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鶏蛇竜のカール。
鶏蛇竜は暁を待つ。【49】
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『近々、アン様の婚約式が行われる。当家で盛大な宴が催されるであろう。狙われるとすれば、その時』
襲撃の起こる時期について、前脚はそう推測した。カールも同意見である。
『宴に乗じて襲撃、人質を取ろうって言う事ですかねー?』
首を傾げると、前脚は『理解が早くて助かる』と頷いた。
『だが、敵方の狙いはそれだけではない』
前脚曰く――硝石の製法を襲撃の黒幕ムーランス伯爵家に知られてしまえば、それを元に王家に告発され、キャンディ伯爵家は謀反を疑われることになる。
敵方にとって、この襲撃の成功はそれ程の価値があるのは間違いないのだ。
『特にマリー様が攫われたら非常に不味い』
と後ろ脚。前脚は『そこでお前なのだ、』とカールを見つめた。
『不幸中の幸いか、都合の良い事にお前は未だ猛牛とは和解出来ていない――それを利用する』
要は餌になってくれという事だ。
敵方に通じる振りをして、襲撃を誘導し、そこを一網打尽にする計画。
『成程……』
理に適っている。それに、このようなやり方こそ。
『蛇の本領ですねー』
そう皮肉気に言うと、前脚はお前にしか出来ぬことだと真っ直ぐな眼差しを向けて来た。
この信頼は裏切れないな、とカールは思う。ずるい目だ。
『カールの噂をそれとなくばら撒くのは『不死鳥の光』の構成員がやる。その後、仮初の任務を与えられ、猛牛と組む事になるだろう』
『彼には本当の事を知らせないんですかー?』
『ああ。敵を欺くには先ず味方から、というだろう? 猛牛には仮初の任務とは別に鶏蛇竜を信用出来るかどうか見定めよとの命令が下される。
カール、お前は周囲に人間が多い時を狙って盛大に仲違いしてみせるのだ』
『後で真実を知れば、あ奴にとっても良い薬になるだろう』
これを機に感情の制御と真実を見極める冷静さを学んで貰いたいところだ、と前脚。後ろ脚も頷いた。
『表向きの姿に騙されず、マリー様の真実を知った者は見習いでも少ない。
猛牛はこの屋敷に来て半年以上経つのに、未だ我らのことを強い癖に変わり者の姫君に仕える頭のおかしな兄弟だとしか思っておらぬ』
こちらにとっては好都合な訳だが、とニヤリと笑う後ろ脚。
ふと、ある疑問を感じたカールは馬兄弟を見つめた。
『もしや、この馬は先輩達が相手の油断を誘う為の擬態とか、ですかー?』
『いや、それは違う』
即答する前脚。『マリー様が望まれたのだ』
訊くんじゃなった――カールは後悔しつつ眉を八の字に下げる。
『ですよねー』
そんなやりとりを思い出しながら、カールは目の前で仏頂面をしている猛牛と魔猿にへらりと挨拶をした。
「初任務ですが、精一杯頑張りますー。宜しくお願いしますねー」
「……俺達は三度目だ」
「お前、内心俺達を倒したからって馬鹿にしているだろう? 調子に乗るなよ」
あの時は油断していたんだ、と顔を顰める猛牛。無能だった筈のカールに二人纏めて打ち負かされたことをそのように結論付けたのだろう。カールははいはい、と煽るように肩を竦めた。
勘に障ったのか、魔猿の眉間の皺が深くなる。
「任務の指揮は俺に任されている。馬兄弟がいつでも助けてくれるとは思わない事だ――行くぞ」
険悪な空気の中、三人はキャンディ伯爵家を出た。
調査に向かう場所は予めジルベリクに決められている。
最初に向かったのはキャンディ伯爵家から少し離れた集落の酒場。
馬で向かい、店に入ると中に居た男達の視線が一気にカール達に突き刺さった。
「いらっしゃい」
にこやかに客を迎える店主。
カール達が空いた席に座って酒を頼もうとすると、一人の男が声を掛けて来た。
「……見ねぇ顔だな。どこから来た?」
「どこから来ようが、俺達の事はあんたに関係ないだろう」
警戒の色を見せる猛牛。カールは猛牛を押しのけるように前に出ると、にこりと笑顔を浮かべた。
「すみません、この人人見知りなんですよー。初めまして、僕はカールって言います。普段はここら辺には来ないから見かけないのも仕方ないのかも知れないですねー」
僕達、キャンディ伯爵家で庭師として働いてましてーと周囲にも聞こえるように続ける。魔猿が「おい、勝手な真似をするな」と窘めるが、カールは聞こえない振りをした。
声を掛けて来た男は「キャンディ伯爵家か、凄ぇ所に勤めてんな!」と驚いたような顔になった。カールは「ええ、雇って貰えて本当に運が良かったですー」と頷く。
「いつもは近場で飲むんですけどー、新規開拓しようかなって。この店のお勧めありますかー?」
「ああ、それなら少々値が張るが珍しい酒があるぜ? 『獅子の乳』って言うんだが」
水で割ると白く濁る強い酒だと言う。
「ここの店主、引退してこの酒場を始めたんだが、以前あのキーマン商会で働いててな。その伝手で手に入るんだと」
キーマン商会と言えば、王都でも指折りの商会だ。確か、ルフナー子爵家がやっていると聞いたことが――。
そんなことを考えていると、突然カールの胸倉が掴まれた。
額に青筋を立てた猛牛が怒りの表情をこちらに向けている。
「おい、勝手に許しも無く俺達の事をべらべら喋るな! これだから蛇野郎は」
その剣幕に、男が顔を顰めた。
「待てよ、酔う前から穏やかじゃねぇな。こちとら最近余所者が多くて警戒してるんだ」
だからカールが名乗ったのは間違いじゃない、と言う。
「こちらも勤め先を知られて厄介な目に遭ったことがある。自分の職も口利きしてくれとかな。そもそもこの男は仕事に不真面目だ。その上口が軽いと来ては、貴族家に仕える使用人としては失格だ」
「確かに他家よりは多少良い給金だけど、そこまで警戒しなくてもいいと思いますけどねー」
たかが庭師、それほどの人物って訳でもないですよねーと続けると、猛牛はやっと胸倉から手を放した。
「……兎も角、俺達を差し置いて勝手な真似はするなよ」
「では、先輩達のお好きなようにー」
その後三人はそこに暫く滞在し、名物の酒を飲みつつ周囲に不審者が居ないか観察しつつ世間話をした。
時折店主や従業員にも声を掛け、情報収集に努めた後、屋敷に戻り魔猿が代表としてジルベリクに報告する。
今日は芳しい結果は得られなかった、と。
しかしカールは違った。
猛牛と魔猿は気付いていなかったようだが――じっとこちらを観察するように窺う気配があったのだ。
襲撃の起こる時期について、前脚はそう推測した。カールも同意見である。
『宴に乗じて襲撃、人質を取ろうって言う事ですかねー?』
首を傾げると、前脚は『理解が早くて助かる』と頷いた。
『だが、敵方の狙いはそれだけではない』
前脚曰く――硝石の製法を襲撃の黒幕ムーランス伯爵家に知られてしまえば、それを元に王家に告発され、キャンディ伯爵家は謀反を疑われることになる。
敵方にとって、この襲撃の成功はそれ程の価値があるのは間違いないのだ。
『特にマリー様が攫われたら非常に不味い』
と後ろ脚。前脚は『そこでお前なのだ、』とカールを見つめた。
『不幸中の幸いか、都合の良い事にお前は未だ猛牛とは和解出来ていない――それを利用する』
要は餌になってくれという事だ。
敵方に通じる振りをして、襲撃を誘導し、そこを一網打尽にする計画。
『成程……』
理に適っている。それに、このようなやり方こそ。
『蛇の本領ですねー』
そう皮肉気に言うと、前脚はお前にしか出来ぬことだと真っ直ぐな眼差しを向けて来た。
この信頼は裏切れないな、とカールは思う。ずるい目だ。
『カールの噂をそれとなくばら撒くのは『不死鳥の光』の構成員がやる。その後、仮初の任務を与えられ、猛牛と組む事になるだろう』
『彼には本当の事を知らせないんですかー?』
『ああ。敵を欺くには先ず味方から、というだろう? 猛牛には仮初の任務とは別に鶏蛇竜を信用出来るかどうか見定めよとの命令が下される。
カール、お前は周囲に人間が多い時を狙って盛大に仲違いしてみせるのだ』
『後で真実を知れば、あ奴にとっても良い薬になるだろう』
これを機に感情の制御と真実を見極める冷静さを学んで貰いたいところだ、と前脚。後ろ脚も頷いた。
『表向きの姿に騙されず、マリー様の真実を知った者は見習いでも少ない。
猛牛はこの屋敷に来て半年以上経つのに、未だ我らのことを強い癖に変わり者の姫君に仕える頭のおかしな兄弟だとしか思っておらぬ』
こちらにとっては好都合な訳だが、とニヤリと笑う後ろ脚。
ふと、ある疑問を感じたカールは馬兄弟を見つめた。
『もしや、この馬は先輩達が相手の油断を誘う為の擬態とか、ですかー?』
『いや、それは違う』
即答する前脚。『マリー様が望まれたのだ』
訊くんじゃなった――カールは後悔しつつ眉を八の字に下げる。
『ですよねー』
そんなやりとりを思い出しながら、カールは目の前で仏頂面をしている猛牛と魔猿にへらりと挨拶をした。
「初任務ですが、精一杯頑張りますー。宜しくお願いしますねー」
「……俺達は三度目だ」
「お前、内心俺達を倒したからって馬鹿にしているだろう? 調子に乗るなよ」
あの時は油断していたんだ、と顔を顰める猛牛。無能だった筈のカールに二人纏めて打ち負かされたことをそのように結論付けたのだろう。カールははいはい、と煽るように肩を竦めた。
勘に障ったのか、魔猿の眉間の皺が深くなる。
「任務の指揮は俺に任されている。馬兄弟がいつでも助けてくれるとは思わない事だ――行くぞ」
険悪な空気の中、三人はキャンディ伯爵家を出た。
調査に向かう場所は予めジルベリクに決められている。
最初に向かったのはキャンディ伯爵家から少し離れた集落の酒場。
馬で向かい、店に入ると中に居た男達の視線が一気にカール達に突き刺さった。
「いらっしゃい」
にこやかに客を迎える店主。
カール達が空いた席に座って酒を頼もうとすると、一人の男が声を掛けて来た。
「……見ねぇ顔だな。どこから来た?」
「どこから来ようが、俺達の事はあんたに関係ないだろう」
警戒の色を見せる猛牛。カールは猛牛を押しのけるように前に出ると、にこりと笑顔を浮かべた。
「すみません、この人人見知りなんですよー。初めまして、僕はカールって言います。普段はここら辺には来ないから見かけないのも仕方ないのかも知れないですねー」
僕達、キャンディ伯爵家で庭師として働いてましてーと周囲にも聞こえるように続ける。魔猿が「おい、勝手な真似をするな」と窘めるが、カールは聞こえない振りをした。
声を掛けて来た男は「キャンディ伯爵家か、凄ぇ所に勤めてんな!」と驚いたような顔になった。カールは「ええ、雇って貰えて本当に運が良かったですー」と頷く。
「いつもは近場で飲むんですけどー、新規開拓しようかなって。この店のお勧めありますかー?」
「ああ、それなら少々値が張るが珍しい酒があるぜ? 『獅子の乳』って言うんだが」
水で割ると白く濁る強い酒だと言う。
「ここの店主、引退してこの酒場を始めたんだが、以前あのキーマン商会で働いててな。その伝手で手に入るんだと」
キーマン商会と言えば、王都でも指折りの商会だ。確か、ルフナー子爵家がやっていると聞いたことが――。
そんなことを考えていると、突然カールの胸倉が掴まれた。
額に青筋を立てた猛牛が怒りの表情をこちらに向けている。
「おい、勝手に許しも無く俺達の事をべらべら喋るな! これだから蛇野郎は」
その剣幕に、男が顔を顰めた。
「待てよ、酔う前から穏やかじゃねぇな。こちとら最近余所者が多くて警戒してるんだ」
だからカールが名乗ったのは間違いじゃない、と言う。
「こちらも勤め先を知られて厄介な目に遭ったことがある。自分の職も口利きしてくれとかな。そもそもこの男は仕事に不真面目だ。その上口が軽いと来ては、貴族家に仕える使用人としては失格だ」
「確かに他家よりは多少良い給金だけど、そこまで警戒しなくてもいいと思いますけどねー」
たかが庭師、それほどの人物って訳でもないですよねーと続けると、猛牛はやっと胸倉から手を放した。
「……兎も角、俺達を差し置いて勝手な真似はするなよ」
「では、先輩達のお好きなようにー」
その後三人はそこに暫く滞在し、名物の酒を飲みつつ周囲に不審者が居ないか観察しつつ世間話をした。
時折店主や従業員にも声を掛け、情報収集に努めた後、屋敷に戻り魔猿が代表としてジルベリクに報告する。
今日は芳しい結果は得られなかった、と。
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