美少女かと思ったらおっさんで、イケメンかと思ったら仏像モドキで、異世界かと思ったら俺の家が異世界みたいになってた。

ＨＤＤ

　「そうね！認識して、同じものが作れるなら、どんなものかしら？」
　「遺伝子が同じで、本人の情報を書き込める…例えば、同じＨＤＤが遺伝情報で作れる、そのまっさらな本人と同じＨＤＤに、本人の情報を書き込めば、その認識について限ってなら、同じものが作れる…？」
　「そうね！他者が随分関わっていたわ。同じＨＤＤでいいわ！その同じＨＤＤが作れる者自体がそうは居ない。難しいもの。娘は…そうね…話が早く聞きたいのね。同じＨＤＤが作れるとしたら、どういう人間かしら？」　　
　「専門分野に長けた人間？」
　「そうね…方法はどうかしら？」
　「培養かな？皮膚の移植とか、漫画でよくある…」
　「医療関係者だったわ。培養はどうするのかしら？」
　「エネルギーを与える…」
　「そうね…後は…引っ張っているみたい…誕生するのはどうしてかしら？」
　「本人の無意識の分体…？」
　「そうね。酷似してるけれど、少し、ごく少しだったから、誤認識したのね…腹が立つわ…娘は…酷い目に合っていたわ。そうね、よく分からないわね。本人は、生意気だったから…」
　

　「貴方がずっと色々教えてあげていた彼の事よ。頑張る気はあるのだけど、上手くいかないのだわ…彼の事についてどう考えるかしら？」　　
　「…俺が、色々質問に答えた事があって、その後、娘が言い分をひっくり返した？」
　「そうね！あり得ないわ！悪意が無ければそんなの出来ない！こっちが必死なのに！」　　
　「娘には、本当に色々教え込んだ。俺が知ってる知識全てと言っていい。傲慢になっていたから、戒めたかった。」
　「そうね。悪用なんて、貴方は…私だって思いつかないわ。」
　「心理学、歴史、文化、社会…」
　「深い知識、対応力もね。」
　「だから、彼…というか、悪用するようなものでもないけど、心理学だけだって、悪用すれば、悪い結果になる。彼だけじゃなく、誰でも、手玉に取ろうとすれば、容易いと思う。」
　「どうやって、手玉にとるのかしら？」
　「例えば…占いとかでもそうだけど、当てはまってることを言われたら、段々信用して、覚えのないことでも、そうかもしれないって思ってしまう？」
　「例えば、どんなものかしら？」
　「俺がカウンセラーにされたことは、自信が無いことを肯定して欲しくて言ったんたけど、随分物好きなことしたんですね、みたいに言われて、少し目立つ服を着てたんだけど常識が無かったから悪かったんだって、自分がおかしいって怖くなった。他には、ニコニコして話を聞かれてるだけだけど、おかしいけど、可哀想だから、優しくしてあげる、助けてあげるみたいな、視線で見られて、自分が、なり損ないみたいで、惨めだった。」
　「それでいいわ！貴方だって辛い目に合ったのね。そんなこと貴方は絶対しないわ！貴方のもう一人の息子、結構鈍臭くて、イジメやらに合っていて、貴方が慰め…というか、発達障害があったのね。娘は、ＰＴＳＤ…」
　「そう…俺が虐待の影響で、高機能自閉症と、ptsdがあって、子供に遺伝した。確か、心の傷が遺伝することは証明はされてなかったと思うけど、子供にトラウマの経験がないにも関わらず、症状があった。病院にもあちこち連れて行ったし、本も読ませて、虐待防止プログラムやらも色々教え込んで、回復を終わらせた。専門家より余程、知識や能力は高いと思う。だから、娘がやったように、俺が…」　
　「偽物を貴方と思っているのよ！」
　「怖いな…俺が、深い知識と、能力で手玉に取ると、賢いからこそ怖いみたいな事は言われた。その時は、賢い人間はそんなつまらないことはしないって、否定した…」
　「そうね。娘は、自分で努力してないから、悪用出来たのよ！許せない！力を落としてるのね。やり切れない…そうね、今の気持ちを聞きたいそうよ…」
　「凄く、ショック…娘に知識を叩き込んだから悪いとか、また言われるのかな…心の傷が、分かってて…違う…自分が傷ついた経験がないから、そんな残酷な事が出来たんだ…遺伝だから、娘は酷い目に合った事がない！」
　「それは合ってるわ…敵は無神経なのよ…許せない…貴方は絶対、そんなことしないのに、泣いてるのね…ちょっと調べるわ…」