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3-勘が鋭い狼
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い、今この子ラスボス・ワカナって言ったよね?私の聞き間違えじゃないよね。
どうして私の正体を知ってるんだ?
「ワカナ師匠知り合いですか?」
知り合いじゃないよ!知り合いじゃない人に正体ばれてるよ!
私は唾を飲み込むと、平静を装う。
「えっと、勘違いしていないかな?確かに私は若菜だけど。ラスボス・ワカナってあの島に住んでいる人のことを言うんでしょ?」
私は真上に浮いている島を指さす。あんな遠い場所にいる恥ずべきの人がこんな所に居るわけないでしょと強調している。
というかこの子なんで私がワカナって分かったんだ?
「違う……私にはわかる……」
「な、何が?」
「あなたからは空の匂いがする……」
「空の匂い…?」
空の匂いってなんだ!?
私はマーチェに目配せするがマーチェも何も分かっていないようだ。首を振っている。
「……鳥と同じ匂いがする。この匂いは空の匂い」
「と、鳥と同じ?」
私は服をクンクンと嗅ぐが鳥の匂いはしないはずだ。爽やかなライムのようなにおいがする。というか鳥の匂いも分からないし、この子は空の匂いって言っている。
「私にはわかる……グルルルル」
よく分からないがこの子は私がラスボス・ワカナだと確証を得ているらしい。
さて、どうしたことか。バレたら冒険者に命を狙われて平穏な日々は過ぎ去る。
いや、全然大したことないと公表することで追われる日々は消え去るか?
いや、それこそ確証がない。やっぱりバレないしこしたことはない。
「まさか……あなたはまさか狼の獣人?」
「狼の獣人?」
「はい。見た目からしてもそうですし、オオカミはとても嗅覚が優れていると聞きます」
マーチェが気づいたようだ。
な、なるほど。嗅覚が優れていれば空の匂いが分かるっていうこと?……空の匂いってなんなんだ!
空気は匂いしないし、まさか空に浮いている島に住んでいると空の匂いが染みつくもんなの?
「そう……私は狼……あなたの匂いは隠し通せない……グルルルル」
確かに言われてみれば狼みたいだ。
まさか狼の嗅覚で島に住んでいるとバレるとは……
これからの生活大変じゃない?色々と隠さないといけないの?
これからよりも今だ。この子にはもう隠しきれないだろう。
「そう…‥私が若菜であの島の住民だよ。それで……私のことを倒したいの?」
「ワカナ師匠正体がバレては危険です。今すぐこの子を消しましょう」
めちゃくちゃ物騒なことを言うな……それに殺気は私の正体を言いそうだったじゃん。
「そこまでしなくていいよ……あの…戦ってもいいんだけど私が勝ったら私の正体を誰にもばらさないって約束してくれない?」
この子はどっからどう見てもマーチェよりも弱そうだ。そのマーチェよりも強い私がタイマンを張れば勝てるだろう。
まさか私がタイマンを張るときが来るとは……
「私はそんなこと思っていない……」
「そ、そうなの?」
めちゃくちゃ好戦的だった気がするけど。
「間違っていないことを証明できたらいい……じゃあ」
そう言って狼の獣人の子は行ってしまった。
「何なんだ……」
不思議な出来事を後してに私たちは島に帰った。
島に帰るとすぐにマーチェが稽古をつけてくれと言ってきた。恵子ということはつまり戦うということだ。
負ける気はしないが、戦うのはそんなに得意じゃない。相手を傷つけるわけだからしょうがないと思う。この世界の人は何とも思ってなさそうだが、私の頭の奥底には平和主義が残っている。
しかし、他に師匠として何かやってあげられることがない。そのため私はしぶしぶ稽古に付き合った。
「そいや!」
「ウッ……」
「おいしょっと」
私は魔法を駆使してマーチェを倒した。マーチェの域がすごく上がっているが、私は一歩たりとも動いていないので何ともない。
「マーチェその腕を切るのは何なの?昨日の夜もやっていたけど」
「血醒流闇のことですか?」
「めちゃくちゃ名前かっこいいじゃん」
昨日の夜に引き続き、マーチェは自分の左腕に傷をつくって血を流してから戦い始めた。
「これはヴァンパイアの技です」
「やっぱり……でも毎回腕を切るのって言うのは……」
「大丈夫です、すぐに傷は消えますから」
確かにマーチェの左腕は綺麗だ。さっきも昨日の夜も傷を作ったというのに。
しかし、傷が消えると言っても自分から傷を作るのは抵抗がある。だがヴァンパイア独自の技ということなら仕方がない。
「それをやるとどうなるの?」
「血の巡りがよくなるんですよ……傷が出来て血が外に出ると、血が足りないように全身の血が巡るんです。そうして身体強化しています」
「なるほど……大変だね」
吸血鬼だから血を使って戦うんだろう。何かの本で見た時も血を使って魔法陣を書いていた気がする。
声には出さなかったが、吸血鬼にならなくてよかった。採血すら嫌いなのに自分から血を流すなんて絶対やりたくない。
っていうか血の巡りを良くしたいなら玉ねぎ食べて血をサラサラにすればいい気がするけど……
後で玉ねぎ料理作ってあげよう。
その後2時間も戦い続けました。
筋肉痛で体バキバキです。
どうして私の正体を知ってるんだ?
「ワカナ師匠知り合いですか?」
知り合いじゃないよ!知り合いじゃない人に正体ばれてるよ!
私は唾を飲み込むと、平静を装う。
「えっと、勘違いしていないかな?確かに私は若菜だけど。ラスボス・ワカナってあの島に住んでいる人のことを言うんでしょ?」
私は真上に浮いている島を指さす。あんな遠い場所にいる恥ずべきの人がこんな所に居るわけないでしょと強調している。
というかこの子なんで私がワカナって分かったんだ?
「違う……私にはわかる……」
「な、何が?」
「あなたからは空の匂いがする……」
「空の匂い…?」
空の匂いってなんだ!?
私はマーチェに目配せするがマーチェも何も分かっていないようだ。首を振っている。
「……鳥と同じ匂いがする。この匂いは空の匂い」
「と、鳥と同じ?」
私は服をクンクンと嗅ぐが鳥の匂いはしないはずだ。爽やかなライムのようなにおいがする。というか鳥の匂いも分からないし、この子は空の匂いって言っている。
「私にはわかる……グルルルル」
よく分からないがこの子は私がラスボス・ワカナだと確証を得ているらしい。
さて、どうしたことか。バレたら冒険者に命を狙われて平穏な日々は過ぎ去る。
いや、全然大したことないと公表することで追われる日々は消え去るか?
いや、それこそ確証がない。やっぱりバレないしこしたことはない。
「まさか……あなたはまさか狼の獣人?」
「狼の獣人?」
「はい。見た目からしてもそうですし、オオカミはとても嗅覚が優れていると聞きます」
マーチェが気づいたようだ。
な、なるほど。嗅覚が優れていれば空の匂いが分かるっていうこと?……空の匂いってなんなんだ!
空気は匂いしないし、まさか空に浮いている島に住んでいると空の匂いが染みつくもんなの?
「そう……私は狼……あなたの匂いは隠し通せない……グルルルル」
確かに言われてみれば狼みたいだ。
まさか狼の嗅覚で島に住んでいるとバレるとは……
これからの生活大変じゃない?色々と隠さないといけないの?
これからよりも今だ。この子にはもう隠しきれないだろう。
「そう…‥私が若菜であの島の住民だよ。それで……私のことを倒したいの?」
「ワカナ師匠正体がバレては危険です。今すぐこの子を消しましょう」
めちゃくちゃ物騒なことを言うな……それに殺気は私の正体を言いそうだったじゃん。
「そこまでしなくていいよ……あの…戦ってもいいんだけど私が勝ったら私の正体を誰にもばらさないって約束してくれない?」
この子はどっからどう見てもマーチェよりも弱そうだ。そのマーチェよりも強い私がタイマンを張れば勝てるだろう。
まさか私がタイマンを張るときが来るとは……
「私はそんなこと思っていない……」
「そ、そうなの?」
めちゃくちゃ好戦的だった気がするけど。
「間違っていないことを証明できたらいい……じゃあ」
そう言って狼の獣人の子は行ってしまった。
「何なんだ……」
不思議な出来事を後してに私たちは島に帰った。
島に帰るとすぐにマーチェが稽古をつけてくれと言ってきた。恵子ということはつまり戦うということだ。
負ける気はしないが、戦うのはそんなに得意じゃない。相手を傷つけるわけだからしょうがないと思う。この世界の人は何とも思ってなさそうだが、私の頭の奥底には平和主義が残っている。
しかし、他に師匠として何かやってあげられることがない。そのため私はしぶしぶ稽古に付き合った。
「そいや!」
「ウッ……」
「おいしょっと」
私は魔法を駆使してマーチェを倒した。マーチェの域がすごく上がっているが、私は一歩たりとも動いていないので何ともない。
「マーチェその腕を切るのは何なの?昨日の夜もやっていたけど」
「血醒流闇のことですか?」
「めちゃくちゃ名前かっこいいじゃん」
昨日の夜に引き続き、マーチェは自分の左腕に傷をつくって血を流してから戦い始めた。
「これはヴァンパイアの技です」
「やっぱり……でも毎回腕を切るのって言うのは……」
「大丈夫です、すぐに傷は消えますから」
確かにマーチェの左腕は綺麗だ。さっきも昨日の夜も傷を作ったというのに。
しかし、傷が消えると言っても自分から傷を作るのは抵抗がある。だがヴァンパイア独自の技ということなら仕方がない。
「それをやるとどうなるの?」
「血の巡りがよくなるんですよ……傷が出来て血が外に出ると、血が足りないように全身の血が巡るんです。そうして身体強化しています」
「なるほど……大変だね」
吸血鬼だから血を使って戦うんだろう。何かの本で見た時も血を使って魔法陣を書いていた気がする。
声には出さなかったが、吸血鬼にならなくてよかった。採血すら嫌いなのに自分から血を流すなんて絶対やりたくない。
っていうか血の巡りを良くしたいなら玉ねぎ食べて血をサラサラにすればいい気がするけど……
後で玉ねぎ料理作ってあげよう。
その後2時間も戦い続けました。
筋肉痛で体バキバキです。
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