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16.婚約破棄騒動2
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ところで、話題のランの君って誰ですかね。最近、婚約した人は私達だけではないと思いますが、念の為聞いてみましょう。それがきっかけで自分のことも話せるかもしれません。
「あの、ランの君ってどなたのことですか?」
三人が一斉にこちらを見ます。
アリツェが、にやっと笑ってわざとらしく扇を広げます。
「あら、いつもならこういう話には無関心なのに珍しいわね。リーディアも彼と踊りたかったの?」
うっ、痛い所を突かれました。確かにこの手の話題は今まで聞くだけでしたから。
「いえ、あの、そうではなくて、どなたのことかなあと純粋に興味を持っただけなのです。」
「いまさら?遅いわよ、リーディア・・・。いえ、貴方らしいというべきなのかしら。」
「ランの君はね、ラインハルト・ヴィリデ様という方の呼び名なのよ。誰が言い出したのかは私も知らないのだけど、彼の瞳の色が藍色だから藍の君。花の蘭のような気品と美しさがあるからという説もあるのだけどね。最初はこっそり内緒でお呼びしてたらしいのだけど、今では公称に近いわね。」
他にも芙蓉の君、紅の君などもおられると、ステラの説明を聞きながら、私はなんとも言えない気分になってきました。
やっぱりレイのことではないですか。藍の君と呼ばれて、夜会でいろんなご令嬢と踊っている様子を想像しただけで、全く知らない遠い存在の人になった気がしてきます。
大体、蘭のような気品と美しさって誰のことですか、私の知っている彼は花に例えるなら、温室で育てられる蘭というより、明るい太陽の下で咲いている花のイメージなのですが。
ちょうど良くレイの話題になったところで、婚約の件を言うべきなのですが、これ、言えます?
私、その話題の藍の君と婚約しました、と言ったら、どうなるのですかね?
しかし、言わねばなりません。今日、今、言わなければもっと言い難くなることくらい、私にも分かります。
よし、言いますよ!
「あの、実は私、」
三人が私が何を言い出すのかと、静かに待っていてくれているその時、俄に玄関の方が騒がしくなり、何やらその騒ぎがこちらに近づいて来ます。
お茶会の主であるステラが、立ち上がってそちらへ向かいかけた所で、騒ぎの元が飛び込んで来ました。
止めようとする使用人達を振り切って現れたのは、陽光に照らされてきらきら輝く金の髪と、こちらを睨む空の青を写したような瞳の超絶美貌をお持ちのご令嬢でした。
うーん?でもこの美貌、何処かで見たような?
私が思い出す間もなく、彼女を見たステラが、答えを言いました。
「ヘルミーナ王女殿下、何故ここに?」
それを聞いた私達は、条件反射で椅子から立ち上がってお辞儀をします。
王女殿下、ということは、ルカーシュ殿下の妹君ですね。道理で見たことある美貌だと思いました。男女の違いはあるものの、ルカーシュ殿下とよく似ています。
でも、本当に何故ここに、このような登場の仕方をなさっているのでしょうか?
ステラに名前を呼ばれた王女殿下は、挨拶もなく、私達をきっと睨みつけると、よく通る美声で命令しました。
「この中に、ラインハルトの婚約者がいるのでしょう?今日ここに来ていることは知っているのよ。出てきなさい!私と勝負よ!」
はい?今、何とおっしゃいました?
言おうとしていたことを先に言われてしまいました。
友人達の反応は気になるし、美貌の王女と何の為にどんな勝負をするのかもわからないし、とにかく突発事項に弱い私は、その場で固まってしまいました。
王女殿下は反応が無いことに苛立ち、再度声を張り上げました。
「ラインハルトが断れないように、騎士団長のコネを使って、無理やり婚約者に仕立て上げた悪女は何処かって聞いているの!」
三人の視線が私に集まるのが分かります。
こんな形でバレるくらいなら、友人達にもっと早く、来たときに婚約について報告しておけば良かった、などと今頃後悔しても遅すぎます。
コネで無理やり婚約したわけではないのです。最初は騎士団長の叔父の紹介でしたが、私とレイはちゃんと想い合って、自分達で婚約を決めたのです。
今すぐに否定しなくては。と気持ちは焦るものの、肝心の口が言うことを聞きません。
三人の視線を辿った王女殿下は、青褪めて立ち尽くす私の前にゆっくり歩いて来ました。
そして、ぱらっと扇を開いて私を上から見下ろします。王女殿下は背もお高いです。
「ああ、貴方なの。騎士団長と同じ髪と瞳ね。これは、ラインハルトも断れないわよね。」
「違うんです。それは、」
「何が違うと言うの?!貴方が無理やり私から彼を奪って、婚約者に収まったんでしょ?!」
何とか押し出せた言葉も、王女殿下の大きな声に、あっという間に押し潰されます。
再び沈黙した私に、王女殿下は居丈高に言葉を浴びせてきました。
「まあ、貴方が相手なら直ぐに返して貰えそうね。貴方、馬に乗れる?騎士団を統括して、領地経営もできて、家族と会わず、ずっと辺境暮らし出来るの?」
返すというのはもしや、レイのことでしょうか?それに馬って、騎士団統括とか領地経営とかって一体なんの話です?
話の内容が全く理解できずに、ぽかんと王女殿下を見上げていると、心底楽しそうに笑いながらとどめを刺してきました。
「何を言っているのかわからないって顔をしているわね。これは緑の辺境伯家に嫁ぐのに必要な条件よ。知らないなんて婚約者を名乗る資格が無いわね!貴方、端から相手に認められてないんじゃない?」
ここで、ぷちんと何かが弾けました。今までの彼の様子からして、私を婚約者だと認めていないなんてことはありません。
「確かに条件は知りませんでしたが、レイに認められてないなんてあり得ません!私は彼の正式な婚約者です!それだけは、間違いありませんから!」
私がいい返したことで、今まで見守っていたステラ達やアッカーマン家の使用人達がどよめきました。
王女殿下は目を吊り上げて、私を見下ろし、閉じた扇を一振りして私の目の前に突きつけ、高らかに宣言しました。
「では、この勝負受けるわね?負けても逃げても婚約破棄してもらうわよ。後、レイって呼ばないでくれる?私だって呼ばせてもらえないのに、許せないわ。」
ぷっつんしたままの興奮状態だった私は、売り言葉に買い言葉で、王女殿下の挑戦を受けてしまいました。
「その勝負受けます!それから私は本人からレイと呼ぶようにと言われたので、そう呼んでいるんです!」
後半の台詞で、王女殿下の目がさらにつり上がったように思えました。言わなくてもいいことを言ったようです。
「あーら、そう。ふーん、そうなの。ラインハルトがそう言ったの。へええ。」
王女殿下が凄みを増してきました。こ、怖い。
完全に目が据わった王女殿下は、私を睨みつけると、突きつけた扇をまた開いて口元を隠しながら勝負内容を告げました。
「勝負は一週間後、郊外の西の野原にて馬で競争しましょ。」
しまった!内容を確認してから勝負を受けるべきでした!
私、馬になんて乗れません。
一気に青ざめた私を嬉しそうに見ながら、
「まさか、緑の辺境伯家に嫁ごうとする者が馬に乗れないとはおっしゃいませんわよね?」
王女殿下が、駄目押しをしてきました。
言っちゃ駄目ですか?
「馬に乗れないので、勝負内容の変更を希望します。」
言っちゃいました。
「却下。人に聞いてはいたけれど、本当に乗れないとは思わなかったわ。ラインハルトの婚約者でいられるのもあと一週間よ、せいぜい楽しみなさい。ああ、彼は今、ルカーシュ兄様の護衛で王宮からは出られないのだったわね。いい気味ね。」
そう言って、背を向けて去って行った王女殿下は、登場した時と違って優雅で、とても満足そうでした。
「ヘルミーナ王女殿下、私が馬に乗れないことをご存知で勝負をさせるのは、意地が悪過ぎやしないかしら?」
その場に座りこんで呟いた私は、あっという間に見守っていた三人に取り囲まれました。
さらに、その後ろに執事やメイド達までずらりと並んでいるように見えますが?
「リーディア、どういうことなの?!貴方、本当に藍の君の婚約者なの?!」
「リディお姉様、どうやって婚約者になったのですか!詳しく教えてくださいませ!」
「まあまあ、二人とも落ち着いて。席に戻ってお茶会の続きをしましょう?リーディア、全部、話してくれるわよね?」
当然、話すわよね?とステラに一番輝いた笑顔で言われ、逆らえない私はすごすごと席に戻り、新しいお茶を淹れてもらいました。
その采配をした執事も、お茶や新たにお菓子を運んできたメイド達も下がらず、テーブルの周りを取り囲んでいます。
心なしかお菓子がグレードアップされています。
美味しそう・・・。
王女殿下とのやり取りで疲れ切っていたので、糖分を補給しようとそのお菓子に手を伸ばしたら、お皿が宙に浮きました。
逃げたお菓子を目線で追いかけると、そこにはステラの笑顔がありました。
ステラはお皿からお菓子を一つ摘み、隣のアリツェの口に突っ込みながら言いました。
「これ、限定のとても美味しいお菓子なの。もう、このお皿に乗ってる分しかないの。リーディア、馴れ初めから全部話しなさい?早くしないとこの二人の口に全部入れちゃうわよ?」
私、お菓子を質に取られて脅されていますね?ステラ、そんなことしなくても話しますよ、私。
だからそのお菓子、一つだけでも先にください!
「あの、ランの君ってどなたのことですか?」
三人が一斉にこちらを見ます。
アリツェが、にやっと笑ってわざとらしく扇を広げます。
「あら、いつもならこういう話には無関心なのに珍しいわね。リーディアも彼と踊りたかったの?」
うっ、痛い所を突かれました。確かにこの手の話題は今まで聞くだけでしたから。
「いえ、あの、そうではなくて、どなたのことかなあと純粋に興味を持っただけなのです。」
「いまさら?遅いわよ、リーディア・・・。いえ、貴方らしいというべきなのかしら。」
「ランの君はね、ラインハルト・ヴィリデ様という方の呼び名なのよ。誰が言い出したのかは私も知らないのだけど、彼の瞳の色が藍色だから藍の君。花の蘭のような気品と美しさがあるからという説もあるのだけどね。最初はこっそり内緒でお呼びしてたらしいのだけど、今では公称に近いわね。」
他にも芙蓉の君、紅の君などもおられると、ステラの説明を聞きながら、私はなんとも言えない気分になってきました。
やっぱりレイのことではないですか。藍の君と呼ばれて、夜会でいろんなご令嬢と踊っている様子を想像しただけで、全く知らない遠い存在の人になった気がしてきます。
大体、蘭のような気品と美しさって誰のことですか、私の知っている彼は花に例えるなら、温室で育てられる蘭というより、明るい太陽の下で咲いている花のイメージなのですが。
ちょうど良くレイの話題になったところで、婚約の件を言うべきなのですが、これ、言えます?
私、その話題の藍の君と婚約しました、と言ったら、どうなるのですかね?
しかし、言わねばなりません。今日、今、言わなければもっと言い難くなることくらい、私にも分かります。
よし、言いますよ!
「あの、実は私、」
三人が私が何を言い出すのかと、静かに待っていてくれているその時、俄に玄関の方が騒がしくなり、何やらその騒ぎがこちらに近づいて来ます。
お茶会の主であるステラが、立ち上がってそちらへ向かいかけた所で、騒ぎの元が飛び込んで来ました。
止めようとする使用人達を振り切って現れたのは、陽光に照らされてきらきら輝く金の髪と、こちらを睨む空の青を写したような瞳の超絶美貌をお持ちのご令嬢でした。
うーん?でもこの美貌、何処かで見たような?
私が思い出す間もなく、彼女を見たステラが、答えを言いました。
「ヘルミーナ王女殿下、何故ここに?」
それを聞いた私達は、条件反射で椅子から立ち上がってお辞儀をします。
王女殿下、ということは、ルカーシュ殿下の妹君ですね。道理で見たことある美貌だと思いました。男女の違いはあるものの、ルカーシュ殿下とよく似ています。
でも、本当に何故ここに、このような登場の仕方をなさっているのでしょうか?
ステラに名前を呼ばれた王女殿下は、挨拶もなく、私達をきっと睨みつけると、よく通る美声で命令しました。
「この中に、ラインハルトの婚約者がいるのでしょう?今日ここに来ていることは知っているのよ。出てきなさい!私と勝負よ!」
はい?今、何とおっしゃいました?
言おうとしていたことを先に言われてしまいました。
友人達の反応は気になるし、美貌の王女と何の為にどんな勝負をするのかもわからないし、とにかく突発事項に弱い私は、その場で固まってしまいました。
王女殿下は反応が無いことに苛立ち、再度声を張り上げました。
「ラインハルトが断れないように、騎士団長のコネを使って、無理やり婚約者に仕立て上げた悪女は何処かって聞いているの!」
三人の視線が私に集まるのが分かります。
こんな形でバレるくらいなら、友人達にもっと早く、来たときに婚約について報告しておけば良かった、などと今頃後悔しても遅すぎます。
コネで無理やり婚約したわけではないのです。最初は騎士団長の叔父の紹介でしたが、私とレイはちゃんと想い合って、自分達で婚約を決めたのです。
今すぐに否定しなくては。と気持ちは焦るものの、肝心の口が言うことを聞きません。
三人の視線を辿った王女殿下は、青褪めて立ち尽くす私の前にゆっくり歩いて来ました。
そして、ぱらっと扇を開いて私を上から見下ろします。王女殿下は背もお高いです。
「ああ、貴方なの。騎士団長と同じ髪と瞳ね。これは、ラインハルトも断れないわよね。」
「違うんです。それは、」
「何が違うと言うの?!貴方が無理やり私から彼を奪って、婚約者に収まったんでしょ?!」
何とか押し出せた言葉も、王女殿下の大きな声に、あっという間に押し潰されます。
再び沈黙した私に、王女殿下は居丈高に言葉を浴びせてきました。
「まあ、貴方が相手なら直ぐに返して貰えそうね。貴方、馬に乗れる?騎士団を統括して、領地経営もできて、家族と会わず、ずっと辺境暮らし出来るの?」
返すというのはもしや、レイのことでしょうか?それに馬って、騎士団統括とか領地経営とかって一体なんの話です?
話の内容が全く理解できずに、ぽかんと王女殿下を見上げていると、心底楽しそうに笑いながらとどめを刺してきました。
「何を言っているのかわからないって顔をしているわね。これは緑の辺境伯家に嫁ぐのに必要な条件よ。知らないなんて婚約者を名乗る資格が無いわね!貴方、端から相手に認められてないんじゃない?」
ここで、ぷちんと何かが弾けました。今までの彼の様子からして、私を婚約者だと認めていないなんてことはありません。
「確かに条件は知りませんでしたが、レイに認められてないなんてあり得ません!私は彼の正式な婚約者です!それだけは、間違いありませんから!」
私がいい返したことで、今まで見守っていたステラ達やアッカーマン家の使用人達がどよめきました。
王女殿下は目を吊り上げて、私を見下ろし、閉じた扇を一振りして私の目の前に突きつけ、高らかに宣言しました。
「では、この勝負受けるわね?負けても逃げても婚約破棄してもらうわよ。後、レイって呼ばないでくれる?私だって呼ばせてもらえないのに、許せないわ。」
ぷっつんしたままの興奮状態だった私は、売り言葉に買い言葉で、王女殿下の挑戦を受けてしまいました。
「その勝負受けます!それから私は本人からレイと呼ぶようにと言われたので、そう呼んでいるんです!」
後半の台詞で、王女殿下の目がさらにつり上がったように思えました。言わなくてもいいことを言ったようです。
「あーら、そう。ふーん、そうなの。ラインハルトがそう言ったの。へええ。」
王女殿下が凄みを増してきました。こ、怖い。
完全に目が据わった王女殿下は、私を睨みつけると、突きつけた扇をまた開いて口元を隠しながら勝負内容を告げました。
「勝負は一週間後、郊外の西の野原にて馬で競争しましょ。」
しまった!内容を確認してから勝負を受けるべきでした!
私、馬になんて乗れません。
一気に青ざめた私を嬉しそうに見ながら、
「まさか、緑の辺境伯家に嫁ごうとする者が馬に乗れないとはおっしゃいませんわよね?」
王女殿下が、駄目押しをしてきました。
言っちゃ駄目ですか?
「馬に乗れないので、勝負内容の変更を希望します。」
言っちゃいました。
「却下。人に聞いてはいたけれど、本当に乗れないとは思わなかったわ。ラインハルトの婚約者でいられるのもあと一週間よ、せいぜい楽しみなさい。ああ、彼は今、ルカーシュ兄様の護衛で王宮からは出られないのだったわね。いい気味ね。」
そう言って、背を向けて去って行った王女殿下は、登場した時と違って優雅で、とても満足そうでした。
「ヘルミーナ王女殿下、私が馬に乗れないことをご存知で勝負をさせるのは、意地が悪過ぎやしないかしら?」
その場に座りこんで呟いた私は、あっという間に見守っていた三人に取り囲まれました。
さらに、その後ろに執事やメイド達までずらりと並んでいるように見えますが?
「リーディア、どういうことなの?!貴方、本当に藍の君の婚約者なの?!」
「リディお姉様、どうやって婚約者になったのですか!詳しく教えてくださいませ!」
「まあまあ、二人とも落ち着いて。席に戻ってお茶会の続きをしましょう?リーディア、全部、話してくれるわよね?」
当然、話すわよね?とステラに一番輝いた笑顔で言われ、逆らえない私はすごすごと席に戻り、新しいお茶を淹れてもらいました。
その采配をした執事も、お茶や新たにお菓子を運んできたメイド達も下がらず、テーブルの周りを取り囲んでいます。
心なしかお菓子がグレードアップされています。
美味しそう・・・。
王女殿下とのやり取りで疲れ切っていたので、糖分を補給しようとそのお菓子に手を伸ばしたら、お皿が宙に浮きました。
逃げたお菓子を目線で追いかけると、そこにはステラの笑顔がありました。
ステラはお皿からお菓子を一つ摘み、隣のアリツェの口に突っ込みながら言いました。
「これ、限定のとても美味しいお菓子なの。もう、このお皿に乗ってる分しかないの。リーディア、馴れ初めから全部話しなさい?早くしないとこの二人の口に全部入れちゃうわよ?」
私、お菓子を質に取られて脅されていますね?ステラ、そんなことしなくても話しますよ、私。
だからそのお菓子、一つだけでも先にください!
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