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「真由実、小さい好き…」

レオナルドさんが遠くを見つめているのを引き戻そうと
声を賭けようとしたところで

闇の王が呟く。

私、小さい好きと…


小さい……好き……

小さいのが好き?

何の小さいの?

目の前に居るレオナルドさんは背が高いので

小さいとは言えない。

なら何?

それに好きって…

お菓子?

今お菓子の話はしないだろう。

この場に私の好きなものは…


ムギちゃんとミルちゃんか!

2人は小さいし、

確かに好き、大好きです♡

闇の王も2人を見てるわ。

「そうですね。

確かに2人に小さいですし

大好きですね。

でも、突然どうしたんですか?」


「真由実、小さい好き、

小さいと契約する。

なら闇も小さくなる」


そう言うと闇の王が光だし

光が収まるとムギちゃんと同じ位の大きさの

可愛い黒い子猫の姿があった。

子猫は首を傾げてエアにゃ~んをしながら両手を上げて

抱っこをせがんでいる様子。

「か、かわいい…」

思わず手を出し抱き上げ
顔を近づけると

黒子猫に頬ずりされたので

笑み崩れながら頬ずりし返すと

子猫と私を光が包み出す。

「あ。」

身に覚えがある感覚がして
光が収まると

腕の中の子猫がドヤ顔をしている。

「コレで闇も契約した、

真由実、名前が欲しい。」


やられた!!!

さっきのエアにゃ~んは

声を出したら誤魔化せないからか!

あまりの可愛いさに

つい抱っこをしてしまった~!

こんなに可愛い子猫に頬ずりされたら頬ずりするでしょうよ~!

頬ずりで契約なんて出来るの?

うどんもうどん出汁も食べさせてないよ?


「あ~!ズルい!
闇のだけ契約なんて!

小さいのが好きなら私も小さくなる!」

今度は風の王が光だし光が収まると綺麗な色の小鳥が居た。

風の王が小さくなると同時に他の王も小さくなり

光の王はそのままの姿のミニチュアになり

水の王はクリオネ?の様な姿に

地の王はモグラの姿。

火の王は真っ赤な赤ちゃんドラゴン?の姿になっていた。

精霊や精霊王との契約は

テイムとは違うので

お互いに同意して触れ合えさえすれば成立するらしい。

成立した後でも片方が強く拒否すれば解除できるとか。

「解除したい?」

くっ…

子猫姿でのその質問は反則です!

悲しそうにお目々うるうるで聞かれれば

ハイとは言えないです。

「いやぁ…じゃないですよ?

今回闇の王とは契約してしまったのでそのまま継続しますけど、

もうしませんからね!」

皆可愛らしい姿になっていますが

レオナルドさんには見えてません。

動物や魔獣の姿になれば許可すれば見られる様になるだろうとの事でしたが

王達は許可してないので見れないままです。

声も聞こえてないのでこの場に居るのは

私に加護を授けたという光と闇の王だけだと思っています。

今回光と闇にしたのは

私のスキルにある

回復魔術は適応するのが光だけで、

空間魔術には闇と光が適応するかららしいです。

2つ共珍しい属性で

特に回復魔術には聖と光しか適応しないので

加護がある様にしておいた方が良いとなったそうです。

その辺は皆にお任せして決まりました。



因みに聖女様には

聖の王の加護がついてる様ですが

もらってる本人はレオナルドさんといっしょで

精霊の姿や声は認識出来無いタイプで聖の王も契約はしていないとの事でした。


他の王がブーブー言ってますが

私が拒否していたら勝手に契約になる事は

次からはないらしいので

強い心で拒否しておきます。

例え赤ちゃんドラゴンのお目々うるうるでも

小さなモグラくんのつぶらなお目々がうるうるでも

撫で撫でや頬ずりする事は大歓迎ですが

過剰になりすぎる契約は1人で十分です。

皆もブーブー言いながら

今回は闇の王に譲ると苦笑いしてました。

「こいつがこんな行動するとはおもわなかったからな!」

皆も

うんうん頷きます。

「名前…」

今だに私の腕の中にいる闇の王…いや、子猫ちゃん。

安直にクロにしようかと思ったけど

ムギちゃんもミルちゃんも

うどん繋がりで考えたので

猫ちゃんにも
考えた名前にします。

うどん関係で黒といえば醤油。


濃口、薄口、かけ、つけ、

白、再仕込み、出汁醤油…

…白以外全然名前らしくない。

本搾り、本醸造、生、たまり、

……たまり!

「タマリなんてどうですか?

元の世界で江戸時代という古い時代からあるその時代でもっとも主流な製造方の名なのですが

闇の魔術は私のスキルの主要に関わる属性ですし

今の姿にもあうと思うのですが?」

うどんに関わる醤油。

たまり醤油は江戸時代までは主流だったはず。

闇の属性は

私のスキルである召喚、収納、契約等

主なスキルに関わるので

とてもマッチしていると思いました。

闇の王も気に入った様ですし

他の皆も頷いていています。

「今から タマリ。」

私の腕にスリスリするタマリにムギちゃんとミルちゃんが
寄り添い

ご挨拶のスリスリぷるぷるの三重奏です♡

「か、可愛いが、過ぎる…」

腰砕けになりそうだが

3人を落とす訳にはいかないので耐えましたとも!

闇の王 改めタマリちゃんは

子猫の姿の方が素直で感情豊かになるようで

自分もちゃん付けが良いと可愛くおねだりしてきて

皆を驚かせてくれました。

本来なら凄い存在なのに

こんなに可愛くおねだりされたら

誰も否とは言えないですよね~!

タマリちゃんも分かってやっているのか

子猫の首を傾げて上目遣いは
タマリちゃんの必殺技に加わりました♡



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