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バスケだろ
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「あれ?あそこに居るのって……」
モト先輩が何かに気づいて、俺はその指の先を追う。
そこに居たのはハナ。
「あいつも何だかんだ見に来てたんですねぇ」
「いやぁ……」
思わず呟くと、モト先輩は小さく笑った。
「……あれ、彼女とかじゃね?」
「は?」
ハナの向こうには確かにジャージを着た人影が見える。
だが、そのハナとポニーテールの女のところに話しかけに行ったのはあの創成キャプテン。
「おい……どういうこと?」
「さ、さぁ……」
さすがの俺もわからない。
だが、ふと文化祭の日に菊川とハナが話していたことを思い出した。
年上の彼女って……まさかの?
「おーい!岳史~」
考えているとすぐ真横で声がして、しかも、そこに居たのはあっちに見えたばかりの創成キャプテン。
「旭、てめぇチームは?」
「ん?ちゃんと副顧問には言ってきたよ?」
「副顧問?」
「そっ!かわいい女の子かと思ったらめっちゃ怖いから!今日もう解散なら帰っていいか聞いたらめっちゃ耳引っ張られた」
言いながら右耳を擦ってタケ先輩の横まで行く後ろ姿をモト先輩と黙って見送る。
「それ、ダメってことじゃねぇのかよ。仮にもお前キャプテンだろ?」
「えー?男と居たのに話しかけたから怒っただけっしょ?」
赤髪を揺らして笑うのを見て俺とモト先輩は顔を見合わせた。
「ハナの彼女って……」
「創成、副顧問……です、か?」
信じられなさすぎて言葉が続かない。
モト先輩が何かに気づいて、俺はその指の先を追う。
そこに居たのはハナ。
「あいつも何だかんだ見に来てたんですねぇ」
「いやぁ……」
思わず呟くと、モト先輩は小さく笑った。
「……あれ、彼女とかじゃね?」
「は?」
ハナの向こうには確かにジャージを着た人影が見える。
だが、そのハナとポニーテールの女のところに話しかけに行ったのはあの創成キャプテン。
「おい……どういうこと?」
「さ、さぁ……」
さすがの俺もわからない。
だが、ふと文化祭の日に菊川とハナが話していたことを思い出した。
年上の彼女って……まさかの?
「おーい!岳史~」
考えているとすぐ真横で声がして、しかも、そこに居たのはあっちに見えたばかりの創成キャプテン。
「旭、てめぇチームは?」
「ん?ちゃんと副顧問には言ってきたよ?」
「副顧問?」
「そっ!かわいい女の子かと思ったらめっちゃ怖いから!今日もう解散なら帰っていいか聞いたらめっちゃ耳引っ張られた」
言いながら右耳を擦ってタケ先輩の横まで行く後ろ姿をモト先輩と黙って見送る。
「それ、ダメってことじゃねぇのかよ。仮にもお前キャプテンだろ?」
「えー?男と居たのに話しかけたから怒っただけっしょ?」
赤髪を揺らして笑うのを見て俺とモト先輩は顔を見合わせた。
「ハナの彼女って……」
「創成、副顧問……です、か?」
信じられなさすぎて言葉が続かない。
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