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Sweets Party 12

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 翌日の営業終了後。“水面みなもカフェ”緊急ミーティングが開催された。参加者は未来、勇気、梓、百合、明彦、そして仕事を早く切り上げた保徳の6名。良太もついてきたが、今は未来の部屋で眠っている。明彦と梓が良太の体力限界まで遊び、少し眠る様に伝えたのだ。

 ミーティングの議題はもちろん、“良太の誕生日パーティーのついて”。

 各個人で意見を出し合い、“どんなパーティーにすれば良太が1番喜ぶのか”を決めて行く。

 「やっぱり、料理じゃないっすかね? 唐揚げとかタワー見たいに盛りつけられていたらテンション上がるっすよ」

 明彦が楽しそうに声を上げた。

 「流石は良太君の親友ね。参考になるわ。でもそれだけじゃ物足りないわね。それだと唐揚げパーティーじゃない?」

 百合が明彦の意見に同調しつつ、内容を更に具体的にする為に明彦へ尋ねる。

 「それだけじゃ無いっすよ‼︎ ハンバーグとか、ウインナーも山盛りにするっす‼︎」

 「肉類ばかりね……色味の少ないパーティーになりそう」

 勇気が腕を組み、思案顔で俯いている。そして、思いついた様に顔を上げ、5人に向かって言った。

 「どんなパーティーにするにしても、先ずはテーマを決めましょう。そのテーマに沿って意見を出して、良太君の思い出に残る様なパーティーを組み立ててはどうでしょうか?」

 その意見に全員が頷き、返事をする。

 「じゃあ“肉パーティー”はどうっすか? 肉を食べると元気になるっす‼︎」

 「だから、それだと色味の少ないパーティーになるって言ってるでしょ? それに、肉を食べれば元気になるのはあなただけよ」

 「保徳さん? 良太って何が好きなの?」

 梓が保徳に尋ねると、保徳は少し俯き、暗い顔で思案した。

 「……わかりません。良太の事は妻に任せきりで、私は仕事ばかりしていたもので……」

 「そっか……」

 百合が何か言いたげにしていたが、罵声を浴びせたのが昨日の事なので、グッと我慢していた。

 「あ‼︎ でも、少し前にプリンを買って帰った時にすごく喜んでました」

 「プリン……“プリンパーティー”?」

 「わー、茶色いパーティーに黄色が混ざった」

 保徳、梓、百合の会話を聞き、未来が何かを思い付いた様に顔を明るくした。そしてホワイトボードに文字を書く。

 『ビュッフェみたいに沢山の料理やデザートを並べるのはどうでしょう?』

 「ビュッフェ形式ですか……いいかも知れませんね」

 勇気は顔を明るくして未来に微笑む。皆も同様に頷き、パーティーはビュッフェ形式に決定した。

 百合が皆に問いかける。

 「料理はどうする? 唐揚げタワーとハンバーグの山、ウインナーの森は決定として」

 「…それは決定なんっすか?」

 「あ、お肉だけだと栄養が偏るからサラダ欲しい‼︎ あとコーンスープ‼︎」

 未来はホワイトボードに文字を書き、皆に見せた。

 『色取り取りのケーキやお菓子も欲しい。良太君、プリンを喜んでたみたいだし、甘いものが好きなのかも』

 皆の意見が出揃ったところで、勇気がまとめに入る。

 「では、今回は良太君の誕生日パーティーなので、誕生日らしくデザートをメインに置きます。唐揚げ、ハンバーグ、ウインナー、サラダは“タワー”や“山”、“森”程は置きません。保徳さん、これでよろしいでしょうか?」

 「はい。十分です。ありがとうございます」

 そう言って保徳は、何度も何度も頭を下げた。

 「スイーツビュッフェならぬ“スイーツパーティー”だね‼︎ 頑張って盛り上げよう‼︎」

 梓が立ち上がり、拳を高らかと挙げる。それに習って全員が拳を上げる。

 「成功させるぞー‼︎」

 「「「「おー‼︎」」」」

 「喜ばせるぞー‼︎」

 「「「「おー‼︎」」」」

 「頑張るぞー‼︎」

 「「「「おー‼︎」」」」

 「うるさいよ……みんな何楽しそうに遊んでるの?」

 突然厨房から良太が現れ、皆が肩を弾ませて驚いた。良太は眠り足りないのか、目を擦りあくびをしていた。

 どうやら、最後の声がうるさくて目を覚ましたのだとか。パーティーの話を聞かれていなくてホッとする一同だった。
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