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クリスが危惧した通り、アルベルトが部屋に駆け込んできた。直人は勢いよく開けられたドアの音に驚いて、クリスの腕の中からそちらを覗く。
肩で息をしているアルベルトと目が合った。俺の顔を見るなり、クリス殿下に詰め寄り拳骨を食らわせた。
「痛ったぁ!!」
「何があった?」
「いや、殴る前に聞いてよ!」
すっかり定番化した二人のやりとりに、涙も引っ込んでしまった。俺は息を整えて、アルベルトにも同じ話をする。全て話し終えるとアルベルトに抱き寄られ、クリス殿下のあとを上書きするように頭を撫でられた。
それまで無言で話を聞いてくれていたクリス殿下が、「そういえば僕、ナオトに料理を作ってもらう約束をしたんだよ。」と言うと、なぜか俺を優しく包んでいたアルベルトの腕が強張った。
◇
目を開けると視界に入るシャンデリアは、もう見慣れた。一人暮らしの時に使っていた布団とは、段違いにフカフカのベッドにも慣れた。
みっともなく泣いたあの日から、何度目かの朝が来た。起き上がり目を擦る。
「起きたか?おはよう。」
「おはよ。今日も早いね。」
部屋の隅で壁にもたれかかっている人物に返事をする。窓から入る風がブルーブラックの癖のない髪を靡かせる。瞑色の瞳が近づいてきて、見上げるとその目が細まる。これだけは見慣れない。
ここ最近は俺の目が覚める前にアルベルトが部屋に入っている。支度をしてそのまま一緒に食堂に行き、朝食を摂るのが習慣になっていた。その方が部屋に結界を張らなくていいから、魔力が節約出来るらしい。
食堂に入りいつもの窓際の席に座る。一時期あった警戒心のある目線も緩和され幾分か過ごしやすい。
「今日はこれから鍛錬場??」
「あぁ、今日は実戦に基づいた鍛錬をするから外せないんだ。だから、食後は執務室にいるクリス殿下のところまで案内する。」
「観に行ったらだめ?」
「ん?そんな面白いものじゃないと思うが。」
「それでも!邪魔にならないようにするから!」
「お願い?」と手を合わせてみる。アルベルトは瞠目し少し考えた後、了解してくれた。
これまで、アルベルトが鍛錬の時はクリス殿下が護衛の代わりとしてそばにいてくれた。だが、第二王子だけあっていつも書類に囲まれている。そのため、クリス殿下が仕事している横で借りた本を読んだり、休憩するタイミングで庭園を散歩したりしていたが変わらない日常に少し退屈していた。
◇
宮殿の西側、少し離れたところに騎士棟がある。騎士達の宿舎や武器庫、厩舎などが備わっている。そして、今いるのは闘技場だ。コロッセオのような円柱状の石造りをしている。今日はジョストと呼ばれる一騎打ちの模擬戦をする。夕方ごろに終わって、そのまま騎士棟で慰労会が行われるらしい。
アルベルトは準備のためいない。代わりに、レオンという第一騎士団の団員に案内されているのだが・・・。金髪碧眼の彼は、アルベルトがいた時はもっとにこやかにしていたのに、今は値踏みするような目つきで俺を見ている。
「はぁ、こっちだ。着いてこい。」
そう言うとスタスタと背を向けて行ってしまう。なぜ溜息をつかれたのか理解できない。でも、入り組んだ廊下を迷子にならないように小走りでついていく他なかった。
なんとか観覧席に着くと、レオンも二つ開けた席に座っている。俺を一瞥すると不機嫌なまま正面を見直した。
甲冑を纏い、盾と槍を持った騎士が馬に乗って姿を現す。合図が出ると馬が走り出す。槍と槍が打ち合う音が響く。いなすように受けていた騎士が攻めに入り一気に突き、バランスを崩した相手が落馬する。
勝者がヘルム(兜)を取る。アルベルトだ。馬から降りて落馬した騎士に駆け寄っている。怪我の有無や指導をしているんだろう。
素人でもわかる
「強い・・。」
「そうだ。団長は強い。だからもっと団員に指導して頂かなければならないのに、お前なんかの護衛をしているから鍛錬の時間が減ったんだ。何の能力もないくせに。」
レオンが腕を組み、表情を変えないまま言い放つ。
「・・・・っ。」
何も言い返せない。本当のことだから。俺はまだ能力が発現していない。今まで関わってきたこの世界の人たちは優しかった。こんな直接的な悪意を向けられたのは初めてだ。でも、みんな同じことを考えていたのかもしれない。あの遠巻きに俺を見ていた人たちも、もしかしたら身近にいてくれた人も・・・。
その後も立て続けにアルベルトは誰かの相手をしていた。見ていたはずなのに何も覚えていない。静かで冷たい時間が続いた。
「おい!行くぞ。」とレオンの声が聞こえる。どうやらアルベルトの模擬戦が終わったらしい。
でも、どうしても動けないままでいた。この世界では俺は無能だ。神子として召喚された身だから何もしなくても衣食住があり、そしていつか勝手に能力が発現すると思ってたんだ。のうのうと過ごしていたこの数日間が恥ずかしい。何とかしなければ。俺はレオンを無視して闘技場を後にした。
◇
向かった先の扉をノックした。「うーん?」と気の抜けた返事がある。扉を開けるとブレアが机に突っ伏して、そこらじゅうに資料が散らばっている。かろうじて起きている状態だろうか。相変わらず何人か倒れていて、時折ピクピクと動いている。でも、そんなのを心配している余裕は今の俺にはない。
「ブレア!俺に鑑定魔法して?」
そう言うとブレアがガバッと起きて翡翠色の目をキラキラさせている。
「なんか能力使えるようになったの?!」
その期待に満ちた目にズキっと胸が痛む。
「いや、そういうのはまだ・・・ない。だからどうにかしたくて。」
ブレアは一気に興味なさげに変わり、あくびをしながら返事をする。
「ふぁ~。いいよ。なんか変化があるかも知れないしね。」
以前も通された奥まった部屋に入る。ブレアが両手を広げながら何かを呟き、俺の体がふわっと宙に浮かぶ。暖かな光に包まれる。蛍のような光が舞っている。暖かいのに落ち着かない。俺にもくれよ、力を・・・。
バチンッという音が耳を劈く。同時にブレアの魔法が解除され俺の体は床に叩き落とされた。床に体を打ちつけた痛みとは別に電気が走ったような衝撃もある。
「痛ってー!!」
「大丈夫!?」
ブレアが直人に駆け寄る。ブレア自身も何が起きたのか分からないようで、困惑を隠せない様子だ。
「それよりどうだった?」
直人はお尻をさすりながら期待と不安が入り混じる顔で尋ねる。
「前より魔力量は増してるよ!でもいまの・・・?」
ブレアは自分の右手を手を見つめ、開いたり閉じたりして首を傾げている。
「うーん。もしかしたら僕の魔力に反応したのかな?」
ブレアはブツブツ言いながら記録し始める。でも俺はここで終わるわけにはいかない。
「なぁ、それってもう一回やったら完全に魔力を開放できない?」
ブレアは記録していた手元から怪訝そうに顔を上げる。
「いやそれはダメだよ。無理やりやるとナオトの体が危険だよ。前にも言った通り魔力は身体的、心理的な影響を受けやすい。逆を言えば魔力を無理に引き出そうとすればナオトの体に異常をきたす可能性があるんだ。今のだって一歩間違えれば大変だったかもしれないよ。」
「それでも良いから!おねがい!」
俺は、懇願するようにブレアのローブにしがみつく。
「おい。」
後ろから、ゾッとするほど低い声がする。一瞬にして室温が下がったようだ。直人とブレアはゆっくりと声のした方に振り向く。さっきまで闘技場にいたアルベルトがいつの間にかそこに立っている。俯いていて表情が読めない。
「ブレア・・・。あとでゆっくり話聞いてやるかな。」
「なんで僕?どういうこと?僕なんか悪いことした?」
アワアワと怯えているブレアをよそに、今度は俺に向かってくる。
アルベルトが一歩一歩近づいてくるごとに冷気が増すようだ。背中に変な汗が流れる。その空気に耐えきれない俺はじりじりと後ずさっていく。とうとう壁に追いやられた。表情は未だに読めない。アルベルトに対して初めて恐怖を感じた。
肩で息をしているアルベルトと目が合った。俺の顔を見るなり、クリス殿下に詰め寄り拳骨を食らわせた。
「痛ったぁ!!」
「何があった?」
「いや、殴る前に聞いてよ!」
すっかり定番化した二人のやりとりに、涙も引っ込んでしまった。俺は息を整えて、アルベルトにも同じ話をする。全て話し終えるとアルベルトに抱き寄られ、クリス殿下のあとを上書きするように頭を撫でられた。
それまで無言で話を聞いてくれていたクリス殿下が、「そういえば僕、ナオトに料理を作ってもらう約束をしたんだよ。」と言うと、なぜか俺を優しく包んでいたアルベルトの腕が強張った。
◇
目を開けると視界に入るシャンデリアは、もう見慣れた。一人暮らしの時に使っていた布団とは、段違いにフカフカのベッドにも慣れた。
みっともなく泣いたあの日から、何度目かの朝が来た。起き上がり目を擦る。
「起きたか?おはよう。」
「おはよ。今日も早いね。」
部屋の隅で壁にもたれかかっている人物に返事をする。窓から入る風がブルーブラックの癖のない髪を靡かせる。瞑色の瞳が近づいてきて、見上げるとその目が細まる。これだけは見慣れない。
ここ最近は俺の目が覚める前にアルベルトが部屋に入っている。支度をしてそのまま一緒に食堂に行き、朝食を摂るのが習慣になっていた。その方が部屋に結界を張らなくていいから、魔力が節約出来るらしい。
食堂に入りいつもの窓際の席に座る。一時期あった警戒心のある目線も緩和され幾分か過ごしやすい。
「今日はこれから鍛錬場??」
「あぁ、今日は実戦に基づいた鍛錬をするから外せないんだ。だから、食後は執務室にいるクリス殿下のところまで案内する。」
「観に行ったらだめ?」
「ん?そんな面白いものじゃないと思うが。」
「それでも!邪魔にならないようにするから!」
「お願い?」と手を合わせてみる。アルベルトは瞠目し少し考えた後、了解してくれた。
これまで、アルベルトが鍛錬の時はクリス殿下が護衛の代わりとしてそばにいてくれた。だが、第二王子だけあっていつも書類に囲まれている。そのため、クリス殿下が仕事している横で借りた本を読んだり、休憩するタイミングで庭園を散歩したりしていたが変わらない日常に少し退屈していた。
◇
宮殿の西側、少し離れたところに騎士棟がある。騎士達の宿舎や武器庫、厩舎などが備わっている。そして、今いるのは闘技場だ。コロッセオのような円柱状の石造りをしている。今日はジョストと呼ばれる一騎打ちの模擬戦をする。夕方ごろに終わって、そのまま騎士棟で慰労会が行われるらしい。
アルベルトは準備のためいない。代わりに、レオンという第一騎士団の団員に案内されているのだが・・・。金髪碧眼の彼は、アルベルトがいた時はもっとにこやかにしていたのに、今は値踏みするような目つきで俺を見ている。
「はぁ、こっちだ。着いてこい。」
そう言うとスタスタと背を向けて行ってしまう。なぜ溜息をつかれたのか理解できない。でも、入り組んだ廊下を迷子にならないように小走りでついていく他なかった。
なんとか観覧席に着くと、レオンも二つ開けた席に座っている。俺を一瞥すると不機嫌なまま正面を見直した。
甲冑を纏い、盾と槍を持った騎士が馬に乗って姿を現す。合図が出ると馬が走り出す。槍と槍が打ち合う音が響く。いなすように受けていた騎士が攻めに入り一気に突き、バランスを崩した相手が落馬する。
勝者がヘルム(兜)を取る。アルベルトだ。馬から降りて落馬した騎士に駆け寄っている。怪我の有無や指導をしているんだろう。
素人でもわかる
「強い・・。」
「そうだ。団長は強い。だからもっと団員に指導して頂かなければならないのに、お前なんかの護衛をしているから鍛錬の時間が減ったんだ。何の能力もないくせに。」
レオンが腕を組み、表情を変えないまま言い放つ。
「・・・・っ。」
何も言い返せない。本当のことだから。俺はまだ能力が発現していない。今まで関わってきたこの世界の人たちは優しかった。こんな直接的な悪意を向けられたのは初めてだ。でも、みんな同じことを考えていたのかもしれない。あの遠巻きに俺を見ていた人たちも、もしかしたら身近にいてくれた人も・・・。
その後も立て続けにアルベルトは誰かの相手をしていた。見ていたはずなのに何も覚えていない。静かで冷たい時間が続いた。
「おい!行くぞ。」とレオンの声が聞こえる。どうやらアルベルトの模擬戦が終わったらしい。
でも、どうしても動けないままでいた。この世界では俺は無能だ。神子として召喚された身だから何もしなくても衣食住があり、そしていつか勝手に能力が発現すると思ってたんだ。のうのうと過ごしていたこの数日間が恥ずかしい。何とかしなければ。俺はレオンを無視して闘技場を後にした。
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向かった先の扉をノックした。「うーん?」と気の抜けた返事がある。扉を開けるとブレアが机に突っ伏して、そこらじゅうに資料が散らばっている。かろうじて起きている状態だろうか。相変わらず何人か倒れていて、時折ピクピクと動いている。でも、そんなのを心配している余裕は今の俺にはない。
「ブレア!俺に鑑定魔法して?」
そう言うとブレアがガバッと起きて翡翠色の目をキラキラさせている。
「なんか能力使えるようになったの?!」
その期待に満ちた目にズキっと胸が痛む。
「いや、そういうのはまだ・・・ない。だからどうにかしたくて。」
ブレアは一気に興味なさげに変わり、あくびをしながら返事をする。
「ふぁ~。いいよ。なんか変化があるかも知れないしね。」
以前も通された奥まった部屋に入る。ブレアが両手を広げながら何かを呟き、俺の体がふわっと宙に浮かぶ。暖かな光に包まれる。蛍のような光が舞っている。暖かいのに落ち着かない。俺にもくれよ、力を・・・。
バチンッという音が耳を劈く。同時にブレアの魔法が解除され俺の体は床に叩き落とされた。床に体を打ちつけた痛みとは別に電気が走ったような衝撃もある。
「痛ってー!!」
「大丈夫!?」
ブレアが直人に駆け寄る。ブレア自身も何が起きたのか分からないようで、困惑を隠せない様子だ。
「それよりどうだった?」
直人はお尻をさすりながら期待と不安が入り混じる顔で尋ねる。
「前より魔力量は増してるよ!でもいまの・・・?」
ブレアは自分の右手を手を見つめ、開いたり閉じたりして首を傾げている。
「うーん。もしかしたら僕の魔力に反応したのかな?」
ブレアはブツブツ言いながら記録し始める。でも俺はここで終わるわけにはいかない。
「なぁ、それってもう一回やったら完全に魔力を開放できない?」
ブレアは記録していた手元から怪訝そうに顔を上げる。
「いやそれはダメだよ。無理やりやるとナオトの体が危険だよ。前にも言った通り魔力は身体的、心理的な影響を受けやすい。逆を言えば魔力を無理に引き出そうとすればナオトの体に異常をきたす可能性があるんだ。今のだって一歩間違えれば大変だったかもしれないよ。」
「それでも良いから!おねがい!」
俺は、懇願するようにブレアのローブにしがみつく。
「おい。」
後ろから、ゾッとするほど低い声がする。一瞬にして室温が下がったようだ。直人とブレアはゆっくりと声のした方に振り向く。さっきまで闘技場にいたアルベルトがいつの間にかそこに立っている。俯いていて表情が読めない。
「ブレア・・・。あとでゆっくり話聞いてやるかな。」
「なんで僕?どういうこと?僕なんか悪いことした?」
アワアワと怯えているブレアをよそに、今度は俺に向かってくる。
アルベルトが一歩一歩近づいてくるごとに冷気が増すようだ。背中に変な汗が流れる。その空気に耐えきれない俺はじりじりと後ずさっていく。とうとう壁に追いやられた。表情は未だに読めない。アルベルトに対して初めて恐怖を感じた。
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