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大会
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試合前日はハナもシュート練習に姿を見せたし、トモとダイも話している様子を見てとりあえずホッとする。
そして、試合当日はやっと全員揃ったことがまずは嬉しかった。
「いいか。スタートはいつもと同じ。だが、圧倒的に練習不足だからな。無理はするなよ」
先生は両頬を叩いたトモを見てトモが笑ったのを確認すると、それぞれに言葉をかけながらその背中も軽く押す。
「向こうは三年も三人残ってますから……焦らずに。突っ込み過ぎずボールを回して、とりあえず確実にシュートできるようにしましょう」
「あぁ」
手のひらを出しているヨッシーに頷いて俺はパチンと音を立てた。
そのまま全員で手を合わせて五人並んでからコートに頭を下げる。
走ってもシュートをしてもどんどん点差は開いていった。
ディフェンスに戻ってくるだけでキツいし、呼吸が乱れて足も重い。だが、
「声出せっ!!」
叫び声をあげると、後ろにいるメンバーの返事が聞こえた。
相手は三年も残っているくらい部活に力を入れて、練習をしてきている学校だ。
正直、負けるのはわかっている。
でも、試合を諦めたくはない。
一本でも多くシュートを決めて、点差は縮めたい。
「コタっ!」
インからアウトの絶好のパス。
それでも相手は素早く反応してきて俺はスリーからドリブルに切り替えて中へと切り込む。
ペイントエリア内、そんなインサイドは俺より二十センチも高いやつらがゴロゴロしていて前が見えない。
隙間を縫ってレイアップに向かったが、ボールははたき落とされて俺も強い当たりでコートの外に吹き飛ばされた。
そして、試合当日はやっと全員揃ったことがまずは嬉しかった。
「いいか。スタートはいつもと同じ。だが、圧倒的に練習不足だからな。無理はするなよ」
先生は両頬を叩いたトモを見てトモが笑ったのを確認すると、それぞれに言葉をかけながらその背中も軽く押す。
「向こうは三年も三人残ってますから……焦らずに。突っ込み過ぎずボールを回して、とりあえず確実にシュートできるようにしましょう」
「あぁ」
手のひらを出しているヨッシーに頷いて俺はパチンと音を立てた。
そのまま全員で手を合わせて五人並んでからコートに頭を下げる。
走ってもシュートをしてもどんどん点差は開いていった。
ディフェンスに戻ってくるだけでキツいし、呼吸が乱れて足も重い。だが、
「声出せっ!!」
叫び声をあげると、後ろにいるメンバーの返事が聞こえた。
相手は三年も残っているくらい部活に力を入れて、練習をしてきている学校だ。
正直、負けるのはわかっている。
でも、試合を諦めたくはない。
一本でも多くシュートを決めて、点差は縮めたい。
「コタっ!」
インからアウトの絶好のパス。
それでも相手は素早く反応してきて俺はスリーからドリブルに切り替えて中へと切り込む。
ペイントエリア内、そんなインサイドは俺より二十センチも高いやつらがゴロゴロしていて前が見えない。
隙間を縫ってレイアップに向かったが、ボールははたき落とされて俺も強い当たりでコートの外に吹き飛ばされた。
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