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似非淑女的ペドファイルの従姉

野々下 灯枇の価値観形成

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 つまりは男子だからこそ、一般的な女子より更に、どこかに訴える事も、犯罪者に処罰を下す事も非常に困難だった美里君が、おそらく最後に期待したと思われる、たまたま廊下を通りかかった単なる知人・野々下 灯枇あけびの価値観では、美里君が部活動合宿で巻き込まれたトラブルというのは、灯枇あけびからすれば例え一瞬でも驚きの反応を示す事に値する、衝撃的なものだった。ちなみにその後美里君は、そのトラブルを笑い話のように片付けた。灯枇あけびも笑みを返してしまった……。


 けれども美里君のトラブルは、彼が男子だからと笑い者にされ、放置されてはいけないのだ。しかしながら2020年の今現在になっても、裁判制度の重要な証拠としてインタビュー作文が採用され続けている限り、現実の日本社会は架空の煽情漫画も真っ青の、刑法第177条犯罪者達がやったもん勝ちの楽園天国である。

 ところで野々下 灯枇あけびの価値観自体は非常に真っ当だが、E産婦人科病院の医者達の価値観からすれば、「今どき珍しい」程、ある種の潔癖さを有しているのは何故だろうか?


それは、家庭内の評価ではどう考えても今すぐ白犬タレントと交換すべき人物であるにも関わらず、似非えせ淑女的ペドファイルな姪っ子とは昔から親しい問題人物のせいである。

 誤解無きように書いておくと、いくら従姉に似非えせ淑女的ペドファイル疑惑があろうと、灯枇あけびだって流石に、不気味な二人に対して小説家の島崎藤村と、その姪・島崎こま子氏の様な関係性まで勘ぐっている訳では全く無い。

ただ一時期は転職先の東京で暮らしていた、もういい年した叔父と、やはりたまたま資格を活かして東京で働く姪が、わざわざ時間を合わせてまで一緒にどこぞの店で外食するのは、東京では一般的に見られる風景なのだろうか? でなければ、同じ似非えせ淑女的ペドファイル疑惑がある者達同士、余程気が合うからに違いない。


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