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バカなのか?

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「お前、毎晩来てんだろ?」

 部屋に戻るとリューラが座って本を読んでいて俺だってもう驚きはしない。
 睨みつけてやっても、パッと顔を輝かせたリューラは走ってきてギュウと俺に抱き着いてくる。

「お前を警備する近衛兵たちは苦労するな」

 くっつけてくるその顎を押してやっても、

「でしょう?だから、サラもあの城で暮らそ?」

 リューラはにこにこしながらとんでもないことを口にしてきた。

「は?バカ言ってんなよ?」

 まだくっついているリューラを押してやってもこいつはビクともしない。

「本気で言ってるよ?」
「大問題だろ」

 王族でもない俺が城に住むとかフザけ過ぎている。

「問題ないよ。俺が住めばいいって言ったらOKじゃん?」

 こいつはこんなことに権力を使う気なんだろうか?
 思いっきり蔑んだ目で見てやると、

「そんな顔しないでよ」

 リューラは口を尖らせた。

「や、するだろ」

 俺は思いっきり引いているんだから仕方ない。なのに、

「だから、俺がこっちに通ってるでしょう?サラが来たくて来てくれないと意味ないし」

 チュッと頬にキスをされてぶん殴ってやる。

「フザけんな」
「だから、マジなの!」

 ピッと立ててくるその人差し指を折ってやりたい。

「本当頭痛ぇ」

 ため息を吐くとひょいと簡単に持ち上げられた。

「なっ!!」
「それは大変!ゆっくり休んで!」

 そのままベッドに運ばれて丁寧に靴まで脱がされる。
 こんな軽々と運ばれたなんてただの屈辱でしかない。
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