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しおりを挟む〚いや~、おべと、つくるの~!〛
と朝からご機嫌斜めなムギちゃんです。
約束していたお昼ご飯はお弁当じゃなくて鍋焼うどんにしようと提案したのですが、
一緒に作るのを楽しみにしていた様でイヤイヤ攻撃をされてしまいました。
コレはコレで可愛いのですがソロソロ泣きそうですのでご機嫌を直して貰う事にしましょう。
「ごめんね、ムギちゃん。
じゃぁ、お弁当じゃなくて今から朝ご飯を一緒に作って食べましょう?
それにお昼も泉の前で一緒に作って食べましょう?
それならイイ?」
多分この子は一緒に作る事を楽しみにしてくれていたのだろうなと
提案してみればご機嫌はすっかり良くなりました。
〚うん!ままだいつき~!いっちょにする~!〛
ほらっ、可愛い
だいつきも頂きました。
そんな可愛いムギちゃんと一緒に簡単なフレンチトーストを作って
(ムギちゃんは卵液に砂糖と牛乳を入れるのと混ぜるのを魔法でお手伝いしてくれました)
楽しく頂き、一緒にお片づけをして
(洗ったお皿を魔法で乾かすのがムギちゃんのお手伝いです)
いざ、泉に出発です。
泉は前回お弁当を食べた果樹園のさらに奥へと進んだ所にありました。
果樹園から5分程でしょうか?
とても綺麗な湧き水で出来た泉で
学校のプール位の大きさ。
中心には小さな丘?
の様な陸地に
まだ成長しきれていない若木が生えていました。
「綺麗…」
周りの木々の間からしっかりと光と受け若木も水面もキラキラと輝いています。
心地よい風も澄んだ空気も、
コノ場所が精霊達の憩いの場なのだと物語っている様で思わず呟いてしまいました。
いつまで眺めて要られる景色で
ココを自分達だけが貸し切り
しかもキャンプなどしようとしているのが申し訳なく思います。
が、
折角なので楽しみましょう!
(一応私の土地ですしね?)
「今日は1日ココでキャンプを楽しみたいと思います。
騒がしいかもしれませんが宜しくお願いします」
誰か居る訳ではないですが、
なんとなく精霊さん達が居る気がして
挨拶をしたくなり泉の中心の若木に向かって微笑んでしまいました。
ムギちゃんも肩で静かに私の挨拶を聞いてくれてます。
「では、早速魔導車から出しましょう!」
改造したといっても見た目はただの車です。
後方のスライドドアを空たままにしても雰囲気は出ません。
「流石にキャンプ用品は買った事は無かったので今一雰囲気が出ませんね~」
中の性能というか使い心地を確認すれば良いだけなのですが、
折角なのでキャンプ気分を味わいたいじゃないですか?
という事で昔お店の同僚(男)が釣りに嵌まっていたのを思い出し、
業者が良いなら他の人が持ち込んだのも良いのでは?
と気づき召喚してみて無事成功したパイプ椅子?
(座る所がナイロンの様な布地)
折り畳みのパイプ机?
(釣った魚の血抜きや下処理を完璧にしたいから小さいまな板を置けて捌くとか言ってたが結局邪魔で使わなかった物)
それから別の従業員が新調したと買って来ていたレジャーシート、
緊急時用にと買っていたラジオ付ランタンタイプのLEDライトを思い浮かべれば召喚出来ました。
キャンプの雰囲気ならパイプ椅子の方ですが
レジャーシートがあるならムギちゃんもいるしゆったりできる様にしたいのでレジャーシートを敷きます。
車のドアは
運転席の後ろ側のドアを開けたままにしてシートの上からそのまま社内に入れる様に車に添わせます。
バックから移動販売用に作ったカウンター机を出しシートの際に設置して壁役兼棚役にもなってもらいましょう。
あとは少し大きくなりますがお店の座敷席で使っていた一番小さい4人用の卓上机を出し中央にランタン型ライトを置き
クッションを3つ程出せば
「おおっ!中々なお部屋?になりました!」
ちょつとした青空リビングになりましたが雨は大丈夫ですよね?
まぁ今は雲一つない青空ですし万が一雨が降ったら即収納するから大丈夫でしょう。
一応パイプ椅子も出して車側に置いて大きなクッションを立てかければ立派な背もたれになりました。
カウンターにケトルを出してカップを召喚し、
お皿にお菓子を並べてお茶を飲み
ちょっとひと休憩をしたら
ムギちゃんと泉の周りをお散歩します。
机の上のお菓子はそのままで
新しく緑茶を入れてこの前調子にノッテ作ったミニチュア湯呑みに注いでおきます。
「この国ではめずらしいお茶なので良かったらどうぞ。」
守護獣のムギちゃんが飲み食いするので精霊さん達もするかもと思い居ない間にどうぞと置いて行きました。
泉の水はとても澄んでいて泳ぐ魚もしっかり見えました。
水遊びには少々冷たすぎたので今回は見送りもっと暑くなったら遊びましょうとお約束。
(夏の様な季節があるのは確認済)
泉の周りをグルっと回ったらソロソロ車に戻って鍋焼うどんを作って食べましょう!
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