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第四話 犯人は?
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「でもなあ…、あいつがそこまで悪辣な事をするとは思えないんだがなあ…」
する…というより、できないだろう。
インドラ・シェルチャンは死刑に相当するほどの犯罪を犯す度胸はないと、小角は認識している。
要するに小物なのだ。
タカリ族の当主の座についた今は、余計失敗はしたくないはず。
いや、それとも張り切って、一発当てたいとか思ったんだろうか?
仇敵のような関係だが、何故か小角はインドラ・シェルチャンを心底憎む気にはなれない。
それは、彼の双子の兄を殺したのが、小角の母親だという負い目からかも知れない。
それとも友達に似ていたからか?
中身はともかく、外見は昔の友人レイクにそっくりなインドラ…。
小角の母親は小角もその義父も生きていた頃自殺して、その死体に妖魔が取り付いたのだ。
シティ最地下の死体置き場から、冷凍されたままの霜のついた死体で出て来た。
その姿を小角はよく覚えている。
そしてそのまま彼女は行方不明になってしまった。
その時はまだ、シティで妖魔の存在自体が知られていなかったので、未解決事件として登録されたままだ。
そして、小角がカトマンズに時間移民としてパトロールになった時再会した。
その時にはもはや生前とは全く違う、このあたりの妖魔の首領のような存在になっていた。
外見は変わらず美しいままで、若い男が大好きで、楽しそうにその命を取る。
小角の友人ハヌマンをはじめ多くのソマ族に狙われているはずなのに、悠々と生きながらえている。
何百年もの間。
しかも、母は小角が困る事は何でもする。
非常に屈折した愛情を持つ人だった。
むろん、インドラの兄も小角のよい友人になりそうだったので、殺されたのである。
「尾鷹はさあ、ほら、ああいう顔だから…。
きれいだし(再度年のため、星野はニューハーフでもない。ただの男性である)
それにおまえを困らせるために企んだ、とかありそうだよな」
むろん相棒はあの噂を知っているのだ。
どこかインドラに似た細い目をそらすジジャ。
「ああ、それならわかる、あいつは俺が嫌がるなら地球だって売り飛ばしかねん。
インドラの所へ行こう」
「馬鹿、すぐネタの割れるような事するわけないだろう。
それに一応シェルチャン家は街の名士だからな。
めったな事では踏み込んだりできないんだ」
「うう…、局長に相談してみよう」
二人は重い気分でパトロール局に戻った。
◇
「証拠はあるのか?」
局長は眉間に皺を寄せて二人を見た。
否定の意味だ。
「畜生…、俺がもっと気を付けていたら…。
最近星野はやばい事に首を突っ込んでいたんだ。
察しは着いていたのに…」
局長室を出ると、小角が絞り出すような声で言った。
「ぼやいてないで捜査に行くんだ。
お前は今、尾鷹が担当している事件の絡みだと思うんだな?」
「証拠はないが、そんな気がする」
「シェルチャン家に踏み込む前に、手近でできる事をまず済ませよう」
求める相手はパトロール溜まりと呼ばれる休息室にいた。
二人は彼を中庭に引っ張り出す。
「何だよ、俺まだ眠いんだよ」
星野の相棒はシルクロードの仏像のような顔を顰めて文句を言った。
「お前にぜひとも、今回の捜査の事を吐いてもらわんとならなくなったぜ」
「なんだと? そんなに恋人の事が心配なら…」
どか、
小角のパンチがきれいに相手の下腹に入った。
星野の相棒は腹を抑えて転げ回る。
「よせ馬鹿、口がきけなくなったら時間の無駄だ」
パトロール・ジジャが小角を止めた。
「すまん、こいつが要領よく寝てる間に、星野が誘拐されたかと思うと…」
「そういう事するから噂に…」
その先は言葉を濁してジジャは星野の相棒を助け起こす。
「すまんな、緊急事態なんだ。
今日までの捜査の話聞かせてくれんか?
尾鷹が誘拐された」
「なあにいい…? 馬鹿な、あいつはあんなきれいな顔してるが、小型洗車並みに強いんだぜ。
五人や住人相手にしたって屁でもないんだぞ」
星野の相棒が驚きの叫びをあげた。
「そうか…、すると顔見知りの線も出て来るな」
「顔見知り…?」
小角とジジャが顔を見合わせた。
「もしかして…」
「ああ、あいつだ、あのバイニンだ」
「ラサから来た小僧だな?」
小角が星野の相棒の方を掴む。
「そう、ネズミみたいにちょろちょろして、陰気な餓鬼だ。確かシェルチャン商会に居るって」
ジジャも前に乗り出す。
「あいつ、まだカトマンズにいやがったのか」
二人は星野が少年を妖魔から救ったとき、応援に来たパトロールの中に居たので、知っていた。
「間違いない、そいつだ。俺が見たのもシェルチャン家だったからな。
当主の小間使いみたいな感じだったな」
ジジャがぽんと膝を叩いた。
「あいつやっぱり麻薬がらみだったのか、隊商に護衛もついてなかったからなあ。
怪しいとは思っていたんだ」
「え、という事は、シェルチャン商会は麻薬にまで手を出してるって事か?」
パトロール・ジジャは複雑な顔でため息をついた。
同じタカリ族の中から、半ざうしゃを出すのはしのびないのだろう。
しかもそれを暴く役目がどうやら自分に廻ってきそうな気配だが。
「もしかして、あんたはこの件から外してもらいたいだろう。
おれならシェルパ系だから、葛藤はないぜ。俺が小角と組もう。
その代わりバックアップしっかり頼むぜ」
星野の相棒が言った。
「ありがたい、できる限りサポートするよ」
「いや、俺も責任感じてるんだ。星野から目をはなしちゃったからな。
でもさぼってたんじゃないぜ、体力の限界だったんだ」
言い訳口調だが、前向きだ。
「星野は限界以上に働いてたって事か」
「そう、毎日俺が倒れた後からも色々回ってたみたいなんだ。
…ていうより、あのガキにふり回されてたのか」
「あのそばかすネズミか?」
「そう、あいつとんでもねえ悪ガキだぜ、あいつが来てから中毒患者が二割は増えたらしい。
麻薬課と少年課の頭痛の種だ」
「売人なのか?」
「すげえよ、多い日は十五万行くって」
十五万とは十五万ルピーの事。
市民の平均月収が一万、移民や難民だったら大の男でも三千行かないくらい。
成人の月収の十五倍ほどを一日で売り上げるという事だ。
「ふーん…」
「それがさ、何の居んがかあのガキ、尾鷹に面倒かける事ばっかしやがるんだ。
待ってたみたいに目の前で商売したり、大和人の若い子狙って勧誘したり」
「そうか、星野の睡眠不足はあのネズミのせいか。
でもなんであいつ…」
「俺はわざとじゃないかと思ったね。いや、絶対だ」
「えええ、何故? 星野は命の恩人なのに…」
「知らねえよそんなの、本人に聞けば?」
星野の相棒は大げさに手を振り上げた。
見当はついていても、藪をつついて蛇を出したくないのだろう。
「ふん、そうだな、シェルチャン商会に踏み込む事は出来なくても、ネズミをつかまえればいいんだ。
外にいる時なら捕まえて吐かせる事はできる。
よし行くぞ」
「おい、待て、俺も一緒に連れてけ!」
一人で飛び出す小角の後から星野の相棒が追いかけた。
「俺、プルバ・アン・カミてんだ。よろしくな!」
「おう、おれは西塔小角だ」
「知ってる、尾鷹がおまえの事ばっかり話してるからな。一日二十回は聞くぜ」
「ええー、そんなに?」
「うん、おまえはどうか知らんが、尾鷹は本当におまえが好きみたいだぜ」
「う、あー…」
一瞬、小角は捜査に行くのをやめようかと思った。
このまま星野が行方知れずになれば、わずらわされずに済む、いいじゃないか。
それに、恋人がいなくなった笑を、慰める役が回ってくるかも知れない…。
「まあそういうわけにも行かないか…」
どっかの城の、変態な王様のおもちゃなんかにしてしまうにはもったいない人材だ。
星野は顔以外も、かなり使える奴なのである。
ちょっと卑猥な想像が頭を巡って不機嫌になった。
邪な事は許せない。
心底パトロールな小角である。
「でもなあ…、あいつがそこまで悪辣な事をするとは思えないんだがなあ…」
する…というより、できないだろう。
インドラ・シェルチャンは死刑に相当するほどの犯罪を犯す度胸はないと、小角は認識している。
要するに小物なのだ。
タカリ族の当主の座についた今は、余計失敗はしたくないはず。
いや、それとも張り切って、一発当てたいとか思ったんだろうか?
仇敵のような関係だが、何故か小角はインドラ・シェルチャンを心底憎む気にはなれない。
それは、彼の双子の兄を殺したのが、小角の母親だという負い目からかも知れない。
それとも友達に似ていたからか?
中身はともかく、外見は昔の友人レイクにそっくりなインドラ…。
小角の母親は小角もその義父も生きていた頃自殺して、その死体に妖魔が取り付いたのだ。
シティ最地下の死体置き場から、冷凍されたままの霜のついた死体で出て来た。
その姿を小角はよく覚えている。
そしてそのまま彼女は行方不明になってしまった。
その時はまだ、シティで妖魔の存在自体が知られていなかったので、未解決事件として登録されたままだ。
そして、小角がカトマンズに時間移民としてパトロールになった時再会した。
その時にはもはや生前とは全く違う、このあたりの妖魔の首領のような存在になっていた。
外見は変わらず美しいままで、若い男が大好きで、楽しそうにその命を取る。
小角の友人ハヌマンをはじめ多くのソマ族に狙われているはずなのに、悠々と生きながらえている。
何百年もの間。
しかも、母は小角が困る事は何でもする。
非常に屈折した愛情を持つ人だった。
むろん、インドラの兄も小角のよい友人になりそうだったので、殺されたのである。
「尾鷹はさあ、ほら、ああいう顔だから…。
きれいだし(再度年のため、星野はニューハーフでもない。ただの男性である)
それにおまえを困らせるために企んだ、とかありそうだよな」
むろん相棒はあの噂を知っているのだ。
どこかインドラに似た細い目をそらすジジャ。
「ああ、それならわかる、あいつは俺が嫌がるなら地球だって売り飛ばしかねん。
インドラの所へ行こう」
「馬鹿、すぐネタの割れるような事するわけないだろう。
それに一応シェルチャン家は街の名士だからな。
めったな事では踏み込んだりできないんだ」
「うう…、局長に相談してみよう」
二人は重い気分でパトロール局に戻った。
◇
「証拠はあるのか?」
局長は眉間に皺を寄せて二人を見た。
否定の意味だ。
「畜生…、俺がもっと気を付けていたら…。
最近星野はやばい事に首を突っ込んでいたんだ。
察しは着いていたのに…」
局長室を出ると、小角が絞り出すような声で言った。
「ぼやいてないで捜査に行くんだ。
お前は今、尾鷹が担当している事件の絡みだと思うんだな?」
「証拠はないが、そんな気がする」
「シェルチャン家に踏み込む前に、手近でできる事をまず済ませよう」
求める相手はパトロール溜まりと呼ばれる休息室にいた。
二人は彼を中庭に引っ張り出す。
「何だよ、俺まだ眠いんだよ」
星野の相棒はシルクロードの仏像のような顔を顰めて文句を言った。
「お前にぜひとも、今回の捜査の事を吐いてもらわんとならなくなったぜ」
「なんだと? そんなに恋人の事が心配なら…」
どか、
小角のパンチがきれいに相手の下腹に入った。
星野の相棒は腹を抑えて転げ回る。
「よせ馬鹿、口がきけなくなったら時間の無駄だ」
パトロール・ジジャが小角を止めた。
「すまん、こいつが要領よく寝てる間に、星野が誘拐されたかと思うと…」
「そういう事するから噂に…」
その先は言葉を濁してジジャは星野の相棒を助け起こす。
「すまんな、緊急事態なんだ。
今日までの捜査の話聞かせてくれんか?
尾鷹が誘拐された」
「なあにいい…? 馬鹿な、あいつはあんなきれいな顔してるが、小型洗車並みに強いんだぜ。
五人や住人相手にしたって屁でもないんだぞ」
星野の相棒が驚きの叫びをあげた。
「そうか…、すると顔見知りの線も出て来るな」
「顔見知り…?」
小角とジジャが顔を見合わせた。
「もしかして…」
「ああ、あいつだ、あのバイニンだ」
「ラサから来た小僧だな?」
小角が星野の相棒の方を掴む。
「そう、ネズミみたいにちょろちょろして、陰気な餓鬼だ。確かシェルチャン商会に居るって」
ジジャも前に乗り出す。
「あいつ、まだカトマンズにいやがったのか」
二人は星野が少年を妖魔から救ったとき、応援に来たパトロールの中に居たので、知っていた。
「間違いない、そいつだ。俺が見たのもシェルチャン家だったからな。
当主の小間使いみたいな感じだったな」
ジジャがぽんと膝を叩いた。
「あいつやっぱり麻薬がらみだったのか、隊商に護衛もついてなかったからなあ。
怪しいとは思っていたんだ」
「え、という事は、シェルチャン商会は麻薬にまで手を出してるって事か?」
パトロール・ジジャは複雑な顔でため息をついた。
同じタカリ族の中から、半ざうしゃを出すのはしのびないのだろう。
しかもそれを暴く役目がどうやら自分に廻ってきそうな気配だが。
「もしかして、あんたはこの件から外してもらいたいだろう。
おれならシェルパ系だから、葛藤はないぜ。俺が小角と組もう。
その代わりバックアップしっかり頼むぜ」
星野の相棒が言った。
「ありがたい、できる限りサポートするよ」
「いや、俺も責任感じてるんだ。星野から目をはなしちゃったからな。
でもさぼってたんじゃないぜ、体力の限界だったんだ」
言い訳口調だが、前向きだ。
「星野は限界以上に働いてたって事か」
「そう、毎日俺が倒れた後からも色々回ってたみたいなんだ。
…ていうより、あのガキにふり回されてたのか」
「あのそばかすネズミか?」
「そう、あいつとんでもねえ悪ガキだぜ、あいつが来てから中毒患者が二割は増えたらしい。
麻薬課と少年課の頭痛の種だ」
「売人なのか?」
「すげえよ、多い日は十五万行くって」
十五万とは十五万ルピーの事。
市民の平均月収が一万、移民や難民だったら大の男でも三千行かないくらい。
成人の月収の十五倍ほどを一日で売り上げるという事だ。
「ふーん…」
「それがさ、何の居んがかあのガキ、尾鷹に面倒かける事ばっかしやがるんだ。
待ってたみたいに目の前で商売したり、大和人の若い子狙って勧誘したり」
「そうか、星野の睡眠不足はあのネズミのせいか。
でもなんであいつ…」
「俺はわざとじゃないかと思ったね。いや、絶対だ」
「えええ、何故? 星野は命の恩人なのに…」
「知らねえよそんなの、本人に聞けば?」
星野の相棒は大げさに手を振り上げた。
見当はついていても、藪をつついて蛇を出したくないのだろう。
「ふん、そうだな、シェルチャン商会に踏み込む事は出来なくても、ネズミをつかまえればいいんだ。
外にいる時なら捕まえて吐かせる事はできる。
よし行くぞ」
「おい、待て、俺も一緒に連れてけ!」
一人で飛び出す小角の後から星野の相棒が追いかけた。
「俺、プルバ・アン・カミてんだ。よろしくな!」
「おう、おれは西塔小角だ」
「知ってる、尾鷹がおまえの事ばっかり話してるからな。一日二十回は聞くぜ」
「ええー、そんなに?」
「うん、おまえはどうか知らんが、尾鷹は本当におまえが好きみたいだぜ」
「う、あー…」
一瞬、小角は捜査に行くのをやめようかと思った。
このまま星野が行方知れずになれば、わずらわされずに済む、いいじゃないか。
それに、恋人がいなくなった笑を、慰める役が回ってくるかも知れない…。
「まあそういうわけにも行かないか…」
どっかの城の、変態な王様のおもちゃなんかにしてしまうにはもったいない人材だ。
星野は顔以外も、かなり使える奴なのである。
ちょっと卑猥な想像が頭を巡って不機嫌になった。
邪な事は許せない。
心底パトロールな小角である。
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