俺を見てよ

キッツ……

マジでやるんじゃねぇのかよ

「なぁ、ふじ！うさぎの首にＴっての付いてたんだよ！お前知ってんだろ？」
「はぁ？高木のＴだろ？」

　面倒だから言いたくなかった。

「……お前やっぱり知ってるだろ」
「うるせぇなぁ！おい！集合だよ！んな元気あるんなら走れ！バーカ！」

　逃げるように走って集合する。
　高晴のＴだ。バーカ。
　うちの兄貴がお前の姉ちゃんの彼氏だなんて……絶対言いたくない。

「スリーメンからの３対２。その後で軽くディフェンス確認してゲームやるぞ」

　返事をしつつ、隣に居る勇を見るとあくびをしていて軽く蹴りを入れた。

「お前、夏はマジでやるんじゃないのかよ」
「えーそれまでの練習もはキツくね？」
「マジで嫌い、お前……」

　呟くと上から頭をわしゃわしゃとされる。
　笑ってんじゃねぇよ。
　勇にイラつきながらエンドラインまで走って、俺はすぐに他のメンバーとスリーメンに出た。
　レイアップを決めて、他の２人がSGシューティングガードとPFパワーフォワードだったのもあってすぐに俺がボールをもらう。
　ドリブルをしながら前を向くと、ディフェンスで出てきたのは勇と俺と同じPGポイントカード。
　SGにパスを回してボールはそこからポストに入ったPFへ。
　だが、勇が後ろをしっかり守っていてボールは俺のところへ戻ってくる。