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俺にしなよ……
手を繋いで
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竜太くんが兄貴をからかいに行って、俺とさおさんは並んで歩く。
夜は混むだろうって避けたのに1日の朝も結構な人で小さい俺とさおさんは前に進むのも必死。
「基晴くん!はぐれないように手を繋ごうか!」
人波に流されそうになった俺の手を握ってさおさんが笑う。
柔らかくて細くて、ちょっと冷たいさおさんの手。
「基晴くんの手あったかいねぇ…ごめんね。私、冷たくて」
笑うさおさんに俺は首をフルフルと振ることしかできない。
めちゃくちゃ顔が熱い。
真っ赤だって見なくてもわかる。
だって、さおさんと手を繋いでるんだぞ!?
チラッとさおさんの方を見るとにっこり笑われる。
「うーん……これで私たちは一緒に居られるけど、みんなとははぐれちゃったねぇ」
キョロキョロと辺りを見てさおさんは困ったように笑った。
俺も周りを見てみるけど、人が居すぎてデカいみんなもわからない。
そもそも目の前の人で何も見えないんだよなぁ。
「兄貴か竜太くんにでも電話してみる?」
ポケットのスマホを取ろうとすると、さおさんは小さく首を横に振る。
ヤバい……かわいい……。
夜は混むだろうって避けたのに1日の朝も結構な人で小さい俺とさおさんは前に進むのも必死。
「基晴くん!はぐれないように手を繋ごうか!」
人波に流されそうになった俺の手を握ってさおさんが笑う。
柔らかくて細くて、ちょっと冷たいさおさんの手。
「基晴くんの手あったかいねぇ…ごめんね。私、冷たくて」
笑うさおさんに俺は首をフルフルと振ることしかできない。
めちゃくちゃ顔が熱い。
真っ赤だって見なくてもわかる。
だって、さおさんと手を繋いでるんだぞ!?
チラッとさおさんの方を見るとにっこり笑われる。
「うーん……これで私たちは一緒に居られるけど、みんなとははぐれちゃったねぇ」
キョロキョロと辺りを見てさおさんは困ったように笑った。
俺も周りを見てみるけど、人が居すぎてデカいみんなもわからない。
そもそも目の前の人で何も見えないんだよなぁ。
「兄貴か竜太くんにでも電話してみる?」
ポケットのスマホを取ろうとすると、さおさんは小さく首を横に振る。
ヤバい……かわいい……。
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