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対面

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 応接室でティータイム。
 これに何の意味があるのか。
 いや、普段の仕事ならここで会話をしつつ好みや動向をより深く探って交渉の作戦を完璧に組むが……雰囲気も何もかも違ってこの空間に居るだけで気が滅入る。
 できるなら部屋に戻りたい。
 それか……サフィナなら誘えば外で剣を交えることもできるだろうか?
 チラッと見ると微笑まれて、今日は完璧な令嬢であると実感した。

「あらあら、お二人で見つめ合って……こちらのお庭も素敵だと伺っていますし、よければ二人で歩いていらしたら?」

 夫人に言われてこの場はもう息が詰まっていた俺は立ち上がる。

「珍しい植物はありませんが、今は秋バラが綺麗に咲き始めますので……いかがですか?」

 サフィナの前に回って腕を差し出すと、サフィナは一度公爵と夫人に目をやった。

「サライドはバラが好きでわざわざ城から分けて頂いたんですよ。よろしければどうぞご覧下さい」

 父さんにも後押しされてサフィナは立ち上がった。
 淑やかなその動きはさすがだ。

「では、少しご案内して参ります。失礼致します」

 サフィナが腕に掴まったのを確認して挨拶をする。
 腕に女をくっつけて歩くのは正直ドレスの裾も邪魔だし歩きにくい。
 こんなのをこれからずっと続けていくのかと思うとただただ憂鬱だ。

「はーぁ、肩凝るわねぇ」

 それはサフィナもらしいのが救いではある。だが、

「でも、誰が見てるかわからないから!気ぃ抜かないでよ!」

 姿勢は崩さないまま俺の腕に手を置いて儚げに振る舞いつつ言われて驚きしかなかった。
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