30 / 38
博愛 麗日
俺女とスイーツ(笑)
しおりを挟む
博愛 麗日と野々下 灯枇が知り合った場所は――これはもう確実に、放課後の図書室であろう。
放課後の図書室仲間の女子達には、アニメ趣味も多かった。彼女達の中には、そこから更に進んで、薔薇趣味に目覚める者も居た。ただ灯枇の場合は、最初は夢趣味に目覚めた。しかし時間が経つに従って、原作ストーリー設定との乖離にモヤモヤとして楽しめなくなり、そもそも薔薇趣味作品の方が圧倒的な二次創作人口を抱えているが故に、作品選択肢が多く、質も高いため薔薇趣味に転向した。
薔薇趣味的な、性的ファンタジーとしての男同士の関係も、受け入れていつの間にか慣れてしまえば、そちらの方が余程楽しく、心ときめかせる隠れた物語なのだ。
博愛 麗日もまた、薔薇趣味人の一人であったが、彼女は灯枇よりアニメ視聴歴が長く、「らき☆すた」や「涼宮ハルヒの憂鬱」、「けいおん!」にもハマり、本人曰くプリキュアシリーズも視聴していた。
美術同好会員の主な活動は、体育大会で教師やら来賓やらからの投票が行われる、パネル部門の絵のデザイン、及びパネル制作である。この競技・応援・パネルの三冠優勝を達成するためには欠かせない、そこそこ重要なパネル制作者は、赤団・白団・青団・黄団にそれぞれ割り振られた各クラスから一人二人選ばれる。この役目は美術同好会員の土壇場で、自ら立候補するし、そもそも自動的に割振られもする。
ちなみに普段の部活動は、気ままに駄弁りながらイラストを書いており、麗日は一度、同人ゲーム「東方Project」の巫女キャラクター、博麗 霊夢を描いていた事もあった。
その上、図書室仲間や麗日自身が所属する美術同好会のメンバー達と話す際限定で、一人称が「俺」であった。また、アニメ趣味とは全くの無関係に、ただ単にクラス内での立場が弱い彼女を平然と蔑ろにして気付きもしない、ごく一般的な趣味嗜好を持つ同級生の女子達を、影で「スイーツ(笑)」と呼んでいた。
この麗日ちゃん曰く、セーラー服のスカートは、毎日女装気分で着用しており、彼女自身、薔薇趣味ではあるのだが、それで抜く気持ちはよく分からないのだそうだった。彼女のアニメ趣味は結構なディープ度合いであり、毎回では無いが、地元のアニメイベントにも何度か売り子として顔を出していた。
灯枇は、たぶん最初に出掛けたアニメイベントで、たまたま麗日と顔を合わせ、軽く挨拶は交わしたものの、なかなか無礼な事に彼女から何も買わずにブース前を立ち去ろうとしたのだが、麗日は大変親切な事に、おそらくは彼女自身が描いた初音ミクのラミカを、灯枇にくれた。これは今でも灯枇が持っている。
またある時のアニメイベントでは、麗日ちゃんはゴスロリまでは行かないにしても、ちょっとしたゴシック系統のお洒落をしていた事もあった。
放課後の図書室仲間の女子達には、アニメ趣味も多かった。彼女達の中には、そこから更に進んで、薔薇趣味に目覚める者も居た。ただ灯枇の場合は、最初は夢趣味に目覚めた。しかし時間が経つに従って、原作ストーリー設定との乖離にモヤモヤとして楽しめなくなり、そもそも薔薇趣味作品の方が圧倒的な二次創作人口を抱えているが故に、作品選択肢が多く、質も高いため薔薇趣味に転向した。
薔薇趣味的な、性的ファンタジーとしての男同士の関係も、受け入れていつの間にか慣れてしまえば、そちらの方が余程楽しく、心ときめかせる隠れた物語なのだ。
博愛 麗日もまた、薔薇趣味人の一人であったが、彼女は灯枇よりアニメ視聴歴が長く、「らき☆すた」や「涼宮ハルヒの憂鬱」、「けいおん!」にもハマり、本人曰くプリキュアシリーズも視聴していた。
美術同好会員の主な活動は、体育大会で教師やら来賓やらからの投票が行われる、パネル部門の絵のデザイン、及びパネル制作である。この競技・応援・パネルの三冠優勝を達成するためには欠かせない、そこそこ重要なパネル制作者は、赤団・白団・青団・黄団にそれぞれ割り振られた各クラスから一人二人選ばれる。この役目は美術同好会員の土壇場で、自ら立候補するし、そもそも自動的に割振られもする。
ちなみに普段の部活動は、気ままに駄弁りながらイラストを書いており、麗日は一度、同人ゲーム「東方Project」の巫女キャラクター、博麗 霊夢を描いていた事もあった。
その上、図書室仲間や麗日自身が所属する美術同好会のメンバー達と話す際限定で、一人称が「俺」であった。また、アニメ趣味とは全くの無関係に、ただ単にクラス内での立場が弱い彼女を平然と蔑ろにして気付きもしない、ごく一般的な趣味嗜好を持つ同級生の女子達を、影で「スイーツ(笑)」と呼んでいた。
この麗日ちゃん曰く、セーラー服のスカートは、毎日女装気分で着用しており、彼女自身、薔薇趣味ではあるのだが、それで抜く気持ちはよく分からないのだそうだった。彼女のアニメ趣味は結構なディープ度合いであり、毎回では無いが、地元のアニメイベントにも何度か売り子として顔を出していた。
灯枇は、たぶん最初に出掛けたアニメイベントで、たまたま麗日と顔を合わせ、軽く挨拶は交わしたものの、なかなか無礼な事に彼女から何も買わずにブース前を立ち去ろうとしたのだが、麗日は大変親切な事に、おそらくは彼女自身が描いた初音ミクのラミカを、灯枇にくれた。これは今でも灯枇が持っている。
またある時のアニメイベントでは、麗日ちゃんはゴスロリまでは行かないにしても、ちょっとしたゴシック系統のお洒落をしていた事もあった。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる