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前脚のヨハンと後ろ脚のシュテファン。
角馬達が翼を得るまで。【20】
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――来た。知らない言葉だ。神の知識が語られる。
ヨハンとシュテファンは頭を垂れ、神妙に畏まった。
この瞬間、姫の身体に神霊が降りて来られているのだ、と感じるようになっていたのである。
マリー様は説明を始める。
例えば小麦粉を少し体調を悪くする毒薬だと偽って飲ませると、信じ込んだ者は本当に体調不良を訴えるようになる、そのような現象が起こるのだと。
「大方、その武器軟膏とやらの仕組みも似たようなものであろうよ。
効かぬどころか毒になりかねない粗悪な軟膏を売る為に詐欺師がそのような事を言いだし世間に流布したに違いない。
毒になりかねないようなものなら塗らぬ方が治りが良いだろうからな。
それで前脚、お前に問う。詐欺師の言葉を信じるのか、それとも私の言葉を信じるのか」
「――マリー様の言葉を信じます!」
ヨハンは主と定めた姫の治療を受け入れ、信じる事にした。
マリー様はその返答に満足そうに頷く。
「うむ、それでよい」
そこへ、使用人が戻って来た。
マリー様が手を石鹸で洗おうとしたので、シュテファンが慌てて手伝いを申し出る。
主家の姫に手ずから手当をさせる訳にはいかない。
マリー様はあっさりと引き下がった。
シュテファンに石鹸で手を良く洗わせた後、掌を出させる。
テーブルの上に並べていた瓶を傾けて何かの液体をそこに出して手全体に塗り付けるように命じた。
「マリー様、これは? 何やら強い酒の匂いが……」
「蒸留酒を更に蒸留して強めたものだ。傷を清めて清潔にする為に使う」
今度は白い布を手に取って、強い蒸留酒を染みこませて絞る。
それを傷口に当て、血が止まるまで押さえているようにと命じた。痛みが走り、思わずヨハンは顔を顰める。
「沁みるが我慢しろよ、ヨハン」
そしてマリー様は匙を取り、それを暖炉の火で炙った後、瓶を開けてぐるぐるとかき混ぜ始めた。
それを見ていたジルベリクが恐る恐る問いかける。
「それは?」
「ああ、これは私特製の軟膏なのだ。蜜蝋とオリーブオイル、ラベンダー精油、ヨモギをペースト状にして煮詰めたものを混ぜて作らせた。ラベンダーもヨモギも傷に効く植物だ。変な物は入っていないぞ。少なくとも武器軟膏とやらよりは効くだろう」
単純な材料――それを聞いてジルベリクは安心したようだった。ヨハンも同じ気持ちである。
マリー様は血がある程度止まったところでヨハンを寝かせ、押さえていた布を外させる。そして軟膏をこんもりと傷の上に落とし、匙で広げて分厚く塗りたくった。
常識とは真逆のやり方に、ジルベリクとシュテファンは顔を見合わせる。他の面々も怪訝な表情だ。
「……流石に塗り過ぎでは」
「傷は出来る限り乾燥させるのが常識です」
「ところがそうでもない。私が知っているのはこうだ。不衛生な状態で潤い続ければ悪化する。しかし、清潔にしている限りは寧ろ潤いを与え続ける方が治癒には効果的だという事。
心配なら一日二日おき位にこの強い蒸留酒で拭いて傷を清め、軟膏を塗り直して様子を見てみよう。明日にでも追加の軟膏を作らせる事にするから。
さあ、後ろ脚。その油紙で軟膏の上を覆い、包帯を巻くのだ」
戸惑う兄弟とは裏腹に、自信たっぷりに言うマリー様。
このやり方はただ軟膏を塗って包帯を巻くよりも痛みが軽減されるし治りが早くなるとの事。
『湿潤療法』とか言うらしい。
シュテファンが言われた通りに処置をすると、姫はこれでよし、と頷いた。
軟膏の瓶や油紙等を片付けながら、薬を塗り直す手順についてくどくどと注意点を挙げながら説明していくマリー様。
曰く、
――汚れていないと思っても、見えない汚れが手についているので、薬を塗り直す時は必ず手を石鹸で洗って蒸留酒で清める事。石鹸で洗って蒸留酒で清めていない汚い手で傷を扱ってはならない。
――軟膏を混ぜたり塗ったりする時は直接触らずにマリー様がしたように匙を使う事。匙にも見えない汚れが付いているので、必ず軟膏に触れる部分は火で軽く炙って清めてから行う事。
――軟膏は油紙と傷が接触しないように厚く塗る事。油紙はその都度使い捨てる事。包帯もその都度交換、使用したものは水で煮て洗う事。
――ベッドの寝具も毎日交換する事。その手配はしておく。
……等々。
シュテファンが復唱すると、「分からない事があれば聞きに来るが良い」と言って薬箱をそのままに去って行った。
部屋には嵐が去ったような静けさが残る。
そこへ、呻くような山の民の言葉が響いた。
「『たまげた……』」
部屋の中の全員の視線が声の主に集中した。
雪山の男は目を開けており、今しがたマリー様の出て行った扉を見詰めている。
「『目覚めたか――命が惜しければ妙な真似はするなよ』」
隼のジルベリクが硬質な声で警告する。
雪熊氏族のアルトガルは、喉の奥から忍び笑いを響かせた。
「『妙な真似をしたくとも体がまだ自由に動かぬわ。それに、我輩は敗北した。
依頼主にも金子は前払いで頂いておるし、戦闘不能になった時点で依頼主への義理は果たしている。そもそもそのような契約であった。
お主らに敵対する理由は既に無い故、安心するが良い。それよりも、何故我輩を助けたのか』」
実際、ヨハンの吹矢の毒は抜けるのに少なくとも数日はかかる。体が自由に動かせないというのは嘘では無いだろう。敵意も見られない。
ヨハンは口を開いた。
「『雇われである事、また山の民を殺せば後々禍根が残る事を考慮して生かした。それに雪山の民についての情報も知りたかったからな』」
「『成る程、古の誼という訳か。それだけではあるまい、大方雪山の民を引き入れようとでも考えておるのだろう。だが一筋縄ではいかぬぞ』」
これまでも他国の貴族から召し抱える話は数多来たが、そのどれも断っている。雪山の民は傭兵として雇われはすれども誰かの下には付かぬ。誇り高く独立不羈なのだというアルトガル。
「『引き入れが叶わずとも、敵対せぬと約定を結べればと考えての事だ。目が覚めた事だし、早速我らが主君、キャンディ伯爵サイモン様と会って貰おうか』」
ジルベリクの合図でアルトガルは儘ならない体を支えられながら部屋を出て行った。
後で聞いた話だが、サイモン様の前に引っ立てられたアルトガルは、敵対しないと言った通り素直に尋問に応じたという。
サイモン様は、ヨハンが考えた通り、雪山の民にいたく興味を示されていたそうだ。
雇い主こそは吐かなかったが、雪山の民についてもそれなりに情報を提供したという。
雇われるか約定を結ぶかどうか等についてはアルトガルの一存では決められないとの返事だった。
「『どんな形にせよ雪山の民が誼を結ぶにあたり、閣下が信じるに値するかどうか、暫く滞在して見極めたい』」
そうしてアルトガルはキャンディ伯爵家に客分として逗留する事になったのである。
武器も取り上げた状態で、滅多な事は出来ないように監視付きという条件ではあったが。
ヨハンとシュテファンは頭を垂れ、神妙に畏まった。
この瞬間、姫の身体に神霊が降りて来られているのだ、と感じるようになっていたのである。
マリー様は説明を始める。
例えば小麦粉を少し体調を悪くする毒薬だと偽って飲ませると、信じ込んだ者は本当に体調不良を訴えるようになる、そのような現象が起こるのだと。
「大方、その武器軟膏とやらの仕組みも似たようなものであろうよ。
効かぬどころか毒になりかねない粗悪な軟膏を売る為に詐欺師がそのような事を言いだし世間に流布したに違いない。
毒になりかねないようなものなら塗らぬ方が治りが良いだろうからな。
それで前脚、お前に問う。詐欺師の言葉を信じるのか、それとも私の言葉を信じるのか」
「――マリー様の言葉を信じます!」
ヨハンは主と定めた姫の治療を受け入れ、信じる事にした。
マリー様はその返答に満足そうに頷く。
「うむ、それでよい」
そこへ、使用人が戻って来た。
マリー様が手を石鹸で洗おうとしたので、シュテファンが慌てて手伝いを申し出る。
主家の姫に手ずから手当をさせる訳にはいかない。
マリー様はあっさりと引き下がった。
シュテファンに石鹸で手を良く洗わせた後、掌を出させる。
テーブルの上に並べていた瓶を傾けて何かの液体をそこに出して手全体に塗り付けるように命じた。
「マリー様、これは? 何やら強い酒の匂いが……」
「蒸留酒を更に蒸留して強めたものだ。傷を清めて清潔にする為に使う」
今度は白い布を手に取って、強い蒸留酒を染みこませて絞る。
それを傷口に当て、血が止まるまで押さえているようにと命じた。痛みが走り、思わずヨハンは顔を顰める。
「沁みるが我慢しろよ、ヨハン」
そしてマリー様は匙を取り、それを暖炉の火で炙った後、瓶を開けてぐるぐるとかき混ぜ始めた。
それを見ていたジルベリクが恐る恐る問いかける。
「それは?」
「ああ、これは私特製の軟膏なのだ。蜜蝋とオリーブオイル、ラベンダー精油、ヨモギをペースト状にして煮詰めたものを混ぜて作らせた。ラベンダーもヨモギも傷に効く植物だ。変な物は入っていないぞ。少なくとも武器軟膏とやらよりは効くだろう」
単純な材料――それを聞いてジルベリクは安心したようだった。ヨハンも同じ気持ちである。
マリー様は血がある程度止まったところでヨハンを寝かせ、押さえていた布を外させる。そして軟膏をこんもりと傷の上に落とし、匙で広げて分厚く塗りたくった。
常識とは真逆のやり方に、ジルベリクとシュテファンは顔を見合わせる。他の面々も怪訝な表情だ。
「……流石に塗り過ぎでは」
「傷は出来る限り乾燥させるのが常識です」
「ところがそうでもない。私が知っているのはこうだ。不衛生な状態で潤い続ければ悪化する。しかし、清潔にしている限りは寧ろ潤いを与え続ける方が治癒には効果的だという事。
心配なら一日二日おき位にこの強い蒸留酒で拭いて傷を清め、軟膏を塗り直して様子を見てみよう。明日にでも追加の軟膏を作らせる事にするから。
さあ、後ろ脚。その油紙で軟膏の上を覆い、包帯を巻くのだ」
戸惑う兄弟とは裏腹に、自信たっぷりに言うマリー様。
このやり方はただ軟膏を塗って包帯を巻くよりも痛みが軽減されるし治りが早くなるとの事。
『湿潤療法』とか言うらしい。
シュテファンが言われた通りに処置をすると、姫はこれでよし、と頷いた。
軟膏の瓶や油紙等を片付けながら、薬を塗り直す手順についてくどくどと注意点を挙げながら説明していくマリー様。
曰く、
――汚れていないと思っても、見えない汚れが手についているので、薬を塗り直す時は必ず手を石鹸で洗って蒸留酒で清める事。石鹸で洗って蒸留酒で清めていない汚い手で傷を扱ってはならない。
――軟膏を混ぜたり塗ったりする時は直接触らずにマリー様がしたように匙を使う事。匙にも見えない汚れが付いているので、必ず軟膏に触れる部分は火で軽く炙って清めてから行う事。
――軟膏は油紙と傷が接触しないように厚く塗る事。油紙はその都度使い捨てる事。包帯もその都度交換、使用したものは水で煮て洗う事。
――ベッドの寝具も毎日交換する事。その手配はしておく。
……等々。
シュテファンが復唱すると、「分からない事があれば聞きに来るが良い」と言って薬箱をそのままに去って行った。
部屋には嵐が去ったような静けさが残る。
そこへ、呻くような山の民の言葉が響いた。
「『たまげた……』」
部屋の中の全員の視線が声の主に集中した。
雪山の男は目を開けており、今しがたマリー様の出て行った扉を見詰めている。
「『目覚めたか――命が惜しければ妙な真似はするなよ』」
隼のジルベリクが硬質な声で警告する。
雪熊氏族のアルトガルは、喉の奥から忍び笑いを響かせた。
「『妙な真似をしたくとも体がまだ自由に動かぬわ。それに、我輩は敗北した。
依頼主にも金子は前払いで頂いておるし、戦闘不能になった時点で依頼主への義理は果たしている。そもそもそのような契約であった。
お主らに敵対する理由は既に無い故、安心するが良い。それよりも、何故我輩を助けたのか』」
実際、ヨハンの吹矢の毒は抜けるのに少なくとも数日はかかる。体が自由に動かせないというのは嘘では無いだろう。敵意も見られない。
ヨハンは口を開いた。
「『雇われである事、また山の民を殺せば後々禍根が残る事を考慮して生かした。それに雪山の民についての情報も知りたかったからな』」
「『成る程、古の誼という訳か。それだけではあるまい、大方雪山の民を引き入れようとでも考えておるのだろう。だが一筋縄ではいかぬぞ』」
これまでも他国の貴族から召し抱える話は数多来たが、そのどれも断っている。雪山の民は傭兵として雇われはすれども誰かの下には付かぬ。誇り高く独立不羈なのだというアルトガル。
「『引き入れが叶わずとも、敵対せぬと約定を結べればと考えての事だ。目が覚めた事だし、早速我らが主君、キャンディ伯爵サイモン様と会って貰おうか』」
ジルベリクの合図でアルトガルは儘ならない体を支えられながら部屋を出て行った。
後で聞いた話だが、サイモン様の前に引っ立てられたアルトガルは、敵対しないと言った通り素直に尋問に応じたという。
サイモン様は、ヨハンが考えた通り、雪山の民にいたく興味を示されていたそうだ。
雇い主こそは吐かなかったが、雪山の民についてもそれなりに情報を提供したという。
雇われるか約定を結ぶかどうか等についてはアルトガルの一存では決められないとの返事だった。
「『どんな形にせよ雪山の民が誼を結ぶにあたり、閣下が信じるに値するかどうか、暫く滞在して見極めたい』」
そうしてアルトガルはキャンディ伯爵家に客分として逗留する事になったのである。
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