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おかしくね?
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父さんとマニエルとの食事はほぼ俺と父さんの会話だけで終わる。
まぁ、今日はロザーナの話とシャンタス国の話ばかりだからマニエルは余計に入れないんだろうが。
「あ、そういえば……」
食事を終えて立ち上がった父さんがすぐに振り返って、俺はカップに伸ばそうとしていた手を戻す。
「後でリューラ様がいらっしゃるそうだ」
「はぁ?」
声をすっ飛ばすと、
「お前の意見を聞きたいそうだぞ。失礼のないようにな」
父さんはスッと目を細めて部屋を出て行った。
つい舌打ちしてしまいつつカップに手を伸ばした俺は嬉しそうにしているマニエルが目に入ってまたイラッとする。
「お前に会いに来るんじゃない」
思わず言ってしまうと、マニエルは眉を寄せながら笑顔を見せた。
「わかってるよ。ちゃんと部屋で大人しくしてるから」
誰もそこまでは言っていないのに何でこいつはこんなんなのか?
父さんに声を掛けられなくても空気に徹するようにただ静かに居て、あれだけ会いたそうにしていたリューラが来ると聞いてもそうなのか?
「お前、何がしたい」
「え?」
「本当にしたいもの、欲しいもの……それはちゃんと言わねぇと全部目の前ですり抜けんぞ」
俯いていたマニエルが戸惑うように顔を上げている。
驚いているのは俺自身だ。
こんなことをこいつに言うなんて。
それだけいつも全てを諦めているこいつにイラついたんだが……今日は疲れているからかおかしい。
まぁ、今日はロザーナの話とシャンタス国の話ばかりだからマニエルは余計に入れないんだろうが。
「あ、そういえば……」
食事を終えて立ち上がった父さんがすぐに振り返って、俺はカップに伸ばそうとしていた手を戻す。
「後でリューラ様がいらっしゃるそうだ」
「はぁ?」
声をすっ飛ばすと、
「お前の意見を聞きたいそうだぞ。失礼のないようにな」
父さんはスッと目を細めて部屋を出て行った。
つい舌打ちしてしまいつつカップに手を伸ばした俺は嬉しそうにしているマニエルが目に入ってまたイラッとする。
「お前に会いに来るんじゃない」
思わず言ってしまうと、マニエルは眉を寄せながら笑顔を見せた。
「わかってるよ。ちゃんと部屋で大人しくしてるから」
誰もそこまでは言っていないのに何でこいつはこんなんなのか?
父さんに声を掛けられなくても空気に徹するようにただ静かに居て、あれだけ会いたそうにしていたリューラが来ると聞いてもそうなのか?
「お前、何がしたい」
「え?」
「本当にしたいもの、欲しいもの……それはちゃんと言わねぇと全部目の前ですり抜けんぞ」
俯いていたマニエルが戸惑うように顔を上げている。
驚いているのは俺自身だ。
こんなことをこいつに言うなんて。
それだけいつも全てを諦めているこいつにイラついたんだが……今日は疲れているからかおかしい。
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