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第三章

戦い1

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<戦い1> 

 時は少し戻り、俺達は調味料を渡すが、その砦にいる守備隊の人から急いで帰る必要はないんだろと言ってお茶を出され最近のこの砦の状況や周りの事等を話をしてその砦を出るのが遅くなり、当初より遅くなってしまったのであまり無理をせずに宿泊するのであった。そしてショウ達を見送ろうと亮がしきりに言うので早歩きしながら帰っていると、草原に台車が一台ありその上に箱があり、何かなと言いつつその場に行き開けるとそこには縛られたトッポさんがいるのであった。 
「トッポさん、今縄を切りますね。」そう言って縄を亮のナイフで切って自由にすると、トッポさんが俺の方をつかむと同時に、 
「利久、亮、これは罠なんだ。早く逃げるんだ。」そう言ってくる。 
「罠ですか?」俺達は何のことだか分からない顔をするが、 
「罠だ、というか、お前達と俺を消すための罠だ。」そう言うと同時に、馬車が何台もやってくる。そして、その中から俺達と同じようか格好をした者達が下りてくる。降りてきた人数はおおよそだが五十人ほどのようだ。 
それを見つつ、トッポさんは遅かったかと言いつつ、少し大きめな馬車の方を向くと同時に、 
「ウヲンゴいるんだろ、お前何を考えている。」そう叫ぶと、見たことのある人ギルド職員のザギーと一緒にちょっと他の者よりいい装備をしている男が出てくる。ザギーも一緒に下りてきたのを見たトッポさんも驚愕する。 
「何を考えてるって、そりゃあ簡単な事だよ、教育だよ。俺様の邪魔をした奴へのな。」そう言うとがっはははと笑う。笑いが終わると同時に、ザギーなぜおまえも一緒なんだとトッポさんが言うと、ザギーが答える。 
「すいませんね、ウヲンゴさんからの教育の依頼を受けていたので、そのお手伝いですよ。それと、私が上に行くためですよ。」 
「ちぃ、ザギーてめぇ」そう言うとぐっとこぶしを握る。俺達はそのやり取りで何となく理解する。ショウ達の誘拐、そして今回の事は繋がっていることを。 
「トッポさん、情報が無かった言うのはこういう事だったからなんですね。」 
「ああ、どうやらそのようだ。すまないな、お前さん達を巻き込んでしまって。それと教育と言っているが、あれは始末するっていう意味だからな。」 
「分かりました、なんにせよ、生きて帰るには返り討ちにしないといけないってことですよね。」 
「だね。」「ああ、そうだな。」そう話していると、 
「何をこそこそ話てやがる、命乞いの相談か、まぁダメだけどな。」とにやけた顔で言ってくる。 
「ふん、やらなけりゃよかったと逆に後悔させてやる。」そうトッポさんが言い返す。 
「よーいうた、じわじわといたぶってやる。」 
「利久君、何か武器を持ってたら貸してくれないか、何も持ってなくてね。」そう言ってくるので、収納袋から片手剣を出し渡す。俺は槍を構える。亮は短剣を構え用心すると、 
一番前にいた三人組に命令を出し「おい、そこの三人お前ら遊んでやれ。」と命令を出すのであった、そして戦いが始まった。 
 三人に対し一対一の戦いになるがやはりランクの違いがはっきりしていたため、トッポさん二回ほど打ち合っただけで気絶させる。亮同じように素早く近づき気絶させる。俺も同じ様に石突きをして気絶させる。あっという間に終わったのが、癪に障ったのか今度は五人で囲んでくるが、同じ様に倒していく。 

《ビリーの動き》 
 ルラとわかれたビリーはウエストフォール商会に向かい中に入ると、「いっらしゃいませ」と声がかかり、ビリーは走ってきたせいで息を切らしておりすぐに返事が出来なかったので、女の子が近づいてきて、 
「今日はどういったご用事でしょうか?」と聞いてくるので、息を整えて 
「俺はビリーと言うものだが、ここに蒼空さんがいるかな?いないとしても、ギャリソンさんはいるだろうか?」 
「蒼空さんもしくはギャリソンですね、どういったご用事でしょうか?」 
「ああ、実はこちらの蒼空さんの弟さん達の命にかかわる事なんだが「利久君と亮君に」」 
「知っているなら話は早い、取り次いでも貰いたい?」 
「分かりました、チャック急いでギャリソンを呼んできなさい。それと、蒼空さんに繋げる道具も併せて持って来るように」と命令された男の子が急いで移動していくのだった。 
「あなたは一体?」と聞くと、 
「申し遅れました、私はニナ・ウエストフォール、この商会の娘ですわ。」 
「そうだったんですね。とりあえず、ギャリソンさんが来られてから説明します。」そう答えると、別の女の子が冷たいみを持って来てくれたので飲みながら待つと奥から先程の男の子と一緒に男の人がやってくる。 
「お待たせしました、私がギャリソンです。利久さん達の事でお話があるとか」と言った所で、ここではなんですのでと言われ移動し今の状況を説明すると、 
「そうですか、それはちょっとまずいですね。その話からしますと今から急いで向かえばぎりぎりかすでに戦いが始まっているかもしれませんね。」 
「そうなのですね、ギャリソン」 
「はい、お嬢様、どんなに急いでも一時間はかかるかと思われます。しかし、このままだとしても時間は過ぎるだけですので、急いで私だけ向かいましょう。」 
「ええ、頼みましたよ。」と言われビリーの方を向き、 
「すいません、急がして申し訳ないが、着替えてきますのでビリーさんは馬の準備をお願い致します。費用は後になりますがお支払いいたしますので。」 
「ああ、支払いの事は気にしなくていい、一番早くて強いのを用意しておくよ。話は決まったようだから、急いで帰ります。」 
店の入口まで案内すると、急いで帰るビリーであった。 
「私も最低限の準備をして向かいます。」 
「ええ、私は蒼空さんに連絡を入れます。」 
そう言うと連絡を取り始める、ギャリソンも急いで着替えに行き向かうのであった。 

《ルラの動き》  
 戦いが始まる三〇分前になるが、拓馬たちの元へと向かっていたルラは予想道理だったので、その団体を見つけ近づいていくと、気が付いたのか、「おーい、どうしたんだ。」拓馬が手を振りつつ呼び掛けてくるので、急いで合流し緊急な事だと言うと、ギルマスのフェアがそこで一旦停止してくれたので、フェアと琢磨達とウヲンゴのグループリーダーのアダーにルラがこれまでのいきさつや今の状況を話すと、その場が一気に緊張に包まれる。そして 
「トッポから誘拐事件の事は聞いていて事なきを得て終わっていたと思っていたが、まだ終わっていなかったとはね。」とギルマスのフェアが右手を見て答えると、次に発言したのが、 
「ギルマスすまない、俺の監督不行き届きでこんなことになって、しかし、ウヲンゴお前は虎のしっぽを踏んだようだな。同情はしないし、関わった奴は粛清だな。」アダーが答える。そして 
「はっはっは、あいつらは面白いことに首を突っ込んでいるな。」と琢磨は面白そうに言うと同時にゴンと言った音がする。どうやら殴られたようだ、その殴った者を見ると、 
「琢磨、何をばかなことを言っているの。早くしないと殺されるちゃうでしょうが。」と言ってゆうなが琢磨を冷たく見ている。 
「ああ、すまん、すまん。これくらいは切り抜けてほしいなと思ったからだが、急がないとな。」そう言い返しつつ、ルラの方を向き、 
「それで、ルラ、時間的にどんななんだ?」 
「ああ、場所はおそらくこっから徒歩で二時間位かかる草原だと思うよ。見張り台に行って帰ってきているころあいだと思うからね。」 
「そうか、馬で行ったとしても一時間はかかるか、だが、どのタイミングでやってるかで今から行っても間に合うかもしれんな。」そう言うと 
「ああ、今からでも向かおう。現場を抑えたなら言い訳はできん。」アダーが同調する。 
「分かった、今からでも向かってくれ、ただ琢磨達全員行かれるとちょっと困るがな。」 
「そうだな時間がないし、護衛もいるだろうから、おし、利久達のとこに行くのは俺とゆうなと雄一の三人で行こう。すまないが、ルラは護衛として急だが手伝ってくれるか?」 
「ああ、いいよ。」 
「と、いう事だ、フェアさんいいかな?」相当と問題ないと返事があったので、五人は急いで向かうのであった。 

 時間を戻し、今利久達はウヲンゴがちまちまと攻撃させてくれていたおかげで、五分の一ほど倒したが、ほとんど無傷であった、その状況に、ウヲンゴはイライラが募って来たのか仲間に対し何故あんな小僧をやれないんだと喚き散らしている。 
「よし、この隙に少しずつ移動し都市に近づいて行こう。」とトッポさんが話しかけてくる、さりげなく分からないように移動するが、ザギーに分かってしまったのか、 
「ウヲンゴさん、あいつ等さりげなく下がってますよ。逃げられたら困るから囲みましょう。」 
「なに、そうか、おいあいつらが逃げられないように囲め、それともう一斉にかかって行け。」 
残りのメンバーはウヲンゴに言われるまま俺達を囲み、攻撃が始まる。 
「くそ、もうこうなったら手加減なんかしてる暇はない。」そうトッポさんが言う。俺達は頷き再度構え直し周りを見る。 
その様子を見たウヲンゴは、優越に浸りながら報奨を出すからやってしまえと号令を出す。その号令を聞いて、歯向かったのが運の突きだなと叫びながら攻撃してくるので容赦なく倒していく、馬鹿がと言いつつ腕を斬り裂いていく、亮は闇の魔法と短剣の二刀流を駆使して両腕を切り裂き戦えなくする。俺は二段突きを中心に足を切りき薙ぎ払って吹っ飛ばす。そんななこんなで立ち位置を変えながら戦っては行くが、魔法での攻撃も混ざり始め切り傷が増えていく。火系の魔法は仲間にも被害が出るとわかっているせいか、風の魔法もしくは土の魔法が来るので避けるが完全には躱せない。ただ、防御の魔法で軽減できているのが救いと言った感じではある。その間もウヲンゴのうるさい叫びが聞こえてる。さりげなくザギーも攻撃に混ざっており、特にトッポさんを標的にしているようであった。やはり多勢に無勢の違いがあり徐々に疲弊していくのであった。 
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