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大会

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 やたら気疲れした学校祭もやっと終わると、すぐにウインターカップ予選が始まる。
 まぁ、予選というだけで県大会さえもいけるかどうかのうちのチームは目の前の試合にただ挑むのみだが。
 春に引退しているうちとは違って、強豪校にとっては三年生最後の試合で気合いを入れる大会でもある。

「あいつも緊張してんのかな?」

 体育館に向かったダイの後ろ姿を見送って呟いたトモ。
 来週はテスト週間だということもあってか、いつも緊張しまくるトモは教科書を持っていた。

「緊張はみんなするだろ?新チーム初試合だし?」

 俺は回していたボールをピタリと止める。
 こっちに目を向けたトモは大きく息を吐き出した。

「アップまではまだだっけ?」
「前の試合、第二が始まったらヨッシーから連絡くるはずだからな……まだだな」

 スマホを確認して俺はまたボールを回し始める。

「気晴らしに女バス見てくるか?ダイも行ったし今うちの女バス試合してるだろ?」
「へぇ」
川井かわいも今、試合じゃないのか?」

 トモと話していると珍しくコタが割り込んできた。

「あいつの試合絶対凄ぇじゃん。ヘコまねぇ?」

 女の試合なんて喜んで行きそうなのに、クルッと背を向けて縮こまったその背中を見つめる。
 今まで女ってだけで軽く告っているように見えたが、どうやら今回は違うらしい。

 結局、アップをしに体育館に着いた俺は目を奪われているダイと何だかんだ目で追っているトモの視線の先に同じ女が居ることに気づいて、深いため息を吐く。
 とにかく面倒なことにはならないことを願った。
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