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異世界聖女と公爵の秘密の袋
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「ここはどこなのよっ!」
花房千鶴21歳、現在パジャマ代わりのスウェットの上下のみでべそをかきながらどこかの森を迷走中。
昨夜は普通にベッドで眠りに就いた筈だった。
なのに起きてみればなにここ屋久島ですかって聞きたくなるほどの巨大樹群。見たことのない花や草、虫。
少なくとも日本ではないのだろうが、外国だったとしても早くこの森を抜けて、どこか人里を探して保護してもらわないと!
その一心でかれこれ体感時間4時間は彷徨っている。
遠くから聞こえてきた水音を頼りになんとか川に辿りついた。
水は澄み、その流れは勢いが良かったため、寄生虫の可能性は低いほうだろうと思って喉を潤す。これがもし流れがない沼や湖だったら絶対出来なかった。
岩場にある一番大きな一枚岩の上に移動して一休みするつもりが、疲れていたのだろう、そのまま横になって寝入ってしまっていた。
***
「――――様、聖女様!」
声と揺さぶり。
まどろみの中から一気に引き上げられる。
はっとして目を開けると、青い瞳と視線がかちあい、驚きに息が一瞬詰まる。
「―――――ッ!!!」
「! ――――失礼を」
恐慌状態に陥った私の様子にその人は慌てて少し離れて様子を伺っているようだった。
驚きが一瞬で去って溺れかけた人が陸に上げられたが如く呼吸を取り戻すと、ゆるゆると起き上がると川の流れの音が耳朶を打った。
日が暮れて間もない時間のようだった。周囲の状況は――私は相変わらず岩場にいるらしい。
広い岩場の上、熱と光を頬に感じた。パチパチと木が燃えている――焚火が焚かれていた。起き上がったときに岩場についたはずの手はやわらかい敷物に触れている。周囲を見渡すと、何人かの大きな影。
そして一番近くに先程私を揺さぶった人が焚き火に照らされて浮かび上がっていた。
その人は男性だった。
アングロサクソンを思わせるくすんだ金髪、彫りの深い顔立ち。人に会えてよかった、と思ったが、その珍妙なその格好に首を傾げる。
まるで――
「中世ヨーロッパの騎士みたい…」
その人は、鈍い銀色の甲冑を着て剣を腰に差していたのである。映画の撮影でもしているのかって言うほどリアルな格好だった。コスプレではない、と直感的に思う。
甲冑は新しくなく、使い古されている実用感満載だったからだ。
「落ち着かれましたか、聖女様。それがしは――」
甲冑さんが何かを言いかけた時、風向きが不意に変わった。
焚き火の煙がこちらに向かって吹き付ける。
生まれて初めて体験する焚き火の煙たさに、私は咳き込んで這うようにして移動した。
「聖女殿、大丈夫ですかな?お気が付かれましたようで何より」
「――ヴェンリック公爵閣下!」
コツコツ、と岩を打ち付ける音とカシャカシャと金属の擦れるような音が近づいてくる。騎士が立ち上がって体の向きを変えて頭を垂れた。
私もそちらを見上げ、松明を持った騎士を数人後ろに従えたその人に目を見張る。
頭の上からつま先まで眺めた――これもまた、珍妙な格好だったからだ。
騎士に公爵閣下と呼ばれたその人物。
端正な顔立ちをしていた。
こちらはプラチナブロンドの髪に鮮やかな翠の瞳の美男子だった。だが血が通っているようなそれではなく、滑らかな陶器で作られた人形に近い、酷薄さを感じる氷のような印象を受ける。
ベレー帽を大きくしたような帽子を被り、ベルベットのような光沢のある上等な生地を使っているのだろう、身分が高いというのは分かった。袖がゆったりとした裾の長いマントのような羽織り物。その下には膝上ぐらいの丈のベスト? を着ていた。
しかし着目すべきは何と言ってもその美貌も何もかも台無しにするような下半身である。
タイツにちょうちんぶるまー。
しかも、ちょうちんぶるまーの股間部分が、何か別の素材で作られているのかもっこりと膨らんで強調されている。
なんて卑猥なファッションだろう、と思いながら騎士はと見ると、さっきは気が付かなかったがこいつも股間部分に銀色の張り型のようなものを付けていた。
おうじさまのようなちょうちんぶるまーだけどへんたいだ。へんたいだ。
へんたいだったらへんたいだ。きしもへんたいにちがいない。
思考停止した私に、その王子様然とした公爵閣下は「聖女殿をイスラーニア王の命によりお迎えに参りました」と微笑んで見せたようだ。
ようだ、というのはこの時私が股間しか見てなかったからである。
***
「私はギュスターヴ。ギュスターヴ=ジェド=フロワ=ラ=ヴェンリックと申します。イスラーニア王国にて公爵位を賜っております。どうぞお見知りおきを」
ヴェンリック公爵は慇懃にそう名乗った。さすがというか、貴族の名は長い。ギュスターヴしか覚えられなかった。ちなみに私を最初に揺さぶった騎士はオスト=マローと名乗った。
こちらもチヅル=ハナブサと申します、と名乗る。
彼らの説明するところによると、聖女は数百年に一度異世界よりこの世界に現れて天変地異や魔物の活性化を鎮める役目を持っているという。聖女の星、というものがあり、太陽とその星の巡り合わせの周期が数百年に一度どうたら~と言われたがさっぱり分からない。そもそも、今は疲労と空腹で頭が働かないのだ。
「あの、お話の腰を折るようですみませんが、こちらに放り出されてから何も食べていないのです。何か食べ物をいただけないでしょうか?」
私の懇願に公爵と騎士は顔を見合わせる。
「なんと、これは配慮が足りず申し訳御座いませぬ!しかし困りましたな、生憎手持ちの食料は…」
近くの村までご辛抱頂けますか、と騎士が言いかけたところに公爵がさえぎった。
「いや、それには及ばぬ。安心召されよ聖女殿、私が丁度干し肉を持っている」
ちょうちんぶるまー公爵はそう言うと、臍の下辺りに手を伸ばした。
例の股間のふくらみに入れてごそごそとして何か布で包まれたものを取り出してみせたのである。
公爵がその布を展開させると、中から干し肉が現れた。
ちょ、おま、それどっから出したぁッ!
「あの、今……どこからそれを?」
おもわず1オクターブ低くなった私の声。
ようやっとのことで疑問を絞りだすと、ヴェンリック公爵閣下はああ、と薄く笑った。
「チヅル殿は股袋(※1)をご存知ないのでしょうか?ハンカチや鍵、コインなど小さなものを持ち歩くのに使われますが…チヅル殿の世界にはございませんでしたか?」
「ええと、私の生まれ育った所では鞄、ポーチといったものを使いましたので…」
言葉を濁すと、おお、それは泥棒に遭いやすく不便でございますねと抜かした。死ね変態。
差し出されたままの干し肉に殺意が湧いたが、文化の違いだ、郷に入っては郷に従えと自分を宥める。
「あの、申し訳ないのですが、私は斎戒(※2)をしているため、肉は食べられないんです。ごめんなさい、せっかく下さったのに」
申し訳なさそうな顔を作って私はやんわりと干し肉を変態公爵に突き返すことに成功した。騎士が何を感動したのか、何と清らかな…! と声を上げる。ちげーよ、死ね。
どんな美貌であっても、男の股間で人肌にぬくもった食べ物なんて嫌過ぎる。
異世界に一人放り出されたショックは、貴族の股袋によって木っ端微塵に打ち砕かれていた。
結局何も食べられないまま騎士達の案内で林道まで運んでもらい、馬に揺られるまま私はぐったりと脱力する。
私の記念すべき異世界一日目。
それはこうして疲労と空腹を抱えたまま、股袋のカルチャーショックで終わったのであった。
***
【後書き】
(※1)コッドピースとも。中世の男性のズボンはファスナー部分全開の状態で着られていた。股間を隠すためその部分のみ布で覆っていたが、ある時職人さんがそこを袋状にすることを思いつき、ポケットとしても使われた。また、男性らしさを強調するため詰め物や装飾が施されたりした。ちなみにそこから果物など食べ物を出して人に勧めるのは無作法ではなかったらしい。
(※2)神聖な仕事に従事する人が、飲食や行動を慎んで心身を清めること。
花房千鶴21歳、現在パジャマ代わりのスウェットの上下のみでべそをかきながらどこかの森を迷走中。
昨夜は普通にベッドで眠りに就いた筈だった。
なのに起きてみればなにここ屋久島ですかって聞きたくなるほどの巨大樹群。見たことのない花や草、虫。
少なくとも日本ではないのだろうが、外国だったとしても早くこの森を抜けて、どこか人里を探して保護してもらわないと!
その一心でかれこれ体感時間4時間は彷徨っている。
遠くから聞こえてきた水音を頼りになんとか川に辿りついた。
水は澄み、その流れは勢いが良かったため、寄生虫の可能性は低いほうだろうと思って喉を潤す。これがもし流れがない沼や湖だったら絶対出来なかった。
岩場にある一番大きな一枚岩の上に移動して一休みするつもりが、疲れていたのだろう、そのまま横になって寝入ってしまっていた。
***
「――――様、聖女様!」
声と揺さぶり。
まどろみの中から一気に引き上げられる。
はっとして目を開けると、青い瞳と視線がかちあい、驚きに息が一瞬詰まる。
「―――――ッ!!!」
「! ――――失礼を」
恐慌状態に陥った私の様子にその人は慌てて少し離れて様子を伺っているようだった。
驚きが一瞬で去って溺れかけた人が陸に上げられたが如く呼吸を取り戻すと、ゆるゆると起き上がると川の流れの音が耳朶を打った。
日が暮れて間もない時間のようだった。周囲の状況は――私は相変わらず岩場にいるらしい。
広い岩場の上、熱と光を頬に感じた。パチパチと木が燃えている――焚火が焚かれていた。起き上がったときに岩場についたはずの手はやわらかい敷物に触れている。周囲を見渡すと、何人かの大きな影。
そして一番近くに先程私を揺さぶった人が焚き火に照らされて浮かび上がっていた。
その人は男性だった。
アングロサクソンを思わせるくすんだ金髪、彫りの深い顔立ち。人に会えてよかった、と思ったが、その珍妙なその格好に首を傾げる。
まるで――
「中世ヨーロッパの騎士みたい…」
その人は、鈍い銀色の甲冑を着て剣を腰に差していたのである。映画の撮影でもしているのかって言うほどリアルな格好だった。コスプレではない、と直感的に思う。
甲冑は新しくなく、使い古されている実用感満載だったからだ。
「落ち着かれましたか、聖女様。それがしは――」
甲冑さんが何かを言いかけた時、風向きが不意に変わった。
焚き火の煙がこちらに向かって吹き付ける。
生まれて初めて体験する焚き火の煙たさに、私は咳き込んで這うようにして移動した。
「聖女殿、大丈夫ですかな?お気が付かれましたようで何より」
「――ヴェンリック公爵閣下!」
コツコツ、と岩を打ち付ける音とカシャカシャと金属の擦れるような音が近づいてくる。騎士が立ち上がって体の向きを変えて頭を垂れた。
私もそちらを見上げ、松明を持った騎士を数人後ろに従えたその人に目を見張る。
頭の上からつま先まで眺めた――これもまた、珍妙な格好だったからだ。
騎士に公爵閣下と呼ばれたその人物。
端正な顔立ちをしていた。
こちらはプラチナブロンドの髪に鮮やかな翠の瞳の美男子だった。だが血が通っているようなそれではなく、滑らかな陶器で作られた人形に近い、酷薄さを感じる氷のような印象を受ける。
ベレー帽を大きくしたような帽子を被り、ベルベットのような光沢のある上等な生地を使っているのだろう、身分が高いというのは分かった。袖がゆったりとした裾の長いマントのような羽織り物。その下には膝上ぐらいの丈のベスト? を着ていた。
しかし着目すべきは何と言ってもその美貌も何もかも台無しにするような下半身である。
タイツにちょうちんぶるまー。
しかも、ちょうちんぶるまーの股間部分が、何か別の素材で作られているのかもっこりと膨らんで強調されている。
なんて卑猥なファッションだろう、と思いながら騎士はと見ると、さっきは気が付かなかったがこいつも股間部分に銀色の張り型のようなものを付けていた。
おうじさまのようなちょうちんぶるまーだけどへんたいだ。へんたいだ。
へんたいだったらへんたいだ。きしもへんたいにちがいない。
思考停止した私に、その王子様然とした公爵閣下は「聖女殿をイスラーニア王の命によりお迎えに参りました」と微笑んで見せたようだ。
ようだ、というのはこの時私が股間しか見てなかったからである。
***
「私はギュスターヴ。ギュスターヴ=ジェド=フロワ=ラ=ヴェンリックと申します。イスラーニア王国にて公爵位を賜っております。どうぞお見知りおきを」
ヴェンリック公爵は慇懃にそう名乗った。さすがというか、貴族の名は長い。ギュスターヴしか覚えられなかった。ちなみに私を最初に揺さぶった騎士はオスト=マローと名乗った。
こちらもチヅル=ハナブサと申します、と名乗る。
彼らの説明するところによると、聖女は数百年に一度異世界よりこの世界に現れて天変地異や魔物の活性化を鎮める役目を持っているという。聖女の星、というものがあり、太陽とその星の巡り合わせの周期が数百年に一度どうたら~と言われたがさっぱり分からない。そもそも、今は疲労と空腹で頭が働かないのだ。
「あの、お話の腰を折るようですみませんが、こちらに放り出されてから何も食べていないのです。何か食べ物をいただけないでしょうか?」
私の懇願に公爵と騎士は顔を見合わせる。
「なんと、これは配慮が足りず申し訳御座いませぬ!しかし困りましたな、生憎手持ちの食料は…」
近くの村までご辛抱頂けますか、と騎士が言いかけたところに公爵がさえぎった。
「いや、それには及ばぬ。安心召されよ聖女殿、私が丁度干し肉を持っている」
ちょうちんぶるまー公爵はそう言うと、臍の下辺りに手を伸ばした。
例の股間のふくらみに入れてごそごそとして何か布で包まれたものを取り出してみせたのである。
公爵がその布を展開させると、中から干し肉が現れた。
ちょ、おま、それどっから出したぁッ!
「あの、今……どこからそれを?」
おもわず1オクターブ低くなった私の声。
ようやっとのことで疑問を絞りだすと、ヴェンリック公爵閣下はああ、と薄く笑った。
「チヅル殿は股袋(※1)をご存知ないのでしょうか?ハンカチや鍵、コインなど小さなものを持ち歩くのに使われますが…チヅル殿の世界にはございませんでしたか?」
「ええと、私の生まれ育った所では鞄、ポーチといったものを使いましたので…」
言葉を濁すと、おお、それは泥棒に遭いやすく不便でございますねと抜かした。死ね変態。
差し出されたままの干し肉に殺意が湧いたが、文化の違いだ、郷に入っては郷に従えと自分を宥める。
「あの、申し訳ないのですが、私は斎戒(※2)をしているため、肉は食べられないんです。ごめんなさい、せっかく下さったのに」
申し訳なさそうな顔を作って私はやんわりと干し肉を変態公爵に突き返すことに成功した。騎士が何を感動したのか、何と清らかな…! と声を上げる。ちげーよ、死ね。
どんな美貌であっても、男の股間で人肌にぬくもった食べ物なんて嫌過ぎる。
異世界に一人放り出されたショックは、貴族の股袋によって木っ端微塵に打ち砕かれていた。
結局何も食べられないまま騎士達の案内で林道まで運んでもらい、馬に揺られるまま私はぐったりと脱力する。
私の記念すべき異世界一日目。
それはこうして疲労と空腹を抱えたまま、股袋のカルチャーショックで終わったのであった。
***
【後書き】
(※1)コッドピースとも。中世の男性のズボンはファスナー部分全開の状態で着られていた。股間を隠すためその部分のみ布で覆っていたが、ある時職人さんがそこを袋状にすることを思いつき、ポケットとしても使われた。また、男性らしさを強調するため詰め物や装飾が施されたりした。ちなみにそこから果物など食べ物を出して人に勧めるのは無作法ではなかったらしい。
(※2)神聖な仕事に従事する人が、飲食や行動を慎んで心身を清めること。
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