんともないという顔をしている。
「うーん?僕は全然平気だよ。むしろ調子がいいし。なんか僕の魔力の基礎値も上がった気がする。ナオトのおかげかなぁ?」
ブレアは目をキラキラさせている。本当に研究熱心だ。それを遮るように、クリスがいつもよりも少し低い声で反応する。
「僕が許可しないよ。ナオトは休憩しようね。」
いつも通り優しい顔をしているが、目が全然笑っていない。ブレアもクリス殿下の言葉は無視出来ないようだ。断行せず休憩を取ることになった。
◇
思った以上に疲れていることに気づいたのは、目の前の昼食がお腹に入っていかない。食欲が無いわけじゃないが食べる気になれなかったからだ。それよりも、どっと眠気が襲ってくる。コクコクと頭を上下する俺をクリス殿下が心配そうに見ている。
「もっと早くに止めておけばよかった。ごめんね。」
クリス殿下は「部屋に帰ろう。」と俺を支えるように肩を抱いて何とか歩いてくれている。体躯がそこまで変わらないから本当にに申し訳ない。
部屋に着いた途端クリス殿下も一緒にベッドに倒れ込む。俺はふかふかのベッドに沈み、あっという間に夢ごこちになる。クリス殿下が指を絡ませるように右手を握ってくれているのを感じた。魔力なんて出してないのに温かくて幸せに満たされる。ありがとうと言いたいのに声が出ない。余力のまま握り返し、気持ちが伝わればいいなと願う。
ブレアに魔力コントロールを教わるため、魔道課に来ている。せっかく外は晴れているのに光が差し込まないこの部屋は、各々が研究に没頭している張り詰めた雰囲気を増幅させている。以前来た時は、スティックブラウニーを持参した。床で昏睡していながらも食べてくれていたから、きっと迷惑では無いのだろう。今回はクッキーを焼いてきた。机に置くと、今日は比較的顔色のいい魔道士さん達がクッキーを摘んでいく。作ってきてよかったと胸を撫で下ろす。そして今は奥まった部屋の質素な机を挟みブレアと向かい合うように座っている。
「ねぇ、なんで殿下がいるの?」
翡翠色の瞳が近づき、こそっと俺に耳打ちする。俺的にはクリス殿下がいることよりも、ブレアがその事に気づいたことが驚きだ。
「んー?今なんか失礼なこと考えた?」
ブレアが首を傾げ、翡翠色の瞳をギラつかせた。振り返ると壁にもたれかかっていたクリスはいつものように微笑んでいる。
「僕のことは気にしなくて良いよ。ナオトが心配で勝手に付いてきただけだからね。」
クリス殿下の表情に安心する。過保護だなぁと思いながら決して嫌では無いし、むしろ・・・・。慌てて前を向いた。そんなことは露知らずブレアは切り替えるように咳払いをする。
「じゃあさっそく、前みたいに僕の手を握ってくれる?もちろん僕からは魔力を流さないから、ナオトから僕の身体に流すんだ。まずは全身を巡らすようにやってみて?」
そう言うとブレアは俺の手を取り、指を絡めるように握る。そして目を瞑る。俺も同じように瞼を閉じて、体の中を循環している魔力を自分の右手へ、そのあと俺の右手を握っているブレアの左手へ流し込む。ブレアの身体に注いだ魔力を全身に行き渡らせるように、循環させるようにとイメージをする。
ブレアは目を開けニコッと微笑む。
「うん、いいね。じゃあ次、僕の肺に流し込んで。」
「えっ?肺?」
聞き間違えかと思って、俺は閉じていた目を見開きブレアの方を見る。
「そうだよ繊細な魔力コントロールは、魔法を使う上で大切なことなんだ。どれだけ魔力量があっても、コントロールができていないと暴発したり、無闇に消費する事で魔力不足になってしまうからね。ナオトが使える治癒魔法も相手の体全身に流すより、悪いところを探ってそこに直接届ける方が魔力の節約になるんだ。」
そうは言っても感覚的な話すぎて分からない。そもそも人間のどこになんの器官があるかなんて分からないし・・・。解剖学とか習っとけばよかったのかな。俺はせいぜい学生の頃に魚を捌いたことくらいしかないからなぁ。ブレアを魚に見立てて・・・っていうのも無理があるし・・・。でも目だけはなんか魚っぽいかも。
ブレアが首を傾け、翡翠色の瞳がギラつかせる。心まで読まれているのは気のせいか?
「とりあえずやってみるよ。」
俺は気を取り直して一度大きく深呼吸する。目を瞑りブレアに魔力を流す。でも、目を開けた時には、ブレアが顔を歪ませていた。
「・・・そこ心臓だよ。気持ち悪い。それにもうちょっと魔力量を抑えてみて。練習なのにそんなに使ってたら早々にバテちゃうよ。」
意気込んでやったはいいものの、出来ていないのが自分でも分かる。魔法が使える事に浮かれてたけど、俺って全然ダメダメなんじゃ・・・。こんなに難しいとは思わなかった。
俺はブレアと手を繋ぎ直し、せっかく持っている能力を活かせるようにと意気込む。
「もう一回お願いします。」
どのくらいの時間が経ったのだろう。神経をすり減らすような訓練が続く。魔力コントロールと一言で言っても、出力の加減・指定された器官への正確な調整が難しすぎる。
以前ブレアから二属性を組み合わせる魔法もあると聞いていたが、俺には到底できる気がしない。
「ダメ、もう一回。」
幾度となく駄目出しをくらい折れそうになる心。「はぁ。」と無意識にため息が出てしまった。
「ごめん、上手くできない自分が不甲斐なくて・・・。」
魔力消費のせいなのか心労のせいなのか、疲労感が拭えない。でも、休んでる暇はないと自分を奮い立たせる。
直人は再開しようとブレアの手を握ろうとしたが、クリスがそれを制止した。
「ナオト、そろそろ休憩しよう。」
見上げるとクリス殿下の顔が近くにあり、動揺してしまう。俺は振り切るように首を横に振る。
「いや、もうちょっと。あっ、でもブレアがしんどいか・・・」
だいぶ長時間付き合わせてしまっている。しかし、ブレアの方を見るがなんともないという顔をしている。
「うーん?僕は全然平気だよ。むしろ調子がいいし。なんか僕の魔力の基礎値も上がった気がする。ナオトのおかげかなぁ?」
ブレアは目をキラキラさせている。本当に研究熱心だ。それを遮るように、クリスがいつもよりも少し低い声で反応する。
「僕が許可しないよ。ナオトは休憩しようね。」
いつも通り優しい顔をしているが、目が全然笑っていない。ブレアもクリス殿下の言葉は無視出来ないようだ。断行せず休憩を取ることになった。
◇
思った以上に疲れていることに気づいたのは、目の前の昼食がお腹に入っていかない。食欲が無いわけじゃないが食べる気になれなかったからだ。それよりも、どっと眠気が襲ってくる。コクコクと頭を上下する俺をクリス殿下が心配そうに見ている。
「もっと早くに止めておけばよかった。ごめんね。」
クリス殿下は「部屋に帰ろう。」と俺を支えるように肩を抱いて何とか歩いてくれている。体躯がそこまで変わらないから本当にに申し訳ない。
部屋に着いた途端クリス殿下も一緒にベッドに倒れ込む。俺はふかふかのベッドに沈み、あっという間に夢ごこちになる。クリス殿下が指を絡ませるように右手を握ってくれているのを感じた。魔力なんて出してないのに温かくて幸せに満たされる。ありがとうと言いたいのに声が出ない。余力のまま握り返し、気持ちが伝わればいいなと願う。
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