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「おしりフリフリふふふんふんふん♪♪」


ぷりぷりフリフリしながらテシテシと歩く子狸。

ご機嫌な事を隠したいのか何もなかった様にテシテシと歩きたいのだろうと思われる。

本人は隠せてるつもりらしいので突っ込みはしないけど

後ろから見ていてついつい口から漏れた小さな鼻歌に

赤ちゃん組が反応して皆で歌いながら歩く結果になりました。

自分の事からきた歌とは思ってないセイさんは
赤ちゃん組の可愛い姿を見ながらにこやかにイケボで歌います。


子供達の

「おちいぷりふり……♪」
とか
「お~ちぷ~ぷい……♪♪」
とかの可愛い歌声の中に
イケボの
「おしりフリフリ……♪」


何かいけないものを聞いている気になるのは今は私だけ…

悶絶モノの可愛い姿と歌声も
可愛い後ろ姿にすこぶる犯罪臭がしそうな感が出ているイケボな歌声も……

我が親友も
その娘や侍女さんも
今は居ない……

この場に誰か共感者が今スグ欲しい!

カンバ~っく我が親友!



ついさっき帰って行った人達が戻って来る訳もなく

私達は歌いながら地下の果樹園からミニ泉までお散歩中です。


夜まで待てないセイさんの希望に応えて先に見学がてらのお散歩をしてお腹を空かせようと行動しました。

さっきまでダラダラ昼食からの~ダラダラおやつをしてたので運動しないと
赤ちゃん組がね?

私達だけなら適当に時間をずらしたり
ツマミ程度で晩酌だけとかでもオッケーだけど

2人はまだまだコレから成長するんだからチャントしたご飯にしないとね?

我が家は赤ちゃん組の子供中心に回っております!

地下のミニ泉までの距離でも2人には結構な距離だから
イイ運動にもなるし
私の運動不足にも丁度イイ距離なんですよコレが。

セイさんは果樹園を見て
「家の地下にあるのは便利だな…」
とか
泉を見て
「城の地下に泉は…」
とかブツブツ言ってたけど
ソレは無理だからね!

「セイさん、城の地下には無理だから!大騒ぎになるから止めて?」

今にも他のチビ王達を誘って城の地下に作ろうかという思考になっていたセイさんを説得すれば

「ならば私もココに住む」

等と言い出す始末。

「今までも夜は聖域の寝床に帰っていたので何も問題無い。」


いや、問題無いけど…

ソレなら城の地下に…

と一瞬思ったが

ウチの地下施設は皆の力を使って出来たので当然皆が作る事になる。

聖の力のみで作ったと説明しても誰もが無理だと分かっている為誤魔化せない、

萌ちゃんには聖の加護

私には闇との契約と光の加護があると公表する予定であり

その他の加護がある事は隠す予定になっているハズ。

一般的に建物だけなら
地の属性があれば出来るらしいが

自然が関係する施設(泉)等は
地に水、光は最低でも必要で

ウチの様に完璧仕様にするなら
闇も必要だし、

温泉なら火も必要との事。

あと、

当然自然感をだすなら風も必要になるので皆が関係してくるのだ
コレに聖が加われば
その場は聖域となる。

ウチのミニ泉も簡易聖域だったハズ?

ウチは普通の属性の力ではなく精霊王の力であり、
ソレゾレが少なからず全属性を扱える王なので聖の力を出し合い簡易版が可能になってるのだとか。

今日のお散歩でしっかりセイさんの力を加えているので
最早簡易版ではなく
れっきとした聖域になってると…

!!!

既に精霊や妖精達には通達したらしく
❴温泉聖域❵
という名前で呼ばれる事になったと…


いつの間に…

元々チビ王達が居るし他のコ達もチョコチョコ来てるし

態々聖域に帰らなくてよくする為の簡易版だったから

正式に聖域になっても変わらないといえば変わらないんだけど…

「又、国王と宰相さんが苦笑いするのが決定だね……」

セイさんの加護の事は黙っておこうかな?

「あぁ…」

和美達が知ってるからもう無理だ…

帰る前に口止めしとけば良かった~!


…じゃなくて、

そんな感じで公表しないつもりの属性を使って作ったらおかしな事になるので城に作るのは却下な訳です。

精霊王以外のコ達で作るには上級のコ達が複数人必要で
今この国に居る上級のコ達の数とあわないって、

辻褄合わせが大変過ぎるし明らかに怪しくなるので城には作らない事にして下さい!


そもそも寝に帰る場は城では無いのでウチで問題無なのね?


聖域の寝床に帰るのもココに帰るのも手間は変わない、

なら

賑やかなウチが良かったと…


…そんな事を言われれば

寂しかったんだろうと分かっているのに否とは言えない!

「セイさんも今日からウチの家族です!」

って

即答しちゃった私は悪くないよね?

チビ王達がニヤニヤ見てきたけど
騙されてないよね?

「寂しかったんだろう事は本当の事だけど素直に話せば真由美は歓迎すると思って助言はしたわよ?」

隠し事の出来ないピーちゃんに聞くとそんな言葉が!

ま、まぁ、

驚いただけでセイさんがウチの一員になるのは全然問題ないよ?

萌ちゃんの加護や守護は今まで通りらしいし、
どうかしたらパワーアップしてるからソレで十分だと思うしね?


加護を与えたからって
べったり四六時中守らないといけないなんておかしな事だしさぁ?

そんな事を言われたのは初めてだと

嬉しそうに笑うセイさんは
すでに威厳感もなく
とても可愛い子狸にしか見えない我が家の家族になりました!

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