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無理ゲー

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 「貴方を恨みたい気持ちが止められないそうだわ!」
 「…」
 「ごめんなさい…どうしても知りたいそうよ。貴方を知ってる人だけど、現実を認める勇気が無いのよ…」
 「…人の話を聞かないのがデフォルトなのか、いや、使徒だってそうだったな…聞いてはいるけど、理解はしない、したくない、胡散臭い妄想でしか俺を捉えない。人は都合の悪い現実より、都合のいい妄想を信じるんだと、クソみたいな人生で分かった。恨みたいってのは前言った、親に虐待されたと信じたくないから、強盗に押し入られたと、すり替えて記憶してるってことじゃないのか?」
 「そうね!合っているわ!ごめんなさい…ヤマキのセリフも役に立つから、私以外誰も喋れないの…!」
 無理ゲーじゃないか…
 「それを利用して、ワクチンと抗体が作られてるんだろうけど、詳細が分からないから動きようがない…」
 「そうね!調べるわ!…何となくでもいいから、話してくれないかしら?!」
 「前言ったように、虐待を受けた恐怖について、大抵何があったのかはっきり自覚出来ない。それが、たまにフラッシュバックしたりするわけだけど、そのままの記憶じゃなく、例えば、海で溺れた、お化けに追い掛けられて逃げられないとか、恐怖心だけが、蘇って…」
 「何故かしら?」
 「虐待を受けた時点で、前言った、火事場の馬鹿力みたいに、多重人格…思考、感情がバラバラになるからじゃないかな。」
 「合っているわ!」
 「それで、前言った銀行強盗に監禁された者が愛されてるとすり替える話だけど、助けてくれる者が、自分に暴力を振るう者しか居ないから、加害者に助けを求める。怖いと、虐待した親に助けを求める。それで、怖い夢でも見たのねって親の嘘を信じる。そうしないと、力のないインナーチャイルドは、生きられないと感じるから。」
 「どうしてかしら?」
 「核が抜かれるとヨーデルの人が言っていたけど、花に雄しべと雌しべがあるように、生命は元々両性具有だ。それを、多様な能力を持たせる為に、俺が男女に分けただけだ。この辺は創世記だっけ、使徒が書き換えてるから、おかしな話になってるけど…」
 「そうね。貴方の魂を分けて、自分に似せて人類を作った、それを男女に分けた。それは、本当よ。書き換えたのも、使徒でいいわ。今は反省してるようだけど…」
 「対になってるものを、生き残る為に切り捨てる一時的な措置を常用してる。男性部分が、動的な役割を持っている。その男性部分が、インナーチャイルド、女性部分を見捨てて、自分だけが生き残ることを優先してる状態だから、感情や、痛みを置いてけぼりにされたまま、インナーチャイルドだけが苦しみ続けてる…のが、チョココロネウイルスで出る症状…」
 「そうね!」
 
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