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学校祭、準備

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「ごめん。小嶋くん、忘れて」

 三木のTシャツを引っ張って菊川がこっちを向く。

「は?」
「ちゃんと言い聞かせるから……」

 菊川に言われて少しシュンとしている三木。

「……三木、できるのか?」
「え?」

 聞くと、三木は顔を上げた。

「男女で役割分けてたのは疑問があったんだ。今まで通りでやりたい奴はそのままでもいいけど、女も調理苦手な奴は接客にって変えるのは賛成する」
「ちょ、小嶋くん!?」

 止めようとしてきた菊川に手で制して続ける。

「あと、男バスは黒のエプロンが十五枚ある。三年は部の出し物には関わらないからそれで足りるし、女バスだけロングエプロンでも作ればいいんじゃないか?」
「えーメイドはー?」
「布とかいくらするか知らないけど、予算的にも……」
「別にそれは私が勝手に作るから」
「バーカ。部での出し物だ。そこはちゃんとしろ。去年までの経費の内訳あるだろうからそれ見て要相談だ」

 顎に手をやってヨッシーにそこを調べてもらおうと思っていると、ガッと俺の手を握られた。

「バレー部がカラフルドリンクやるらしいから、飲み物はそっちに任せてフードメニューだけとかにすればいい?」

 嬉しそうな三木を見てこっちも笑ってしまう。

「それもみんなに相談だろ?俺らだけで勝手に決める訳にはいかない。だろ?」

 菊川を見ると、ため息を吐いてからこっちを見てきた。
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