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俺たちらしさ

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 俺と三木は基本、メッセージとかのやり取りはしない。
 電話もしたことがない。
 俺が四組で、三木は六組。
 同じ理系だが朝練で姿を見てから夕練まで姿さえ見ないことがほとんどだ。

「アリスちゃんと飯食ったりしねぇの?」

 弁当のフタを開けながらトモが廊下を気にするのを見て、俺はペットボトルに口をつける。

「何で?」
「何でって……部活終わりに手繋いだりしてラブラブかと思ったら、普段は全然一緒に居ねぇじゃん」
「用事もないのに一緒に居る必要ないだろ?」
「いや、用事とかじゃなくて……会いたい!とかあるじゃん?」
「部活になれば居るのにか?」

 理解できなくて眉をひそめると、トモは手にした箸を置いてこっちを見た。

「居るったって同じ体育館にってだけだろ!部活前に話したりもしねぇし」

 それの何がいけないのか。
 フリだから……そう言ったらトモは納得するだろうか。

「ベタベタくっつく気はないんだよ」
「いや、部活終わりはくっついてるじゃん」
「何?」

 トモがあまりにもボソッと言うので聞き返すと、トモは呆れたような顔でため息を吐いた。

「セイって実は天然だよな」
「はぁ?」

 意味がわからず弁当箱を持って食べ始める。

「それがアリスちゃんの手作り、とか?」
「あいつが作ったものって食べられるのか?」
「ヒデぇ言い方すんなよ」

 中学時代、あいつが調理実習でやらかしていたあれこれを思い出して、俺は笑ってしまった。
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