俺を見てよ

水ノ瀬 あおい

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羨ましい……

褒めてよ

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 その後は兄貴から電話来ようが無視してみんなでご飯を食べて……またアトラクション乗りまくって。
 実は2人で歩いている兄貴たちを見かけたりもしてちょっと……いや、結構羨ましかった。
 手も繋がず中途半端な距離で歩いていたけど。

「ねぇ、ベタに最後は観覧車でシメようよ」

 さおさんがうさぎを両手で抱き締めながら振り返ると、

「ん?俺と春馬、高所恐怖症だから。喉乾いたしそこら辺で待ってるわ」

 竜太くんはわかりやすく気を遣う。

「さっきまで普通にジェットコースター乗ってたじゃない」

 ほら、バレバレ。

「ん?高所恐怖症だけどスピード狂なんだよ。いいじゃん。観覧車くらい2人で行ったって」

 それでも竜太くんはにっこり笑った。

「……乗るんでしょ?行こ」

 俺は複雑な顔をしているさおさんの手を取って歩き出す。

「でも……」
「別にジンクス信じてキスとかしないし」
「当たり前でしょ!」
「なら乗るだけじゃん?行こ」

 そのまま歩き続けるとやっとさおさんはため息を吐いてから隣に並んでくれた。

「私に勝ってないのにぃ」
「むしろ、市大会2回戦負けするようなチームの俺が自力で景品これゲットしたんだから褒めてよ」

 ピンクのうさぎをひょこっと出すとさおさんはくすくすと笑い出す。

「基晴くん、かわいい顔してるからそれ似合うよ?」
「男がピンクのうさぎ持ってて似合うなんて嬉しくないよ」
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