38 / 134
学校祭、準備
4
しおりを挟む
「小嶋くん、意外と柔軟な考え方するのね。ミキの扱い方も慣れてる」
「は?」
首を傾げると、菊川は小さく笑った。
「ごめん。正直、もっと保守的で頭固いかと思ってただけ。それにそんな言い方するイメージなかったから」
くすくすと笑われて、素のまま「バカ」とまで口にしたのを思い出す。
「小嶋はクソ真面目だけど、つまんなくはないよ」
笑う三木はいつも通りで気にした様子もない。
「クソ真面目は褒め言葉じゃない」
「でも、小嶋っぽい言葉でしょ?」
「お前な」
呆れると、聞いていた菊川が笑い出した。
「お互い“素”なのね!納得」
「「は?」」
ハモってしまってお互いの顔を見ると、菊川が更に笑う。
「しかも、小嶋くんはちゃんと“三木”って呼ぶのね!」
「いや、別に……」
「見た目に左右されずにしっかりミキを見てる。それって結構凄いことよ」
菊川に微笑まれて三木を見ると、
「小嶋ーぁ!デートしよっかー!」
三木がケタケタと笑った。
「フザけてんなよ?」
「布!こんな感じのにしたいって一つ作って見せた方がわかるでしょ?」
「人の話を聞け」
どう考えたってめちゃくちゃなやり取りなのに菊川はなぜか嬉しそうに微笑む。そして、
「予算とかは私も吉井くんと相談してみるわ!裏方は任せて!じゃあ!」
手をヒラヒラさせて、菊川は歩いて行ってしまった。
「やったね!とりあえず、イメージ作ったらまた言うね!」
普段無気力なくせにこのやる気。
走っていくその後ろ姿を見て、俺は息を吐き出した。
「は?」
首を傾げると、菊川は小さく笑った。
「ごめん。正直、もっと保守的で頭固いかと思ってただけ。それにそんな言い方するイメージなかったから」
くすくすと笑われて、素のまま「バカ」とまで口にしたのを思い出す。
「小嶋はクソ真面目だけど、つまんなくはないよ」
笑う三木はいつも通りで気にした様子もない。
「クソ真面目は褒め言葉じゃない」
「でも、小嶋っぽい言葉でしょ?」
「お前な」
呆れると、聞いていた菊川が笑い出した。
「お互い“素”なのね!納得」
「「は?」」
ハモってしまってお互いの顔を見ると、菊川が更に笑う。
「しかも、小嶋くんはちゃんと“三木”って呼ぶのね!」
「いや、別に……」
「見た目に左右されずにしっかりミキを見てる。それって結構凄いことよ」
菊川に微笑まれて三木を見ると、
「小嶋ーぁ!デートしよっかー!」
三木がケタケタと笑った。
「フザけてんなよ?」
「布!こんな感じのにしたいって一つ作って見せた方がわかるでしょ?」
「人の話を聞け」
どう考えたってめちゃくちゃなやり取りなのに菊川はなぜか嬉しそうに微笑む。そして、
「予算とかは私も吉井くんと相談してみるわ!裏方は任せて!じゃあ!」
手をヒラヒラさせて、菊川は歩いて行ってしまった。
「やったね!とりあえず、イメージ作ったらまた言うね!」
普段無気力なくせにこのやる気。
走っていくその後ろ姿を見て、俺は息を吐き出した。
10
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
黄昏は悲しき堕天使達のシュプール
Mr.M
青春
『ほろ苦い青春と淡い初恋の思い出は・・
黄昏色に染まる校庭で沈みゆく太陽と共に
儚くも露と消えていく』
ある朝、
目を覚ますとそこは二十年前の世界だった。
小学校六年生に戻った俺を取り巻く
懐かしい顔ぶれ。
優しい先生。
いじめっ子のグループ。
クラスで一番美しい少女。
そして。
密かに想い続けていた初恋の少女。
この世界は嘘と欺瞞に満ちている。
愛を語るには幼過ぎる少女達と
愛を語るには汚れ過ぎた大人。
少女は天使の様な微笑みで嘘を吐き、
大人は平然と他人を騙す。
ある時、
俺は隣のクラスの一人の少女の名前を思い出した。
そしてそれは大きな謎と後悔を俺に残した。
夕日に少女の涙が落ちる時、
俺は彼女達の笑顔と
失われた真実を
取り戻すことができるのだろうか。
それでも俺はあなたが好きです
水ノ瀬 あおい
青春
幼なじみの力也(リキ)から頼み込まれて啓南男子バスケ部のマネージャーになった吉井流星(ヨッシー)。
目に入ったのは睨むようにコートを見つめる女バスのマネージャー。
その姿はどこか自分と似ていると思った。
気になって目で追う日々。
だけど、そのマネージャーは男バスキャプテンのセイに片想いをしていた。
意外と不器用なヨッシーのバスケと恋愛。
ARIA(アリア)
残念パパいのっち
ミステリー
山内亮(やまうちとおる)は内見に出かけたアパートでAR越しに不思議な少女、西園寺雫(さいおんじしずく)と出会う。彼女は自分がAIでこのアパートに閉じ込められていると言うが……
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
全力でおせっかいさせていただきます。―私はツンで美形な先輩の食事係―
入海月子
青春
佐伯優は高校1年生。カメラが趣味。ある日、高校の屋上で出会った超美形の先輩、久住遥斗にモデルになってもらうかわりに、彼の昼食を用意する約束をした。
遥斗はなぜか学校に住みついていて、衣食は女生徒からもらったものでまかなっていた。その報酬とは遥斗に抱いてもらえるというもの。
本当なの?遥斗が気になって仕方ない優は――。
優が薄幸の遥斗を笑顔にしようと頑張る話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる