上 下
12 / 26

10話 不満はないのかと言われましても

しおりを挟む
 剣術大会から二日後、わたしとディオンそれぞれに、一通の招待状が届けられた。
 差出人はなんと――公国の貴族の皆さん。先日のディオンの優勝を称え、祝いの席を設けたいという内容だった。わたしのことは女性貴族が、ディオンのことは男性貴族がそれぞれおもてなしをしてくれるようだ。
 せっかくなら二人で同じ場に行きたかったけれど……お断りするのは失礼だしまたとない機会なので、招待状に示された場所にそれぞれ向かうことにした。

***

「ようこそ、セシーリャさん」

 立派な屋敷で出迎えてくれたのは、四人の女性貴族――ミランダ、ブランディーヌ、カロリナ、そしてエリッサだ。皆、わたしと年代はあまり変わらない。エリッサだけは、まだ十八歳らしい。
 お呼ばれにあたり、キャリィとシャリィが気合いを入れて準備をしてくれた今日のわたしの恰好は、柔らかい黄緑色のくるぶし丈のドレスだ。日中に着るもので肌の露出は少なく、スカート部分もあまり広がらない。髪型はシンプルに一本の三つ編みにして垂らしているが、白いリボンを一緒に編み込んでいるので華やかだ。
 迎えてくれた方々もわたしと同じような昼用の礼装姿だけれど、やはりまとう雰囲気は洗練された貴族のそれだった。
 貴族の方と接するのはもちろん初めてではないけれど、何せすっかり緩み切っていた中での突然のお呼ばれ。失礼のないように気を付けないと……。

「セシーリャ・エインゼールと申します。本日はお招き頂きましてありがとうございます」
「そう緊張なさらないで。私たち、あなたにお会いできるのを楽しみにしていたの。お友達になりましょう?」

 さあこちらへとミランダにうながされ、用意された部屋へ向かう。少人数で集まるためのそこまで広くない部屋で、日差しが差し込んで温かい雰囲気で包まれている。真っ白なクロスがかかった丸テーブルの上にはティーポットとカップの他、ケーキやクッキーなどのお菓子、食べやすく切られた果物、薄く切ったパンの上にチーズやハムを乗せたものなどが所せましと並んでいた。
 席につくと使用人がやって来て、カップにお茶を注いでくれた。人数分の用意を終えて、ご用があればお申し付けくださいと言いすぐに出て行った。

「セシーリャさんはフロレンシア王国の方だそうね?」

 右隣に座るカロリナに問われ、わたしは頷いた。

「はい。わたしは貴族ではなくて……魔術師をしております」
 
 ブランディーヌが目を輝かせた。

「まあ、魔法が使えるの? 見せて頂くことはできる?」
「は、はい。少しなら」

 彼女たちに見えるよう、右手を軽く挙げて手の平を上に向け、軽く魔力を動かした。雪の結晶が生まれ、わたしの手の上をひらひらと舞う。驚きと感嘆の声があがった。

「すごいわぁ。わたし、本物の魔法使いさんにお会いしたのは初めてよ」
「こんなにすごい方とお友達になれてとても嬉しいわ」

 皆が人見知りのわたしにも優しく接してくれたおかげで、緊張が解けるのにあまり時間はかからなかった。しばらく談笑が続いた後、ところで、とミランダが切り出した。

「一昨日の剣術大会でのあなたの旦那様、本当に素晴らしかったわね。あんなにお強い方、私は見たことがないわ」
「ええ、まったくよ! 旦那様とはどこでお知り合いになったの?」

 カロリナが身を乗り出す。

「魔術師の仕事で、魔物退治に出向いたときに偶然出会いまして……彼がわたしに一目惚れをしてくれたんです」

 ディオンについて他の人に話す機会はほぼないので少し恥ずかしい。まあぁ、と周りが色めき立った。

「あんなにハンサムな上に強い方に見初めてもらえるだなんて、素敵!」
「それにディオンは……夫は、とても優しくて誠実な人です」

 でも、とミランダが口を開いた。

「一つくらい、不満があるのではなくて?」
「不満、ですか?」

 わたしはきょとんとして聞き返した。今まで考えもしなかったことだ。

「いいえ、特にはありません」

 「あなたの幸せが俺の幸せだ」と言ってくれる人に不満なんて抱くはずもない。
 ディオンがいなくなったら、わたしは寂しくて死んでしまうかもしれない。結婚なんてしなくてもいいと考えていた頃が嘘みたいに思える。

「どんなに小さなことでもいいのよ。素敵な人にだって、欠点の一つはあるものでしょう?」
「誰にも言わないから、こっそり教えてくださらない?」

 ミランダに続きブランディーヌまでもが問うてくる。もちろんミランダの言う通り、誰にでも欠点はあるというのは分かっている。でも……ディオンの欠点は何かと言われてもすぐ答えられない。
 ランドルフはディオンのことを「頑固で頭でっかち」と言っていたけれど、わたしは彼の意志を貫く姿勢も魅力的だと思っているし、尊敬している。

「いくら優しいって言っても、男の人って、ちょーっと甘えてわがままを言っただけで怒ったりするでしょう?」

 カロリナが口を尖らせる。
 そもそもディオンには、従士としてかなり負担をかけてしまっているという自覚はあるのであまり寄りかかりすぎてはいけないと常日頃から気を付けてはいる。
 それでも、気を抜くとつい「髪をとかして」やら「明日の朝はパンケーキが食べたい」と言ってしまうことがある。そんな時でもディオンは嫌な顔ひとつ見せず、わたしの髪を毛先まで丁寧にとかしてくれるし、とびきり美味しいパンケーキを焼いてくれる。
 他にも、かかとの高い靴を履いた後は足が痛いとこぼすわたしのために香油を手に入れてきて、丁寧に足に塗ってくれたりもする。

「いえ、わたしのお願いは何でも聞いてくれて……申し訳なくなるくらいです」

 次に口を開いたのはブランディーヌだ。

「わたしの夫なんて、他の男と話すななんて言ってわたしのことを束縛してくるくせに、自分は別の女性に鼻の下を伸ばしたりするのよ! セシーリャさんの旦那様もそういうことをするでしょう?」
「い、いえ、とんでもありません!」

 ディオンはやきもち焼きだけれど、本当にわたしが浮気をすると思っているわけではない。わたしに構ってもらいたいがための口実のようなものだ。落ち着きがあって紳士な彼が子供みたいに顔をすり寄せて甘えてくる姿にはきゅんとしてしまう。母性本能がくすぐられる、とはこのことだと思う。
 もちろん、ディオンが他の女の人に目移りするようなことも絶対にない……つい数日前、改めてたっぷりと教え込まれたところだ。
 一体わたしの何にそこまで夢中になってくれているのか未だに分からない部分もあるけれど、こういうものはすべてを理屈では語れない。
 テーブルを囲む貴族たちが、顔をしかめた。

「本当に何もないの? 酒癖が悪いとか!」
「彼はほとんどお酒を口にしない人なので……」

 酔ったらどうなるのかしら。それはちょっと気になるかも。

「愛してるって言ってくれないとか、キスしてくれないとか!」
「毎日言ってくれますし、します。わたしからも」

 世の中の夫婦はそうではないのだろうか……もしかしてわたしたち、変なの?

「じ、じゃあ、夫婦のねやが少ないとか、下手とかは!?」
「ええええっ!?」

 あまりにも明け透けな質問に、わたしは目を丸くした。そんな話はプリシラともまともにしたことがない。
 貴族の女性でも、仲の良い友人同士なら当然する話なのかしら……。

「あ、えっと、その……大満足です……」

 何をもって上手いか下手かを決めるのかは分からないけれど……指の一本もまともに動かせなくなるくらいにとろとろにされて、抱きしめられながら優しいキスの雨を浴びて眠りに落ちるとき、女性に生まれて良かったと心から思える。
 それに普段はどっしり構えているディオンが前髪を汗で額にぴったり張り付かせて、余裕のない表情を浮かべている姿も色気がものすごくて……って、さすがにこんなことは他の人には言えないわ。
 それにしてもどうして急に皆、ディオンへの不満を聞き出そうと必死になっているのだろう。せっかくのお菓子も、美味しさが失せてしまうような気がする。さっきみたいに楽しい話がしたいのだけれど……。

「……ねえエリッサ、あなたも何か言いなさい。婚約者の不満、あるでしょう?」

 ミランダがエリッサに声をかけた。そういえば、先ほどまでは楽しそうにお喋りに参加していたのに急に黙りこくってしまっている。

「あ……」

 エリッサは大人しそうな女の子だ。水色のドレスに身を包み、ゆるく波打った栗色の髪を下の方で結い、ドレスと同じ色のリボンでまとめている。

「あの……婚約者は、ニコラは……いつもふざけてばかりで、わたしが悩んでいても、全然気にもとめないで変なことばかりして……困るんです……」

 性格があまり合わないのかしら――そう思いかけたけれど、うつむきながらぽつぽつと話すエリッサの姿に、何だか違和感を覚えた。わたしは勘が鋭い方ではないけれど、無理をして心にもないことを言っているような……?

「エリッサ、間違いだったらごめんなさい。無理してない?」

 彼女の姿があまりにも切なく見えて、わたしは思わずそう問いかけてしまった。エリッサがはっと顔をあげる。

「あ、あの、わたし……」
「わたし、あなたの婚約者さんのことは何も存じ上げないけれど……エリッサは、その方のそういうところが本当は好きなのではないかという気がして……」
「セシーリャさん……」

 エリッサはそれきり黙って、またうつむいてしまった。周りを見回すと、ミランダもブランディーヌもカロリナも、怒っているのか呆れているのか、信じられないといった顔でわたしを見ている。

――もしかして、変なことを言ってしまったのかしら

 背筋がすっと寒くなる。大魔術師として、思ったことを何でも口に出さないよう自分の発言には十分に気を付けているつもりだったけれど、エリッサの姿が見ていられなくて……でも、わたしの発言のせいで一気に楽しいはずの場が凍り付いてしまった。
 どうしよう、ディオンならこういう時どうするかしら。できるなら今すぐこの場から逃げ出したい――

「失礼致します」

 重苦しい空気が漂っているところに、一人の使用人が入ってきた。わたしの隣にやって来て、姿勢を低くする。

「セシーリャ様、旦那様がお見えですが……」
「すぐに行きます!」

 反射的にがばっと立ち上がってしまった。ディオンが迎えに来てくれた。彼も別の場所でおもてなしを受けていたはずだけれど、もうお開きになったのかもしれない。

「あの、わたしのせいでご迷惑をおかけして申し訳ありません。夫が来ましたのでここで失礼致します。楽しかったです。ありがとうございました!」

 話し相手になってくれた彼女たちにできるだけ丁寧に礼を述べた。わたしのために設けられた場ではあるけれど、これ以上いても雰囲気が悪くなるだけだろう。ここから先は、わたし抜きで楽しんでもらった方がいいはずだ。
 使用人の後に続いて部屋を出て行く。残された貴族たちの会話が耳に入ってきた。

「どうしましょう、叱られちゃうわ……」
「羨ましい、わたしだって……」
「……仕方がないわ。あちら側に賭けましょう」

 一体、何の話かしら。気にはなったけれど、足は止めなかった。

***

「ディオン!」

 屋敷のエントランスまで戻ると、ディオンがそこにいた。

「セシーリャ、そんなに慌てて……大丈夫か?」
「……その、わたしのせいで空気を悪くしてしまって……これ以上長居するとご迷惑になってしまうわ」

 肩を落とすわたしに対しディオンはそれ以上深く聞いてくることはなく、優しく頭を撫でてくれた。

「気にしない方がいい。どれほど優れた人でも、いつだって上手くやれるとは限らないものだ……実は俺も上手く馴染めなかったものだから、こうして抜けてきた」
「ディオンもなの?」

 彼はものすごく人当たりが良くて、従士たちの間ではすっかり人気者なのに……やはり、貴族というのはなかなか難しいのかもしれない。いつも仲良くしてくれるプリシラの優しさが染みる。

「後は二人でゆっくり過ごそう。やはり、俺はセシーリャといるのが一番楽しい」
「そうね、わたしも同じ。ディオンと一緒にいるのが一番幸せだわ」

 やっぱり不満なんて抱けない。最高の旦那様だ。
 彼と揃って屋敷を後にし、あとは二人きりの時間を満喫することにした。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

拝啓、婚約者さま

松本雀
恋愛
――静かな藤棚の令嬢ウィステリア。 婚約破棄を告げられた令嬢は、静かに「そう」と答えるだけだった。その冷静な一言が、後に彼の心を深く抉ることになるとも知らずに。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛

らがまふぃん
恋愛
 こちらは以前投稿いたしました、 美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛 の続編となっております。前作よりマイルドな作品に仕上がっておりますが、内面のダークさが前作よりはあるのではなかろうかと。こちらのみでも楽しめるとは思いますが、わかりづらいかもしれません。よろしかったら前作をお読みいただいた方が、より楽しんでいただけるかと思いますので、お時間の都合のつく方は、是非。時々予告なく残酷な表現が入りますので、苦手な方はお控えください。 *早速のお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます。とても励みになります。前作もお読みくださっている方々にも、多大なる感謝を! ※R5.7/23本編完結いたしました。たくさんの方々に支えられ、ここまで続けることが出来ました。本当にありがとうございます。ばんがいへんを数話投稿いたしますので、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。この作品の前作が、お気に入り登録をしてくださった方が、ありがたいことに200を超えておりました。感謝を込めて、前作の方に一話、近日中にお届けいたします。よろしかったらお付き合いください。 ※R5.8/6ばんがいへん終了いたしました。長い間お付き合いくださり、また、たくさんのお気に入り登録、しおり、エールを、本当にありがとうございました。 ※R5.9/3お気に入り登録200になっていました。本当にありがとうございます(泣)。嬉しかったので、一話書いてみました。 ※R5.10/30らがまふぃん活動一周年記念として、一話お届けいたします。 ※R6.1/27美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛(前作) と、こちらの作品の間のお話し 美しく冷酷な公爵令息様の、狂おしい熱情に彩られた愛 始めました。お時間の都合のつく方は、是非ご一読くださると嬉しいです。 *らがまふぃん活動二周年記念として、R6.11/4に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。

ハズレ嫁は最強の天才公爵様と再婚しました。

光子
恋愛
ーーー両親の愛情は、全て、可愛い妹の物だった。 昔から、私のモノは、妹が欲しがれば、全て妹のモノになった。お菓子も、玩具も、友人も、恋人も、何もかも。 逆らえば、頬を叩かれ、食事を取り上げられ、何日も部屋に閉じ込められる。 でも、私は不幸じゃなかった。 私には、幼馴染である、カインがいたから。同じ伯爵爵位を持つ、私の大好きな幼馴染、《カイン=マルクス》。彼だけは、いつも私の傍にいてくれた。 彼からのプロポーズを受けた時は、本当に嬉しかった。私を、あの家から救い出してくれたと思った。 私は貴方と結婚出来て、本当に幸せだったーーー 例え、私に子供が出来ず、義母からハズレ嫁と罵られようとも、義父から、マルクス伯爵家の事業全般を丸投げされようとも、私は、貴方さえいてくれれば、それで幸せだったのにーーー。 「《ルエル》お姉様、ごめんなさぁい。私、カイン様との子供を授かったんです」 「すまない、ルエル。君の事は愛しているんだ……でも、僕はマルクス伯爵家の跡取りとして、どうしても世継ぎが必要なんだ!だから、君と離婚し、僕の子供を宿してくれた《エレノア》と、再婚する!」 夫と妹から告げられたのは、地獄に叩き落とされるような、残酷な言葉だった。 カインも結局、私を裏切るのね。 エレノアは、結局、私から全てを奪うのね。 それなら、もういいわ。全部、要らない。 絶対に許さないわ。 私が味わった苦しみを、悲しみを、怒りを、全部返さないと気がすまないーー! 覚悟していてね? 私は、絶対に貴方達を許さないから。 「私、貴方と離婚出来て、幸せよ。 私、あんな男の子供を産まなくて、幸せよ。 ざまぁみろ」 不定期更新。 この世界は私の考えた世界の話です。設定ゆるゆるです。よろしくお願いします。

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。

鶯埜 餡
恋愛
 ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。  しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが

王子殿下の慕う人

夕香里
恋愛
エレーナ・ルイスは小さい頃から兄のように慕っていた王子殿下が好きだった。 しかし、ある噂と事実を聞いたことで恋心を捨てることにしたエレーナは、断ってきていた他の人との縁談を受けることにするのだが──? 「どうして!? 殿下には好きな人がいるはずなのに!!」 好きな人がいるはずの殿下が距離を縮めてくることに戸惑う彼女と、我慢をやめた王子のお話。 ※小説家になろうでも投稿してます

皇太子夫妻の歪んだ結婚 

夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。 その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。 本編完結してます。 番外編を更新中です。

処理中です...