翼の島の勇者たち

花乃 なたね

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終章 とある少女の物語

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 海の上に、小さな島がありました。
 その島には、大いなる力を持つ神鳥かみどりが住んでいました。
 神鳥の力で、島は守られ、美しい自然であふれていました。
 いつからか、島に人も住むようになり、人々は神鳥を崇め、捧げものをしました。
 神鳥は人々の心に応え、彼らに自由に空を飛ぶことができる、魔法の翼を授けました。
 そして、人々が外の世界から侵略を受けないよう、島を不思議な力で守りました。
 神鳥と人との結びつきは、一層強くなりました。
 しかし、邪悪な人間が、神鳥の力を奪おうと戦いを挑みました。
 戦いの果て、多くの人間が死に、神鳥は傷つけられ、魂の欠片を失ってしまいました。
 神鳥は魂の欠片をなくしてしまったため、元通りに動くことができず、海の底で、長い長い眠りにつきました。
 眠りにつく前に、神鳥は人々に言いました。

「失われた我が魂が再び返るとき、島はあるべき姿に戻るだろう」

 それから千年もの時が経ったある日、一人の少女が島に迷い込んできました。
 島の人々と少女は、すぐに友達になりました。
 実はその少女は、長い時を経て姿を変えた、神鳥の魂の欠片だったのです。
 少女は自分のするべきことを知り、勇気をもって自分を犠牲にして、神鳥を目覚めさせました。
 少女がいなくなったことを悲しんだ友達の願いによって、少女はもう一度、人間として島に帰ってくることができました。
 神鳥が目覚め、あるべき姿に戻った島で、少女は大好きな友達と家族に囲まれて、いつまでも幸せに暮らしたのでした。 
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