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ベトナム3日・カンボジア11日滞在編

ルウィン先生のひとこと

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 さて、灯枇あけびが参加したInternational Internshipに話を戻そう。

当初の予定では、2週間カンボジアに滞在するはずだった。が、海外経験者メンバー達が見事ネット検索で見つけ出した、比較的安い海外航空券は、ベトナムに3日間ストップオーバーできたのだ。

よって、ベトナムの中華街にあるホテルに宿泊し、ホーチミン観光もすることと相成った。

その海外渡航の前段階として、何度か親睦会という名の呑み会があった。参加者はInternational Internshipの関係者であるからして、様々に便宜を図って下さった韓教授も、ある時1次会へ参加していた。

 韓教授は、まあ仮名からもお分かりのとおり、韓国人である。
大学生頃には灯枇あけびの厨二病も鎮静化し、韓先生個人に対して何か思う所は全くなかった。

それに学園大ではそもそも、ネットde真実(笑)という風潮が、教授・学生共にあり、特に何かしらのレポートで、Wikipedia等を参考文献リストに加えることは恥だった。少なくとも先生方は全くいい顔をしなかった。


 それはさておき、1次会のみ参加した韓教授は、その席でしたたかに酔っぱらった。先生が陽気で饒舌なのは通常運転だが、その時は普段の倍以上にそうだった。

韓先生のお話しは、たしか東南アジアのどこかに、先生がたまたま知り合った韓国人が経営するロッジか何かがあり、韓先生の口利きがあれば格安で泊まれるとの内容だった。

他にも今度、韓先生の引率で、格安韓国旅行にみんなで行こう! というお誘いもあった。

韓先生は1次会で帰って行き、2次会はBarに異動した。

1次会・2次会共に出席していた、International Internshipの引率教授であるルウィン先生は、韓先生が既に居ない席で、

「韓先生は良い韓国人だけど、韓先生の知り合いは悪い韓国人かも知れないから、捕まって売り飛ばされないようにしなくちゃいけませんね、ハッハッハー」

と、大笑いしながら仰った。灯枇あけびはそれを聞いて、目からウロコが落ちたようだった。


ミャンマー人教授のルウィン先生からすると、単なる酒の席の冗談だったのかも知れないが、なかなか示唆に富んだ発言ではなかろうか?


 なお、この2次会時刻は既に深夜を迎えており、スマホの電池切れを起こしていた灯枇あけびはまだ知る由もなかったが、その後帰宅すると家の前にパトカーが停まっていた。

灯枇あけびの姿をみとめた警察官は、何事も無くて良かったですね~と警察官を呼んだ母親に言いながら、灯枇あけびの指紋を採取した。


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